ブルーシャムロック

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豊かさって何だろうか?

2015-01-06 18:27:51 | 信・どんど晴れ
私は、杉本という。
恥ずかしながら、愛知県のある企業に勤務している。
最近まで社長命令で東海岸のロースクールに留学していた。
まあ、後継者だから仕方無いのだ。
でも、なんで東海岸なのだろうか。
社長のあこがれの場所だから仕方がない。
社長はアメリカのホームドラマに憬れていて
アメリカの豊かさとあこがれをすごく持っている。
自分には理解できない。
東海岸に立つ一週間前に見たアンジェリーナ・ジョリーの映画を思い出していたが
けして、それに豊かさやあこがれは見いだせなかった。
vfxなどは社長がみたアメリカのホームドラマより発達しているのに。
単なる人気映画だった。
留学中、ボストンの自宅からnyに観光旅行に赴いた。
第一印象としては、「新宿みたいだ」だった。
社長がExciting Cityなどと大騒ぎしていたので一回行ってみると思ったのだ。
当時、宿泊していてノートパソコンのキーボードを忙しくたたいている
東洋人を発見。どうやら日本人のようだった。彼の持っているキーボードが日本語配列だ
からだ
ちらっと端末の画面を発見する。
「アメリカは田舎の國だ。」
という言葉が何回も出てくる。
「失礼ですが、何を書いているのですか。」
無躾に声をかけてみた。彼の服装が余りにもラフで学生やビジネスマンには見えない。
年齢も30前後だと思った。
「私はノンフィクションライターで、私が調べた日本のサブカルチャーを
海外がどう受容しているか知りたくて今回はアメリカが調査対象になりました。」
と気が焦っているような顏をしていた。
「へぇ。」
というと
「多くの日本人は、アメリカは都会の國だと錯覚しているようですが、本当は
田舎の國だったという部分も、新作で今度発表するポイントになるんですよ。
失礼ですが、あなたはアメリカに住んでいるんですか。」
とノンフィクションライター氏は言う。
「はい。私は愛知県に本社のある企業のサラリーマンで社長命令でボストンの
ロースクールに留学しているのです。」
と正直に答えた。
「ボストンのロースクールですか。そこにいたって、見えないです。
まあ社長がボストンやニューヨークに憬れていた年代なんでしょうね。」
と、ノンフィクションライター氏はキーボードを忙しく叩く手を止めた。
図星だった。
ノンフィクションライター氏のアメリカは田舎の國という主張の本を
完成したら読んでみたくなった。今住んでいる東海岸は空虚に時間が流れているだけだか
ら。