俺、松井達男は出張先の福岡市内のudonチェーン店でうどんを食べている。
取引先の會社の社員が食事に誘ってくれたのだ。
メニュー表をみていて、おもったのだが、福岡県内のいろいろな場所で
展開しているようだった。
中年女性の店員が持ってきたうどんを社員は待ってましたとイワンばかりに
箸をとった。
自分も商社勤務だが、九州担当になって久しい。
このうどんの腰のなさはあまり慣れない。
「私たちにとってうどんといえばこれなんですよ。私どものoa/it機器を担当している愛
知県の
取引の會社の方々が、腰がないとかいっていました。」
社員はふたり居たのだけれども、背の高い方が大きな声で言う。
もう一人の小男の方が彼をたしなめる。
「そうですね。私はすいとんみたいでおいしいですよ。」
俺は率直な意見を言った。
取引先の會社の方はぽかーんとした目をした。
「私はこのゴボ天うどんが好きですよ。」
俺はそう答えた。
「俺もこれが好きですよ。」
背の高いほうがいう。
「私は・・・。」
小男はうどんに拘りがあったので、實に長い物語だった。
背の高い方はまた始まったかという顔をしていた。
福岡の昼は過ぎていく。
つづく
取引先の會社の社員が食事に誘ってくれたのだ。
メニュー表をみていて、おもったのだが、福岡県内のいろいろな場所で
展開しているようだった。
中年女性の店員が持ってきたうどんを社員は待ってましたとイワンばかりに
箸をとった。
自分も商社勤務だが、九州担当になって久しい。
このうどんの腰のなさはあまり慣れない。
「私たちにとってうどんといえばこれなんですよ。私どものoa/it機器を担当している愛
知県の
取引の會社の方々が、腰がないとかいっていました。」
社員はふたり居たのだけれども、背の高い方が大きな声で言う。
もう一人の小男の方が彼をたしなめる。
「そうですね。私はすいとんみたいでおいしいですよ。」
俺は率直な意見を言った。
取引先の會社の方はぽかーんとした目をした。
「私はこのゴボ天うどんが好きですよ。」
俺はそう答えた。
「俺もこれが好きですよ。」
背の高いほうがいう。
「私は・・・。」
小男はうどんに拘りがあったので、實に長い物語だった。
背の高い方はまた始まったかという顔をしていた。
福岡の昼は過ぎていく。
つづく