ブルーシャムロック

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自由に生きよ_2

2011-11-08 17:37:24 | 信・どんど晴れ
私はあることをふと思っていた。
関東に住んでいたのに、伊豆にも小田原にも行ったことがない自らに対して
私の關東時代のルームメイト、高槻久留実が沼津出身の友人が居て、
彼女の家に泊まりに行ったことを思い出した。
いつも飲んでいる焼酎の氷も溶け始めていた。
「小田原に恵美子さんが歸るならば私の存在がもっと強くなるのか。」
そんなことを考えながら焼酎をぐっと飲み干した。
Masterも私のことを心配そうに眺めていた。
「まあ、佳奈ちゃんは此処の島に着てから、責任感で一杯になるよね。」
笑いながら長細いグラスを磨いていた。
「ええ。そうでしか生きられないから。自由に生きて其れで幸せを一人占めにしている人間
とは体質が違うから。」
焼酎の入っているロックグラスを起きながら、私は語った。
そういえば、私の同学出身の女性宇品は私の下宿先を出入りしていた東岡先輩と
ともに、神奈川縣のfm局に就職を決めた。
私のRoommateもだ・・・。
今の家地に帰るとき、自由に生きて自分の生き方を決めた人間をやっかみ半分で
考えてしまう。
だからこそ、生き延びることを考えるのだ。
私を追放したくて溜まらないここの島の人間は誰だ?
そう。女将の姑である大女将である。追放された朝倉や長男の孫である柾樹の話
ばかりだ。
だからこそ、こいつのために生きている。
関東に居た頃、憎しみを糧にするな。其ればかり言われたけれども
もし、私が此處にいるのは、大女将への存在があるから
そいつに根性を見せるためだ。
私にとって、板長さんなどの加賀美屋の従業員、島に住んでいる人々は自分に優しい。
でも、善意を押しつけてくるので、其れが息苦しい。
ここから私を出るのを拒否し、あきらめさせるために存在しているみたいで怖い。
それ故に自由に生きるのは私は駄目なのだろうか。
本心は自由に生きることを是認している人は朝倉以外にも居るはずだ。
つづく


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