ブルーシャムロック

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向島に求めるもの

2017-07-28 17:53:41 | 信・どんど晴れ
「あのー、東北への思いなんて誰も向島には望んでいないんだよ。
地理的・文化的に近い寅さんや両津勘吉のような要素を望んでいるのに。」
のっけから悪口で失礼する。
私は石川県出身の高槻久瑠美という女子大生だ。ゆえあって神奈川県のある大学に
通っていて、ルームシェアとしている。
私の在学する男子学生が素っ頓狂なことを言う。
「東日本だから、東北を守る。それは向島界隈の義務だ。」
私は絶句した。
「そんなことは言えないでしょう。私のルームシェアをしている奄美大島出身の学生は
寅さんや両津勘吉のような要素を向島に望んでいるんだよ。」
と言う。
彼は
「残念だなぁ。奄美大島では上野駅の存在は教えられていないのかい。」
という。
彼は、三浦金沢市にある大学の近くの神奈川縣にある横浜市の南郊と形容すべき
場所に住んでいるのだけれども、両親が向島の出身で双方の祖父母が東北の出身らしい。
だからなのか、向島などの下町と東北を結びつけるのが好きなようである。
「ひょっとしたら、最近多摩で新選組をやたら顕彰するのは、下町が自分勝手に
自らの郷土性と一緒に上野駅を使って、ここにとどまった東北との関係性を必要以上に
こだわる人に怒り始めたのかもしれない。」
と、きっぱり言った。
「あの、田舎がか・・。じゃあ京都はドウなんだ・・・。」
私は、
「こう言っている人は京都や大阪も苦手かもよ。」
と意地悪く言った。
彼はなにか言いたそうだった。
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