ブルーシャムロック

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徳之島からの電話

2017-08-05 11:58:47 | 信・どんど晴れ
「ああ。そうなんだ。」
私は固定電話の受話器を下げると、ため息をついた。
私のいとこ、中環 (atari_tamaki) の嫁ぎ先の大女将が先日那覇の病院で
亡くなり、遺骨が徳之島に戻ったところで葬儀らしい。
私は何者か、私は中環 (atari_tamaki) と同じ古仁屋という奄美大島の
集落出身で、私は仕事で鹿児島の本土に行き、現在は市内の鴨池と言う場所に住んでいる
男である。
「環さん、あの加賀美屋に嫁いだときは次男の嫁だから何かと長男夫婦より
差別を受けたとか言っていましたよね。」
私の愚痴をよく聞いてくれる妻が言う。
「ああ。そうなんだよな。彼女のことだ。さっさと死んでくれてよかった
ぐらいに考えているのだろう。」
私は彼女の幼い頃からいとことして見てきた。敵に対してすごく厳しく、
些か、敵と味方を分けたがる性格が存在した。だから思い込みのきらいがある。
大女将がいきなり、長男夫妻の息子の婚約者を後継者にすることを決めてしまった時には
すごく怒りを自分にぶつけていた。
「お葬式のことは、環さんは何か言っていました。」
妻が、徳之島に行くためのことを心配し始めた。
「何も言っていないから、大丈夫なのだろう。」
私は言う。
でも、頭にあるのは彼女がここ数年元々神奈川県の学校に進学していたものの、加計呂麻島の
実家に帰っていた、松本佳奈さんという女性を自分の後継者にするとか言っていたな・・。
ひょっとしたら・・・。
おわり
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