ブルーシャムロック

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信・加賀美屋の一番長い日_1

2014-06-18 17:55:54 | 信・どんど晴れ
その日は、やたら春の日差しが強い日だった。
松本佳奈は、やたら早く目が覚めた。
「何時だよ。まだ5時かよ。」
面倒くさそうに職場に向かう。
加賀美屋という徳之島の老舗旅館だ。
「おはよう御座います。女将」
上司である女将、加賀美環に一礼をする。
「今日は私の甥が横浜から婚約者を連れてくる。
それのパーティーだ。」
従業員は黙って一礼する。
「横浜ですか。なんだか懐かしいというか」
佳奈は、まだ未練が有りそうな顔をした。
「うん。そうなんだ。あなた達仲居はパーティーの料理を運ぶ
準備をする。」
女将自身、その甥が帰って来ることに複雑な感じだった。
「めでたいじゃないですか。祝ってやりましょう。」
佳奈からしてみたら、不安そうな女将を気遣ったのだが、
何やら不安が拭えなかった。
「大女将が、そのおいごさんを担いでというのが怖いのですか。
みんなが許さないようにも私には映ります。」
と佳奈は言ってみた。
「そうだねぇ。」
朝だというのに、強い日差しとは対照的に、
大女将の表情は曇っていた。
to be continued ?
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