「補欠合格だったんだ。」
佳奈の話に、小禄は耳を傾けていた。
「そうだ。魔訓學園の人には、感謝している。」
少し冷めかけた、マグカップのハイビスカスティーを口に含みつつ佳奈は
「今の大学に受からなければ、私は大阪に就職する予定だった。オヤジの伝手でな。」
と自嘲した。
「自らをあざけないでもいいのに。」
小禄はそう言ったが、やはり沖繩とは違う奄美なのか・・・。と考えていた。
「関東に来て思ったけれども、奄美の人間って自意識過剰なんだよ。だから其れを傷つけられたくなくて
大阪にこだわっているのかなと。」
佳奈は突拍子もないことを言う。
「よくわからないけれども。」
小禄はそう言葉を発した。
「そうか・・・。自意識過剰なのは、或る意味東北の人間も似ているかもしれない。」
佳奈も小禄も、横手淡雪のことを思い浮かべていた。
「だからさあ、佳奈ちゃんは島を救う人になるかもしれない。島を嫌っていても。」
小禄はそう締めた。佳奈は難しそうな顏をしていた。
end
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