ブルーシャムロック

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純情の秋田市に捧げる牡丹(12)

2008-11-28 09:38:47 | 信・どんど晴れ

馬鹿話をしているうちに、明日はお正月という日になった。
大晦日の大掃除を佳奈たちも手伝っている。
なぜだか、力仕事は、佳奈の仕事である。
淡雪の父が経営している会社の従業員も手伝う。
「佳奈ちゃん、見ていると農機具の扱いとか慣れているね。」
一番年かさの従業員が言う。年の頃40 位か。
「家が奄美にある加計呂麻島でサトウキビ農家でしてね。」
淡雪たちとはなぜだか、話が合わないが、彼らとはなぜだか馬が合う。
「サトウキビ農家か。俺は秋田と北海道を行ったり着たりだから、想像も付かんな。」
頼れる兄貴という彼は、佳奈を妹のように思っているのかもしれない。
従業員のほかに作業着の男が居るのを見た。
「あの人は?」
「北海道の人でね。実家が札幌なんだけれども2,3年前ぐらいから秋田市に赴任して・・。
種苗会社の社員だ。」
従業員は佳奈に聞いた。
「今度の初詣、淡雪ちゃんといくのかい?」
佳奈は一瞬考えて、
「いいえ、隣の彰と行きます。」
そうキッパリ答えた。
従業員は笑いながら
「あっはっはっは。馬が合いそうだよ。」
そういい放った。
「淡雪と同居してこのかた、単なる同居人で、ただ関東の家には寝て帰るだけで。」
そういってダンボールを片付けた。
大掃除もどうやら済みそうである。
年が開けて、近所の神社に淡雪の家族を先頭に初詣に行く。
「佳奈ちゃん。」
佳奈は女性にしては低い声に振り向く。
「彰か。神社まで行く?」
彰は黙ってうなずいた。
此処の神社は秋田市でも大きな神社とは言い難く、町内の人間がお参りに行くような場所である。
それなのに人だかりが出来ていた。
佳奈は力任せに大きな柏手をうつ。
彰はそれに対しては女性的な感じを受ける。
「佳奈ちゃんは何をお参りしたの。」
彰が聞く。
「そうさな・・。」
佳奈は一瞬考えて彰に耳打をした。
さて・・・。
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