ブルーシャムロック

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信・加賀美屋の一番長い日_5

2014-07-11 12:13:53 | 信・どんど晴れ
「そうなんですか。」
恵美子は皮肉っぽく大女将を見た。
「恵美子さんだっけ。少し顏がこわばっているよ。」
女将の甥は苦笑していた。
「だって、大女将が嬉しそうな顏をおいごさんをみて
思って居たので。」
「そうかい。まあ恵美子さん」
大女将は恩着せがましく、恵美子を見た。
恵美子は、甥の婚約者である女性を見る。
「婚約者さん?聞けば、濱生まれ濱育ちなんですよね。
私は同じ、神奈川縣の小田原出身なんですよ。奇偶だなぁ。」
と、恍惚けて見せた。
「そうなんですよ。」
その婚約者という女性はあまりにも平凡でつまらない女性だ。
その甥とはまあイイカップルになるだろうな。
ただそれだけである。
「あのー。婚約者さんとどういう家庭を築くんですか。
やはり、濱で平凡ながら幸せな家庭を築くのかな。
だといいなぁ。」
恵美子は此島に来てあまり面白かった事がないと信じている。
だから、幸せそうな甥と婚約者の女性に嫉妬していた。
「やたら、こわばっていません。恵美子さん。」
女性もそういう。
「そうじゃありませんが・・。」
ソレを見た大女将は
有るよこしまな事を考えていた。
つづく
コメント
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