ブルーシャムロック

此処はtomohiroのオリジナル小説サイトです。
小説主体ですので、小説に興味の無い
人は、退出下さい。

春に君と_プロローグ

2014-04-18 17:21:53 | 逆襲の藤隆
「實はこれは私の娘なんだよ。」
旦那様の共同研究者の男性は軽くつぶやいた。
旦那様は一瞬ぎょっとなった。
「君の娘にしては、沢山いる。その上君はこういったクローン技術の専攻では無かろう。」
旦那様が見た物は、細長く水族館の展示水槽のような物に胎児が入っているという
代物であった。
「誰に作って貰ったって、これを作って貰ったのはあの出来杉英才博士だよ。」
旦那様が聞いても居ないのに、共同研究者は聞き始めた。
「そうなのか。でもこのクローンの細胞の主は誰なんだい。」
旦那様はかまかけて聞いてみる。
「私の妻だ。彼女は私の母になってくれるかもしれない女性だから。」
そんなことを言う。
「君には息子さんが居るはずだが。」
旦那様は顔を曇らせた。
「まぁね。有る女性と関係を持って妊娠させた・・・。この子をどうするか。
私は下ろしたくはない。」
あまり、女性関係はこの共同研究者は派手な方ではない。その人が他人の女性を
妊娠させた・・・。
「正直言って、この問題はこじれないようにするだけだよ。」
旦那様は、結局強くいえなかった。
「そういえば、出来杉英才博士はこのクローンの女の子をexam systemに利用するとか
言っていたけれども。」
共同研究者が巨大な力を持つ科学者、出来杉英才博士を問い詰めていたのを
旦那様は横で睨んでいた。
「exam system、私はこの研究に対しては興味無いな。」
と言った。
脳天気かなんなのか分からない空気が流れていた。
程なくして、卵生細胞を提供した共同研究者の妻は急逝した。
この私、平賀知世は、そのとき作られたクローンということも付け加える。
つづく
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする