なんだか、ほっとする味だな。」
ルームメイトの横手淡雪の作ったアップルパイをほおばりながら
松本佳奈は口を開いた。
横では同じくRoommateの高槻久留実が「保険金殺人の実態」という
昨日近所の市立図書館から借りてきた本を読んでいた。
「お隣の諏訪の三姉妹から貰った紅玉ね。」
本をぱたりと閉じて、アップルパイをFolkに指す。
「あそこも、なんだか姉妹だけでうまく暮らしているよね。長女が製薬会社に勤めていて
下の二人がまだ學生だと聞いた。」
淡雪は洗う予定の食器を流しに持って行った。
「何かの励で、才能姉妹とか言ってデビューしたらおもしろくない。」
久留実は、クスクス笑いながら保険金殺人に関する本と並行して借りてきた
コシノ三姉妹に関する本に目が行った。
「かの有名な人見たくいきますかね。」
佳奈は意地悪く笑った。
「ちょっと意地悪なんじゃないの。」
淡雪が訂正した。
「佳奈ちゃんは物事を斜に見ることが好きだからね。近頃それが強くなっている。」
久留実が言う。
「仕方がないだろう。其れが私だ。」
佳奈は訂正するように言う。
「ところで、佳奈ちゃんは目標である關東でやりたいことは見つかったのかな。」
淡雪は、佳奈をにらんだ。
佳奈は、言うことが何もなかった。其れを見て久留実は乾いた笑いをたたえていた。
おわり
ルームメイトの横手淡雪の作ったアップルパイをほおばりながら
松本佳奈は口を開いた。
横では同じくRoommateの高槻久留実が「保険金殺人の実態」という
昨日近所の市立図書館から借りてきた本を読んでいた。
「お隣の諏訪の三姉妹から貰った紅玉ね。」
本をぱたりと閉じて、アップルパイをFolkに指す。
「あそこも、なんだか姉妹だけでうまく暮らしているよね。長女が製薬会社に勤めていて
下の二人がまだ學生だと聞いた。」
淡雪は洗う予定の食器を流しに持って行った。
「何かの励で、才能姉妹とか言ってデビューしたらおもしろくない。」
久留実は、クスクス笑いながら保険金殺人に関する本と並行して借りてきた
コシノ三姉妹に関する本に目が行った。
「かの有名な人見たくいきますかね。」
佳奈は意地悪く笑った。
「ちょっと意地悪なんじゃないの。」
淡雪が訂正した。
「佳奈ちゃんは物事を斜に見ることが好きだからね。近頃それが強くなっている。」
久留実が言う。
「仕方がないだろう。其れが私だ。」
佳奈は訂正するように言う。
「ところで、佳奈ちゃんは目標である關東でやりたいことは見つかったのかな。」
淡雪は、佳奈をにらんだ。
佳奈は、言うことが何もなかった。其れを見て久留実は乾いた笑いをたたえていた。
おわり