ブルーシャムロック

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秋深し

2011-11-03 17:14:28 | 信・どんど晴れ
なんだか、ほっとする味だな。」
ルームメイトの横手淡雪の作ったアップルパイをほおばりながら
松本佳奈は口を開いた。
横では同じくRoommateの高槻久留実が「保険金殺人の実態」という
昨日近所の市立図書館から借りてきた本を読んでいた。
「お隣の諏訪の三姉妹から貰った紅玉ね。」
本をぱたりと閉じて、アップルパイをFolkに指す。
「あそこも、なんだか姉妹だけでうまく暮らしているよね。長女が製薬会社に勤めていて
下の二人がまだ學生だと聞いた。」
淡雪は洗う予定の食器を流しに持って行った。
「何かの励で、才能姉妹とか言ってデビューしたらおもしろくない。」
久留実は、クスクス笑いながら保険金殺人に関する本と並行して借りてきた
コシノ三姉妹に関する本に目が行った。
「かの有名な人見たくいきますかね。」
佳奈は意地悪く笑った。
「ちょっと意地悪なんじゃないの。」
淡雪が訂正した。
「佳奈ちゃんは物事を斜に見ることが好きだからね。近頃それが強くなっている。」
久留実が言う。
「仕方がないだろう。其れが私だ。」
佳奈は訂正するように言う。
「ところで、佳奈ちゃんは目標である關東でやりたいことは見つかったのかな。」
淡雪は、佳奈をにらんだ。
佳奈は、言うことが何もなかった。其れを見て久留実は乾いた笑いをたたえていた。
おわり
コメント
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