保健福祉の現場から

感じるままに

がん検診の精度管理は全国的な課題

2016年09月26日 | Weblog
NHK「がん死亡率最悪の青森県 検診の精度を独自に調査」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160926/k10010707411000.html?utm_int=news-new_contents_list-items_008)。<以下引用>
<がんによる死亡率が11年連続で全国最悪となっている青森県は、がんの早期発見と治療の基本となるがん検診が適切に行われていない可能性があるとして県内の市町村を対象に検診の精度に問題ないかを調べる独自の調査を始めました。この調査は、青森県が弘前大学などと共同で始めたものです。がんは検診による早期発見が死亡率を下げる重要な鍵で、胃がんや乳がんなど5つのがんについて各市町村が対象となる住民のリストを作成し検診を促すなどしています。しかし県によりますと、中には対象者のリストを作るのに本来使うべき住民基本台帳ではなく別のデータを使い、検診の対象となるべき住民がリストから漏れている可能性があることがわかったということで、県では各市町村から実態を細かく聞き取り、がん検診の精度を改善したいとしています。国立がん研究センターは検診でがんをきちんと見つけ出すために住民の中から検診が必要な人を正確に抽出できているかなど200項目に上る手順を定めていますが、青森県は手順の達成率が70%以下となっています。国立がん研究センターの斎藤博部長は「がんの早期発見に欠かせない手順は100%満たして欲しいが、全国平均でも80%程度で、全国でも同じような課題を抱えている。ほかの都道府県でも青森県のような取り組みを行い質の管理を徹底して欲しい」と話しています。がん検診の質の管理は全国共通の課題 国が定めたがん対策基本法では、がんの早期発見につなげるため、国と自治体ががん検診の受診率や質の向上に取り組むよう求められています。しかし、受診率が低いままになっている問題に加えて検診の対象者をリストアップしたり、精密検査が必要な人をフォローアップしたりする仕組みが不十分なため、がんの早期発見や死亡率の改善に結びついていないと指摘されています。このため、厚生労働省では6年前から自治体向けに検診の質を管理するためのチェックリストなどを作るなどして対策を進めています。チェックリストには胃がんや乳がんなどがんごとに検診を受ける人を住民の中から適切に抽出できているかや精密検査が必要な人でまだ受けていない人に受診を促しているかなど、200近い項目が設けられていますが、チェックリストの項目について適切に実施されている割合を国立がん研究センターが調べたところ、全国平均は80%ほどで、青森県はそれより10%以上低い、70%未満に留まっていました。がん検診の課題を検討する国の委員会のメンバーを務める、国立がん研究センター検診研究部の斎藤博部長は、「がん検診が早期発見に結びつくかどうかは検診が必要な人に適切に行われているかをチェックする質の管理にかかっている。チェックリストに挙げた項目はいずれも必要不可欠なものだが実施率をみると検診の質の管理は全国共通の課題だと言える。検診が適切に行われているか調べるという青森県の取り組みを他の都道府県でも行うなどして質の管理を徹底して欲しい」と話しています。>

がん対策推進基本計画(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/gan_keikaku.html)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_keikaku02.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/dl/gan_keikaku01.pdf)やがん対策加速化プラン(http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000107743.html)(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000107766.pdf)でも精度管理の向上が要請されている。「がん検診受診率等に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=360026)の資料「プロセス指標、特に精検受診率基準値の見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000127231.pdf)p6~乳がん 精検受診率、大腸がん 精検受診率、胃がん 要精検率が都道府県ごとに出ており、一部の都道府県では許容値をクリアしていないことがわかる。国立がん研究センター「がん登録・統計」(http://ganjoho.jp/reg_stat/)では「がん検診受診率データ(市区町村による地域保健・健康増進事業報告データ)」だけではなく、「都道府県別がん検診プロセス指標データ」(http://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/dl/index.html#a27)が公表されていることは常識としたい。都道府県別の厚労省「がん検診事業の評価に関する委員会報告書」(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2008/03/dl/s0301-4c.pdf)における、各がん検診の許容値「要精検率、精検受診率、がん発見率、陽性反応適中度」の格差は小さくないことがわかる。政府統計の総合窓口「e-stat」(http://www.e-stat.go.jp/SG1/estat/NewList.do?tid=000001030884)では地域保健・健康増進事業報告の市町村別データが出ていることも知っておきたい。CSV形式で公開されていても、データウエアハウス(http://www.bbreak.co.jp/maeyes/column/column7.html)のような活用しやすい仕掛けが必要であろう。なお、資料「プロセス指標、特に精検受診率基準値の見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000127231.pdf)p9「個別検診の精度管理水準が低い」とあることは重視したい。個別検診は集団検診に比べてかなり検診単価が高いはずである(この情報公開も必要と感じる)が、精度管理水準が低いようではいけない。がん検診の精度向上には、資料「プロセス指標、特に精検受診率基準値の見直しについて」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000127231.pdf)p2「精検受診率(未受診・未把握率)は市町村/検診機関単位でも重視すべき」の情報公開を徹底する必要があるかもしれない。しかし、がん検診の精度管理は市町村の検診だけではない。昨年12月のがん対策加速化プラン(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000112903.pdf)p5「職域においても、検診受診率のみならず、精密検査受診率等に関する目標値を設定する。」とあった。厚労省資料「がん検診に関する実施状況等調査集計結果」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000124103.pdf)p1「がん検診受診者数を把握 していない」59.0%、p3「がん検診要精検者数を把握していない」96.0%、p4「精密検査の受診勧奨を行っていない」57.4%、p5「乳がん検診を行っていない」17.9%、「子宮頸がん検診を行っていない」16.9%などとあるが、この調査対象は「健康保険組合」で、基本的に大企業であることを認識すべきである。果たして中小企業ではどういう状況であろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

組織横断の肝炎対策

2016年09月26日 | Weblog
平成29年度厚生労働省所管概算要求(http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/17syokan/)の資料(http://www.mhlw.go.jp/wp/yosan/yosan/17syokan/dl/gaiyo-03.pdf)p5「肝炎患者の重症化予防推進事業の実施」の「職域における肝炎ウイルス検査の推進のため、検診機関及び事業者等との連携を図る。」と「肝疾患地域連携体制の強化」の「新たにインセンティブ評価を導入し、都道府県等が行う先進的事例への補助を実施することで、取組の加速を図る。」は注目であり、保健衛生ニュース9月26日号p30~31をみておきたい。肝炎対策(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/index.html)(http://www.kanen.ncgm.go.jp/index.html)では、何といっても肝炎対策の推進に関する基本的な指針改正(http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=PCMMSTDETAIL&id=495160028&Mode=0)(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/pdf/hourei-27.pdf)が大きい。「肝がん罹患率の減少を目標」「職域での啓発や検査実施」を掲げるのであれば、厚労省資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/2181KB.pdf)p45「定期検査費用助成の拡充」の対象について、妊婦健診や職域健診での陽性者に拡充されないといけないと感じていた方が少なくないであろう。地域・職域連携推進協議会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128579)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-kenkou.html?tid=128578)においても肝炎対策について積極的に協議すべきと感じる。今年10月からのB型肝炎ワクチンの法定接種化(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905750-Kenkoukyoku-Kanentaisakusuishinshitsu/0000117609.pdf)を機に、今後、妊婦健診での肝炎ウイルス検査や、エイズ動向委員会(http://api-net.jfap.or.jp/status/index.html)の定期発表で「献血件数及びHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数」が公開されているように、献血血液での肝炎検査陽性件数も含めて、一般の肝炎ウイルスキャリア率を評価すべきと感じる。とにかく、肝炎対策(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou09/index.html)(http://www.kanen.ncgm.go.jp/index.html)は組織横断でなければならない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療データの利活用と規制緩和

2016年09月26日 | Weblog
政府の未来投資会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/index.html)の資料「成長戦略の課題と今後の検討事項」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai1/siryou4.pdf)p6医療・介護「○再生医療の実用化の促進、医薬品・医療機器の審査の迅速化などの良質な医療へのアクセスに向けた取組が進展。他方、国民の医療費は国際的にも高水準で、地域間格差も存在。また、医薬品・医療機器は大きく輸入超過。○また、介護現場は、人手不足だが給与は低水準。離職率も高い。○少子高齢化の中、将来も安心できる医療や介護の実現に向け、①国民皆保険の下で収集された膨大な医療データの利活用、②規制やルール(介護報酬等)の改革を通じ、IoT や人工知能、ロボットなどの技術革新の促進や医療・介護現場への社会実装を進めることが必要ではないか。○同時に、公的保険外サービスとの組合せにより、健康寿命延伸のための効率的・効果的な医療・介護サービス提供体制の構築が必要ではないか。」のうち、特に「国民皆保険の下で収集された膨大な医療データの利活用」が気になる。データヘルス(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/hokenjigyou/index.html)の中で、国保データベース(KDB)システムのような医療データの分析評価は常識としたい。そういえば、日本看護協会「データを活用した保健活動推進のためのフォーラム」(http://www.phcd.jp/02/j_seminar/pdf/20170120_tmp01.pdf)が案内されている。「地方自治体における生活習慣病関連の健康課題把握のための参考データ・ツール」(http://www.niph.go.jp/soshiki/07shougai/datakatsuyou/)を活用するためには、地域レベルでの研修が必要かもしれない。全国共通の分析ツールの中で最も活用されているように感じるのは、国保データベース(KDB)システムである。国保連合会ホームページ(https://www.kokuho.or.jp/hoken/public/hokenannouncement.html)2015.01.09にKDB活用マニュアルver.1.2が出ている。KDBは国保特定健診の受診者データだけではなく、医療レセプト(国保、後期高齢)、介護保険レセプトのデータベースもあり、分析結果は健康づくり推進協議会等においても広く活用したいものである。また、現場サイドでもう一つ活用が進んでいないと感じるのは、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)である。「国立保健医療科学院の「地域医療構想策定研修(都道府県職員研修)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo02.html)・「地域医療構想策定研修(専門家連携編)」(https://www.niph.go.jp/entrance/h27/course/short/short_iryo03.html)で実践研修された「医療計画作成支援データブック;データ集(電子データブック、SCR、アクセスマップ・人口カバー率、DPC公開データ)」の分析データは有用である。しかし、平成27年7月28日医政局地域医療計画課事務連絡「地域医療構想策定支援ツール等から得られる情報の関係者間での共有等について」で、医療計画・地域医療構想関係者に限定され、「国が決めた誓約書」による厳格な規制がかかっている。医療費適正化計画、健康増進計画、介護保険事業計画、障害福祉計画等を担当する行政職員すら、医療計画作成支援データブックの分析データ(生データではない!)を閲覧できないでいる。国の「タテワリ主義」「規制主義」は本当に何とかならないものであろうか。未来投資会議(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/index.html)で議論する以前の話のようにも感じる。そもそも医療計画は医療費適正化計画、健康増進計画、介護保険事業計画、障害福祉計画等と調和すべきものであり、医療計画作成支援データブック(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000115654.pdf)の分析データ(生データではない!)は少なくともそれらの計画に関係する方々に開放すべきであろう。医療データの利活用を「未来」の話にしてはいけない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医療計画と医療従事者の需給

2016年09月26日 | Weblog
M3「ICUとCCU「既存病床数」に含めるか否か、結論出ず 地域医療構想に関するWG、「病床の必要量」関連は整理」(https://www.m3.com/news/iryoishin/461645)。<以下引用>
<厚生労働省の「医療計画の見直し等に関する検討会」の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(座長:尾形裕也・東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)の第3回会議が9月23日に開催され、医療計画における「基準病床数」と、地域医療構想の「病床の必要量」の関係や、各地域における地域医療構想調整会議の議論の進め方を整理した、ワーキンググループとしての案を了承した。2018年度からの第7次医療計画の基本方針策定に向け、議論を進める「医療計画の見直し等に関する検討会」に近く報告する。ただし、ICUやCCUなどの病床を、「既存病床数」としてカウントするか否かなど、第2回会議からの継続検討事項については結論が出ず、本ワーキンググループの構成員の間で持ち回り等で議論した上で、「医療計画の見直し等に関する検討会」に上げる。2025年の医療提供体制に向けた地域医療構想は、医療計画の一部。医療計画上の「病床過剰地域」で増床が難しい地域において、「病床の必要量」が、将来も「既存病床数」を上回ると見込まれる場合の扱いが、焦点の一つだった。高齢化の進展等に伴う医療需要の増加を毎年評価するなど、「基準病床数」を確認、必要に応じて見直し、増床が可能になるよう対応する。これは、第2回の会議で議論した内容だ。そのほか、(1)基準病床数の算定に当たっては、計画策定時における夜間人口(第7次医療計画策定時は、2016年の住民基本台帳、もしくは2015年の国勢調査)を用いる(ただし、今後急激な医療需要の増加が見込まれる地域では、前述のように別途対応)、(2)一般病床の基準病床数の算定に当たっては、従来通り退院率と平均在院日数を用いるが、平均在院日数には地域差を適切に反映、(3)患者の流出入は都道府県間で調整――などの方針を決めた。地域医療構想調整会議は、「病床の必要量」を達成するための「協議の場」。第2回会議に提出された資料では、まず「公的医療機関等の役割」から議論する表現になっていたが、それを改め、公的か私的かという開設主体を問わず、「一定規模の病床を有し、地域の救急医療や災害医療等を担う医療機関の役割を検討する」方針とした。「地域医療構想に関するワーキンググループ」は当初から3回の会議で議論を終える予定だったため、二つの議題を積み残した。「ワーキンググループで議論を」 第3回「地域医療構想に関するワーキンググループ」で議論になったものの、結論が出なかったのは、2点ある。日本医師会副会長の中川俊男氏が、いずれの点についても、ワーキンググループで議論すべきと主張、「医療計画の見直し等に関する検討会」に上げる前に、構成員の間で持ち回り等で一定の議論をすることで落ち着いた。本ワーキンググループは当初から、第3回で終了する予定だった。論点の一つは、ICUやCCUなどを「既存病床数」として取り扱うか否かだ。医療法施行規則上、ICU等は、一時的な患者受け入れを想定して、「同一病医院内に、その患者を収容する病床が別途確保されている場合」には、「既存病床数」として算定しない。しかし、その運用は、都道府県によって相違があることが、第2回会議で問題視された。奈良県立医科大学医学教授の今村知明氏によると、以前はこの医療法施行規則が厳格に運用されてきたものの、ここ数年は「既存病床数」に含めて対応するケースが多いという。厚労省は、(1)ICU等のほかにも、NICUなど多様な治療室の類型があり、現状を踏まえた見直しが必要、(2)ICU等の治療室には、救急外来から直接入室する場合、病棟の予定手術の後にICU等に入室する場合など、さまざまな場合がある――とし、「ICU等の治療室については、実態の運用状況に沿った取り扱いの明確化が必要ではないか」と整理。これに対し、「どのように見直すか、はっきりさせてもらいたい」と問いかけたのが中川氏。全国自治体病院協議会会長の邊見公雄氏は、「別途病床が確保されている」という理由で、ICU等が削減されたりすれば、地域医療にとっては、非常に大きな問題と懸念した。中川氏も続いて、別途病床が確保されているか否かなどは、ICU等の日々の運用によっても異なるため、「既存病床数」に入れるか否かの判断は容易ではないと指摘、地域医療に大混乱を招きかねない重要な議論であるとし、ワーキンググループでの議論を求めた。厚労省医政局地域医療計画課長の佐々木健氏は、「実態の運用状況に沿った取り扱いの明確化」は、明確化した以降にICUを新設する場合などに適用するものであり、既存のベッドを取り上げるようなことは考えていないと説明。そもそも運用状況が不明のため、その把握が先決であるとした。厚労省医政局長の神田裕二氏も、都道府県により不公平があっては問題であるとし、「実態を把握して整理し、その上で議論してもらいたい」と述べ、理解を求めた。「医療資源投入量」 もう一つの論点は、厚労省が「一般病床の基準病床数の算定に当たって、医療資源投入量の少ない患者の取り扱いは、入院経過中における医療資源投入量の変化やその患者像等も踏まえつつ、平均在院日数の考え方と併せて今後整理」とした点。この点も第2回会議で議論になっていた。「医療資源投入量」は、地域医療構想で、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の区分の際に用いるレセプト点数から見た指標で、慢性期に相当する医療需要は、療養病床あるいは在宅医療で対応することになっている。厚労省医政局地域医療計画課は、第2回会議で、「ここに該当している患者が、どんな経過を辿るのかを調べることによって、整理ができないかと考えている」と説明。在宅医療で診る患者が多ければ、平均在院日数の短縮、ひいては基準病床数の減少が想定される。佐々木課長は、「医療資源投入量」の少ない患者がどんな病態にあるかを検討しないと議論ができず、在宅医療に移るか否かという見込みすら立てられないとし、「結論ではない。今データを集めており、引き続き議論するという意味で、このような表現にした」と説明。それでも、「基準病床数の算定式に、医療資源投入量は全く関係がないはず。なぜここに出てくるのかが腑に落ちない。基準病床数と『病床の必要量』は整合性を取るものではないが、この表現では取るように見えてしまう」‘(中川氏)、「基準病床数と『病床の必要量』は違う。ここにあえて文言を入れる必要があるのか」(全日本病院協会副会長の織田正道氏)、「医療資源投入量が、医療必要度と関係するかは分からない。例えば、手術を控え、検査が終わった時点では、医療必要度は高いが、医療資源投入量は少ない。現場から遊離している」(邊見氏)などの異論が相次いだ。尾形座長は、「データがないと実質的な議論ができていない」とし、厚労省と相談して表現等を見直し、本ワーキンググループの構成員に諮ると述べ、議論を終えた。>

メディウォッチ「基準病床数の設定にあたり、「医療資源投入量」を考慮すべきか―地域医療構想ワーキング」(http://www.medwatch.jp/?p=10485)。<以下引用>
<医療計画における基準病床数の設定について、「病床過剰地域であるが、将来に向けて病床の必要量が既存病床数を大きく上回る」ような場合には、基準病床数を毎年見直すことや、特例措置で対応する―。こういった方針が、23日に開かれた地域医療構想に関するワーキンググループ(以下、ワーキング)で固まりました。近く、親会議である「医療計画等の見直しに関する検討会」に報告されます。ただし、基準病床数の中で「医療資源投入量の少ない患者」の取扱いをどうするかというテーマについては意見が固まっておらず、親会議に議論の場を移すことになります。病床の必要量が今後増大する地域では、基準病床数の毎年見直しなどで対応 大阪府や東京都など、今後も高齢化が著しく進行する地域で生じる「既存病床数が基準病床数(事実上の病床整備上限)を上回っているために地域で増床ができないが、新たに定めた地域医療構想の『病床の必要量』(2025年において必要となる病床数)は既存病床数を超えている」という問題が浮上しています。これにどう対応するかが、ワーキングでの大きな検討テーマになっていました。端的に言えば「医療計画の『基準病床数』と、地域医療構想の『病床の必要量』の関係をどう考えるか」ということです。厚労省は、8月31日の前回会合で次のような考えを提示。今般の(9月23日)の会合で了承された格好です。(a)高齢化の進展などに伴う医療需要の増加を毎年評価するなど、基準病床数を確認する (b)医療法第30条の4第7項の「基準病床数算定時の特例措置」(▼急激な人口増▼特定疾病の罹患者の異常増―などがある場合には基準病床数を増やせる)で対応する ただし、23日の会合で厚労省は、(a)(b)によって増床する際にも、▼機能区分(高度急性期、急性期、回復期、慢性期)ごとの医療需要▼高齢者人口のピークアウト後を含む医療需要の推移▼疾病別の医療供給の状況、各医療圏の患者流出入、交通機関の整備状況などの地域事情▼都道府県内の各医療圏の医療機関の分布―など、地域の実情等を十分に考慮し、検討をする必要があるともしています。現在の人口動態の傾向が続けば、東京や大阪でもいずれ医療需要は減少するため、安易な増床は「将来の病床過剰」を招いてしまいます。(a)(b)においても、慎重な増床が求められる点に留意が必要です。さらに、基準病床数の計算式について、「ベースとなる人口は『医療計画策定時の夜間人口』を用いる」(従来どおり)、「平均在院日数については、地域差を適切に反映させたものとする」(従来から一部変更)、「患者の流出入については、特に必要な場合に都道府県間で調整を行う仕組みとする」(従来から変更)、「病床利用率については、地域医療構想と同様に一定の値を定め、都道府県の実情を一定程度、勘案できることとする」(従来から一部変更)などの方針も固められました。2018年度からの医療計画において、計算式が見直されることになるでしょう。医療資源投入量が少ない患者、実像を精査した上で、親検討会で議論 ところで、厚労省は「基準病床数の設定において、医療資源投入量の少ない患者をどう考えるか」という論点も示していました。地域医療構想策定ガイドラインでは、「医療資源投入量」を指標として患者の医療ニーズを高度急性期(3000点以上)、急性期(600点以上)、回復期(175点以上)に区分しており、1日当たりの医療資源投入量が175点を下回る患者については、「慢性期」「在宅医療等」での対応を念頭に置くこととしています。すると、仮に「医療資源投入量が175点未満となった患者をすべて在宅に移行する」という方針が決まった場合、「一般病床の基準病床数を減少する(平均在院日数が短くなるため)」という選択肢が浮上します。このため上記の論点が浮上したのですが、厚労省医政局地域医療計画課の佐々木健課長は「医療資源投入量の少ない患者の実像を分析している途中であり、ワーキングで具体的な議論をしていただける状況にない。親会議(医療計画の見直し等に関する検討会)で議論してもらうこととしてはどうか」と提案しました。例えば「退院間際で医療資源投入量が著しく少ない患者」であれば在宅や外来への移行が考えられますが、「抗がん剤治療のインターバルで資源投入量が少ない患者」では在宅などへの移行は非現実的です。こうしたデータを整理し、親会議で改めて検討してはどうかとの提案内容です。しかし、ワーキングでは「そもそも、基準病床数を計算するにあたり、医療資源投入量を勘案すべきではない」(中川俊男構成員:日本医師会副会長)、「資源投入量と医療の必要性とが相関するかは分からない」(邉見公雄構成員:全国自治体病院協議会会長)といった指摘が相次ぎ、この論点については「厚労省と尾形裕也座長(東京大学政策ビジョン研究センター特任教授)との間で練り直し、その後、構成員に確認してもらう」ことになりました。地域医療構想の実現に向け、調整会議ではまず「各医療機関の機能の明確化」を また23日のワーキングでは、地域医療構想を実現するための「協議の場」(地域医療構想調整会議)での議論の進め方例も固められました。大枠は以下のとおりですが、地域によって異なる進め方をしても一向に構いません。この「進め方例」も親会議に報告されます。▼構想区域における医療機関の役割を明確化し、関係者が共有する(公的医療機関や地域医療支援病院、特定機能病院、その他の構想区域における中心的な医療機関の役割、それ以外の医療機関の役割をそれぞれ明確化し共有するほか、新規参入医療機関や規模を拡大する医療機関にも方向性を共有してもらう)▼病床機能分化・連携に向けた方策を検討する(医療機器などのストラクチャーの共同利用やマンパワー確保、地域住民への啓発などを具体的に検討する) ICUなどの病床数、既存病床数にカウントすべきか、除外すべきか さらに23日のワーキングでは、「既存病床の補正方法」見直しについても議論しました。現在、医療法施行規則では、▼放射線治療病室▼菌病室▼集中強化治療室(ICU)▼心疾患強化治療室(CCU)―の病床については、当該病室での治療終了後の入院のための病床(例えばICU退室後の一般病床など)が同一病院内に確保されている場合には、既存病床数にカウントしないという規定があります(規則第30条の33第1項第2号)。しかし、都道府県によっては必ずしもこの規定どおりに運用されていない可能性があることから、厚労省は今般、「実態に沿った取り扱いの明確化」を検討してはどうかと提案しました。合わせて、新生児特定集中治療室(NICU)や脳卒中ケアユニット(SCU)など、多様な治療室類型があることを踏まえた見直しも検討することになります。この点について佐々木地域医療計画課長は、「既存のベッドを取り上げるようなことは考えていない。今後、新たにNICUなどを整備するにあたり、既存病床数に含めるべきなのかどうかなど、ルールを統一化してはどうかと考えている」と説明。また厚労省医政局の神田裕二局長は「都道府県によって不公平があってはいけない。実態を見て整理し、その上で議論していただきたい」とコメントしました。なお既存病床数の補正については、▼介護老人保健施設は既存病床数に算定しない▼療養病床を介護老人保健施設に転換した場合は、次の基準病床数を算定するまでの間、既存病床数に算定する―という新方針案が厚労省から示され、こちらは概ね了承されました。>

キャリアブレイン「7対1病棟を変更、病院全体の2割超- 「病棟群」は15病院、日病協調査」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49669.html)。<以下引用>
<13団体でつくる「日本病院団体協議会」(日病協)は23日、7対1病棟(一般)を持つ病院を対象に行った春の診療報酬改定に関する動向調査の結果をまとめた。次の改定が予定されている2018年4月までの間、別の病棟などに変更する意向を示している病院の割合は、既に届け出を終えた病院を含め、全体の21.59%だった。今回の改定では、患者の重症度を測る指標となる「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の項目が大幅に見直され、7対1病棟では、看護必要度を満たす患者の割合が、「15%以上」から「25%以上」に引き上げとなった。現在、7対1病床は約37万床に上り、一般病床の半数超を占めるため、病院経営への影響が懸念されている。厚生労働省によると、昨年4月時点で一般病棟7対1入院基本料を届け出ている病院は全国で約1530病院。日病協では今年7月の約1カ月間に、7対1病棟(一般)を持つすべての会員病院を対象に調査を実施し、全体の約6割に当たる894病院(約28万6000床)から有効回答を得た。今年4月から18年4月までの間に、一般病棟7対1入院基本料を他の入院料などに「変更した(する予定)」と回答した病院は193施設。変更先では、一部の病棟を地域包括ケア病棟入院料に変更する病院が112施設とトップで、その理由(複数回答)としては「看護必要度の基準を満たせなくなった」(56施設)が最も多かった。112施設を病床規模別で見ると、「200-399床」が全体の約6割を占めた。また、月末までに同入院料への変更を終えると回答した病院は68施設で、「来年3月まで」は36施設、「来年4月-18年4月」は8施設だった。■新基準、7割超が「改定前にクリア」 一方、看護必要度に関する質問に回答した892施設を対象に、看護必要度への対応状況について聞いた結果、「改定前から基準をクリア、ただし対策を講じた」(334施設)と「改定前から基準をクリア、その後も対策は不要」(307施設)を合わせ、全体の7割超は改定前から新基準を満たしていたことが分かった。看護必要度の新基準を満たせない場合の経過措置として、同省は10対1病棟との混在を認める「病棟群単位」の届け出を新設したが、今回の調査で、7対1病棟からの変更先として挙げた病院は15施設にとどまり、月末までに届け出を終える病院はわずか3施設だった。病棟群単位の届け出をいったん検討したものの、最終的に見送った182病院に対して、その理由を聞いたところ(複数回答)、届け出の変更が1回に限られるという制度上のルールを挙げた病院が92施設で最も多かった。■「病院が頑張っている姿が見て取れる」 改定前に新基準をクリアしていた病院が多数を占めたことについて、取りまとめ役となった原澤茂副議長(全国公私病院連盟常務理事)はこの日の記者会見で、「多くの病院がさまざまな対策を講じ、基準をクリアする努力をしていることが自由回答で見られた。医療の質を担保し、地域医療のニーズに合わせるというところも含め、病院が頑張っている姿が見て取れると思う」と述べた。原澤副議長はまた、「調査結果は病床数の話で、稼働率に関する質問は出さなかった。内容に少し問題があった。厚労省などが出すいろんなアンケートを見ながら実態を考えたい」とも語った。病棟群単位の届け出数が15施設にとどまったことに関して、神野正博議長(日本社会医療法人協議会副会長)は、「日病協は単に、7対1、10対1、13対1のミックス型を要望していた。(18年度の)診療報酬の要望事項に入れるかどうかはこれからの議論だが、(要望としては)ありなのではないか」との認識を示した。>

キャリアブレイン「在院日数が短くなっても、入院が増えない-筆者対談、今後どうなる急性期(上)」(http://www.cabrain.net/management/article/49664.html)。<以下一部引用>
<急性期病院はどう運営していくべきなのか―。「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の新基準の適用の猶予などの経過措置が今月末で終了し、特に7対1病棟を持つ病院にとっては大きな岐路を迎える。CBnewsで人気を誇る連載の筆者、井上貴裕氏(千葉大学医学部附属病院病院長企画室長・病院長補佐・特任教授)と渡辺優氏(株式会社メディチュア代表取締役)に、これから考えられる展開を話し合ってもらった。この中で、在院日数が短縮化される中、空きベッドも目立ってきており、病床を閉じるためのインセンティブも必要ではないかといった指摘もあった。渡辺 看護必要度の25%要件のクリアが難しい病院は、一部の病棟を地域包括ケア病棟に転換していくだろう。2014年度、16年度の診療報酬改定でもある程度転換されたが、この10月を境に、さらに増えるのではないか。井上 病棟群を選ぶより、一部を地域包括ケア病棟に転換しつつ、7対1を残す方が現実的だ。使い方によっては、地域包括ケア病棟に転換した方が7対1よりも点数が上がる。7対1を捨て、10対1になる病院は、特殊な事情がない限りはないと思う。病院も看護配置を下げることは受け入れ難いはず。渡辺 地域包括ケア病棟なら、ある程度、医療従事者を確保することができれば、うまく病棟運営できるのに、わざわざ病棟群を選ぶとは思えない。井上 よっぽどリハスタッフが足りない病院が、苦肉の策として病棟群を選択するかもしれない。■7対1は一度味わうと手放せない>

医療計画の見直し等に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127276)の「地域医療構想に関するワーキンググループ」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)の「ワーキンググループにおける意見の整理(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000137605.pdf)p6「<明確化すべき事項の例>・ 不足又は充足すべき医療機能について、将来の医療需要の動向を見据え、整備すべきストラクチャー、マンパワー等の見込み」「<検討内容の例>・ 回復期機能を担う医療機関における、PT・OT 等の職種の確保 ・ 医療機能を転換する場合の看護職員等の計画的な雇用」が目にとまった。医療従事者の需給に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=315093)では、医師需給分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=318654)、看護職員需給分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=338805)、理学療法士・作業療法士需給分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=348780)の3つの分科会があり、このうち、15日の医師偏在対策(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000137007.html)については12月上旬に取りまとめられる(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000120209_7.pdf)。医療計画(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/iryou_keikaku/index.html)の一部である地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)において回復期機能の病床が不足する地域では「回復期機能を担う医療機関における、PT・OT 等の職種の確保」が課題である。また、看護職員需給分科会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=338805)で6月10日に「看護職員の需給推計方法(案)」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000126968.pdf)が示され、厚労省スケジュール(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000117664.pdf)では8月第3回会合「需給推計方法を確定後、都道府県の需給推計ツールを策定し、各都道府県で需給推計を実施。」、10月第4回会合「都道府県推計の集約」とあったが、「医療機能を転換する場合の看護職員等の計画的な雇用」が欠かせない。中医協「入院医療(その7)について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000106597.pdf)p49「7対1から10対1入院基本料に変更する場合に 一時的に複数の入院基本料の届出を認めた場合のイメージ」にあるように、7対1から10対1入院基本料に変更された場合、病院病棟の看護職員の雇用数が大幅に減ることになるため、「余剰になった看護スタッフの処遇」は病院幹部の懸念の一つかもしれない。日経メディカル「2016年改定で病床再編を迫られた急性期病院の選択」(http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/blog/inoue/201604/546510.html)の「7対1病棟維持のための選択肢」で「救急車の受け入れ件数を大きく増やそうとする急性期病院も出てくると思われますが、医療スタッフの負担もあるため、そこは慎重にすべきでしょう。また、10対1看護体制に変更した場合、看護師が過剰になるため、余剰になった看護スタッフの処遇が問題となります。」とあった。もはや、どの病院も「高額医療機器を設置し、医師・看護師を増やす」時代ではないであろう。個別の病院だけで経営を考えてはいけない。厚労省「DPC導入の影響評価に関する調査結果」(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000049343.html)、医療法に基づく病床機能報告(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000055891.html)、医療機能情報提供制度(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryou/teikyouseido/index.html)をもっと活用したい。M3「「机上の構想」、池上慶應大名誉教授が指摘 全日病学会、地域医療構想をめぐり意見多々」(http://www.m3.com/news/iryoishin/357236)では、「「医療ニーズ」は患者側の要因だけでは決まらず、医師による入院の要否の判断には「幅」があり、空床が出ればそれを埋めようとする場合もある」とあったが、まさに本末転倒である。特に市区町村別の将来人口推計(http://www.ipss.go.jp/pp-shicyoson/j/shicyoson08/5-sai/shosai.html)における「人口減少地域」では、患者の奪い合いは避けなければならない。まさか、住民に対して「もっと病気になってくれ」というわけではないであろう。「病院の経営改善」は「住民の幸福」とリンクするものではないことを認識したい。将来推計をベースにした地域医療構想(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000080850.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000080284.html)(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=368422)は冷静に考えられる良い機会といえるかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サ高住と地域包括ケアシステム

2016年09月26日 | Weblog
毎日新聞「サービス付き高齢者住宅 情報公開を介護施設並みに」(http://mainichi.jp/articles/20160926/k00/00m/040/124000c)。<以下引用>
<国土交通省は、安否確認などのサービスのある「サービス付き高齢者向け住宅」(サ高住)に関し、今年度中にスタッフの体制や生活支援の詳細をインターネットで公表する仕組みを始める。サ高住は賃貸住宅の位置づけだが、介護の必要な入居者が多い状況を踏まえ、介護施設並みの情報公開を事業者に求める。第三者による評価も公表する。急増するサ高住は質のばらつきが課題とされており、入居希望者に比較材料を提供する狙いがある。サ高住は高齢者が安心して暮らせることを目指し2011年10月にスタート。居室はバリアフリー構造で原則25平方メートル以上の広さがあり、安否確認と生活相談のサービスを受けられる。都道府県などへの登録制で、新築や改修などの費用には国の補助がある。7月末現在の登録数は20万3783戸にまで増えている。登録情報は専用ホームページ上で都道府県ごとに公開されている。しかし、「賃貸物件」としての情報にとどまり、スタッフの体制やサービス内容など詳しい運営実態はほとんど公表されていない。入居希望者からは「情報提供が不十分」との不満も出ていた。このため、国交省が公開情報の統一基準を設け、都道府県別の物件サイトに運営状況の欄を新設。ここをクリックすると、重度認知症の人の受け入れの可否や入居者の年齢別人数など計約60項目が分かるようにする。公表内容を事業者側の申請により高齢者住宅推進機構が有料でチェックする仕組みも設ける。情報公開も第三者評価も任意だが、事業者が積極的に応じているかどうかも物件選びの判断材料となることが期待される。>

国土交通省「今後の高齢者向け住宅のあり方と施策の方向性についてとりまとめ」(http://www.mlit.go.jp/report/press/house07_hh_000153.html)(http://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house07_hh_000120.html)(http://www.mlit.go.jp/common/001132653.pdf)p7「サ高住には、自立から軽度の要介護の方が多いが、要介護度3以上の方が約3割、認知症自立度Ⅱ以上の方が約4割入居するなど、既に介護や医療の必要な方の入居も相当進んでいる。」の認識は持ちたい。地域包括ケアシステムを進めるには「「住居がバリアフリー、安否確認サービスを行う、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」(https://www.satsuki-jutaku.jp/)の地域実態をしっかり把握する必要がある。厚労省の介護事業所・生活関連情報検索(http://www.kaigokensaku.jp/)による介護施設情報と同程度の情報公開が期待される。そういえば、16日に総務省「有料老人ホームの運営に関する行政評価・監視<結果に基づく勧告>」(http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/107317.html)が出ていた。「高齢者施設の食事、殺菌や温度管理徹底を-厚労省が集団食中毒踏まえ通知」(http://www.kaigo-s.com/news/newsfeed/2585/)、「高齢者施設などの防犯対策で留意点- 相模原事件受け、厚労省が点検項目を作成」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/49656.html)も出ているが、行政側による高齢者施設に対する監視はどうなっているであろうか。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

医師臨床研修マッチング

2016年09月26日 | Weblog
M3「1位聖路加、2位虎の門、3位横浜市立市民、2016年度中間マッチング 市中病院、大学分院の「1位希望人数」ランキング」(https://www.m3.com/news/iryoishin/462026)。

医師臨床研修マッチング協議会(https://www.jrmp.jp/)から先週中間発表(http://www.jrmp.jp/chukan/2016chukan.pdf)が出ており、各病院の状況をみておきたい。大学病院の状況(https://www.m3.com/news/iryoishin/461454)も興味深い。スケジュール(https://www.jrmp.jp/yotei.htm)では組み合わせ結果発表は10月20日であるが、どうなるであろうか。それにしても小児科、産婦人科のプログラムの第一希望が少ないようである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする