保健福祉の現場から

感じるままに

地域リハビリテーション事業

2011年06月29日 | Weblog
昨日、地域リハビリテーション事業ワーキング会議に出席した。この事業にかかわるのは平成19年度以来であるが、県から3年、外郭団体の健診機関に出向・派遣されている間に気になっていた事業の一つである。というのは、地域リハビリテーション推進事業は、三位一体改革により、平成18年度から国庫補助金がなくなっていたからである。「都道府県が行う事業として概ね、同化・定着しており、また、地方六団体からの強い要望もあったことを踏まえ、自治体の自主性・裁量性が更に発揮できるよう、政府の方針により補助事業が廃止されることとなる。」(http://www.wam.go.jp/wamappl/bb05kaig.nsf/0/842faf619ff7dbee492570dc0023a07f/$file/siryou1.pdf)とされていたものの、県単独事業で継続されるか危うい感じがしないでもなかった。リハビリについては、平成18年度の診療報酬改定で上限日数制限がされ、リハビリ難民(http://dic.yahoo.co.jp/newword?category=&pagenum=1&ref=1&index=2006000625)という言葉が使われており、現場の調整力が求められたことが思い出される。医療リハビリに関しては、平成18年度診療報酬改定で「地域連携診療計画管理料」「地域連携診療計画退院時指導料」が評価され、医療機関連携が図られた。また、平成22年度診療報酬改定(http://www.mhlw.go.jp/bunya/iryouhoken/iryouhoken12/dl/index-062.pdf)では、回復期等の病院を退院した後の療養を担う医療機関との連携を含めた3段階の地域連携診療計画が評価され、維持期も含めた連携が図られている。しかし、維持期のリハビリは医療だけではない。介護保険による通所リハビリ、訪問リハビリのほか、介護予防事業、市町村健康増進事業(http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/04/dl/s0423-10i.pdf)等も含めなければならない。維持期においては機能維持のためのリハビリ継続が欠かせず、狭義の医療リハビリには留まらないであろう。さて、昨日のワーキング会議では、地域リハビリテーション事業を通じて、「維持期の患者・家族の支援」、「医療介護連携」を進めることが改めて確認された。ワーキング会議においては、昨年度までに、患者・家族用の「わたしのリハビリノート」を作成しており、今後、在宅に戻る患者・家族に利用してもらうよう、回復期病院等に働きかけることになった。「わたしのリハビリノート」は既に一部の患者で試行されているが、リハビリにも糖尿病等と同様に「個人参加型疾病管理」の認識が重要であり、ツールとして期待したいところである。なお、地域リハビリ支援センターでは、従来どおり、研修事業や相談事業等が継続されるが、医療介護連携の推進の観点から、地域のケアマネや保健師に対するリハビリ専門職による支援強化が期待される。そのためには、地域リハビリテーション事業の活動を医療機関や介護施設にもっと理解してもらう必要があるのではないか、と感じた。定例の脳卒中連携の会にも働きかける予定である。
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