保健福祉の現場から

感じるままに

7対1入院基本料の要件見直し

2015年12月20日 | Weblog
キャリアブレイン「看護必要度25%、「大学病院でも無理」- 日病協で懸念相次ぐ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47664.html)。<以下引用>
<12団体でつくる日本病院団体協議会(日病協)は18日、東京都内で代表者会議を開き、厚生労働省が示した一般病棟の「重症度、医療・看護必要度」(看護必要度)の見直し案への対応などを協議した。同省側は、7対1病棟で看護必要度を満たす患者の割合について、「25%以上」を軸に引き上げを検討する方針だが、出席者からは「大学病院でも25%に達しない」とする声も上がり、同省案に対する懸念が相次いだ。同省案は、手術直後の対応を評価する「M項目」の新設など、看護必要度の項目を一部見直した上で、現行では「A項目2点以上かつB項目3点以上」となっている評価対象を拡大する一方、現在15%以上となっている患者割合を引き上げる内容。これに伴う経過措置として、7対1病床と10対1病床の混在を認める「病棟群」を設ける。この日の代表者会議では、約5病院でそれぞれ独自に試算した結果、いずれも25%に届かなかったとする報告があった。病棟群に関しては、急性期病棟の機能の拡充を求める日病協の要望の趣旨に反するとして、同省案に反対する方向で一致したものの、最終的な結論は出なかったという。>

中医協総会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154)の「入院医療(その7)について」(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000106494.pdf)p32「重症度、医療・看護必要度見直し案における病床数の推移」では、「該当患者割合の基準を25%に設定した場合、該当患者割合が25%に満たない医療機関において、基準に該当しない患者が一部の病棟に集約されていると仮定すると、実際に影響を受けると予想される病床数は全体のおよそ10%と推測される。」とあり、p50論点「急性期医療の機能分化に伴い、これまで7対1入院基本料を届け出ていた病棟が、他の入院基本料に届出を変更する際に、一時的な仕組みとして、一部の病棟に限り、病棟群単位で7対1入院基本料の届出を併せて認めることについてどう考えるか。」とある。経済財政諮問会議(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/)の資料「経済再生・財政健全化に向けた更なる社会保障改革」(http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/minutes/2015/1124/shiryo_07.pdf)p4「28年度診療報酬改定の具体的な検討内容」では「「7対1入院基本料」の届出病院について、入院患者の「重症度、医療・看護必要度」の見直し ※「手術直後の患者」や「救急搬送後の患者」を評価するなど、重症の急性期患者の状態をより適切に評価」とされ、財政制度等審議会 財政制度分科会(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/index.html)の資料(https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/sub-of_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia271009/02.pdf)p15「診療報酬体系における7対1入院基本料算定要件の一層の厳格化、病床4機能と整合的な点数・算定要件の設定;28年度(又は30年度)診療報酬改定において措置」とあった。キャリアブレイン「【中医協】看護必要度に「M項目」新設-厚労省が提案、基準引き上げの試算も」(http://www.cabrain.net/management/article/47558.html)では「現行の基準(15%以上)では該当患者数が増えるため、今後、基準の引き上げ幅が争点となる。「25%以上」が軸になる見通しだ。」とあったが、どうなるであろうか。
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医療安全管理部門での専従職員

2015年12月20日 | Weblog
キャリアブレイン「特定機能病院、承認要件を見直しへ-厚労省が骨子案提示」(http://www.cabrain.net/management/article/47670.html)。<以下一部引用>
<高度な医療を提供する特定機能病院について、厚生労働省は18日、「特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会」に、承認要件の見直しに関する骨子案を提示した。案には、内部統制のための監査委員会の設置や、医療安全管理部門での専従の医師や薬剤師などの配置の義務化といった要件が盛り込まれている。厚労省は来月中に見直しに関する報告書を取りまとめ、来年4月をめどに新しい承認要件を示した省令の公布や通知の発出を目指す。>

特定機能病院及び地域医療支援病院のあり方に関する検討会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=127368)の資料が出ればみておきたい。医療安全管理部門での専従職員の義務化がポイントのようである。そういえば、日本病院会「四病協 専従の常勤従事者の解釈に関する要望」(http://www.hospital.or.jp/pdf/06_20150703_01.pdf)が出ていた。「専従」は、「当該療法の実施日において、当該療法に専ら従事していることをいう。この場合において、「専ら従事している」とは、その就業時間の少なくとも8割以上、当該療法に従事していることをいう。」とされ、「5割以上の専任」とは異なる(http://www.mhlw.go.jp/topics/2006/02/tp0201-2.html)ことは理解したい。
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医学部新設

2015年12月20日 | Weblog
キャリアブレイン「成田の医学部新設、定員数など妥当性不明瞭- 医学部長病院長会議が見解提出へ」(http://www.cabrain.net/news/article/newsId/47658.html)。<以下引用>
<2017年4月にも千葉県成田市で医学部が新設される見通しになったことから、全国医学部長病院長会議は、新設される学科の定員数や外国人教員の割合についての根拠、妥当性に関する見解をまとめ、来月中に厚生労働省などへ提出する方針を固めた。17日の記者会見で、森山寛顧問が明らかにした。医学部の新設をめぐっては、政府の国家戦略特区に指定されている成田市で、国際医療福祉大が事業主体となることを表明。11月に開かれた政府の国家戦略特別区域諮問会議で、同大が正式に認定された。同大は当初、新設の要件として、▽入学定員は140人で、このうち20人が留学生▽教員は200人以上で、このうち外国人教員が10人以上▽全学生が実施する海外臨床実習は最低4週間―などを挙げていた。この日の会見で、森山顧問は新設要件の根拠や妥当性が不明瞭であることを指摘し、「(定員などの)数字に対する見解を文書にして出す」と述べた。森山顧問はまた、成田市での医学部新設を検討する「成田市分科会」のあり方も問題視した。同分科会の構成メンバーが、内閣府と成田市、同大、民間有識者となっていることについて、「われわれは全く手が出せない」とし、限られたメンバーで新設の議論や決定が行われることに懸念を示した。>

毎日新聞「医学教育の国際基準、評価 認定機関、日本で発足 来年度本格化」(http://mainichi.jp/articles/20151208/org/00m/100/019000c)が報じられていたが、成田医学部の意義は何なのであろうか。「国際水準の医師の育成」は新たな医学部だけとは限らないであろう。他国に比べて、なぜ、医学教育の国際基準の取り組みが遅くなったのか、不思議に感じる方が少なくないかもしれない。「医療従事者の需給に関する検討会」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=315093)における検討がスタートした。Business Journal「医師不足深刻化でも、大学医学部が定員増に必死の抵抗…「医師不足利権」の病理」(http://biz-journal.jp/2015/12/post_12768.html)の記事は、日本医師会・全国医学部長病院長会議 医師偏在解消策検討合同委員会「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」-求められているのは医学部新設ではない-」(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20150819_2.pdf)、「「医師の地域・診療科偏在解消の緊急提言」についてー日本医師会・全国医学部長病院長会議 医師偏在解消策検討合同委員会」(http://www.med.or.jp/nichiionline/article/004058.html)と併せてみておきたい。いくら医学部が新設されても、セットで地域偏在と診療科偏在の是正策が強力に講じられなければ、かえって弊害の方が大きくなるように感じる。M3「「机上の構想」、池上慶應大名誉教授が指摘 全日病学会、地域医療構想をめぐり意見多々」(http://www.m3.com/news/iryoishin/357236)では、「「医療ニーズ」は患者側の要因だけでは決まらず、医師による入院の要否の判断には「幅」があり、空床が出ればそれを埋めようとする場合もある」とあったが、まさに本末転倒であろう。歯科医師過剰問題(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%AF%E7%A7%91%E5%8C%BB%E5%B8%AB%E9%81%8E%E5%89%B0%E5%95%8F%E9%A1%8C)や法科大学院定員割れ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%95%E7%A7%91%E5%A4%A7%E5%AD%A6%E9%99%A2%E5%AE%9A%E5%93%A1%E5%89%B2%E3%82%8C%E5%95%8F%E9%A1%8C)のようなことが絶対に繰り返されてはならない。医学部新設の積極論者(http://biz-journal.jp/2015/12/post_12768.html)が地域枠や自治医大に触れないのはなぜであろうか。また、「淘汰される医師や病院」がその後どうなるか、についてもしっかり論じられる必要がある。とにかく、医療の世界に新自由主義は相応しくないように感じる。
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