保健福祉の現場から

感じるままに

次世代医療ICT

2015年04月29日 | Weblog
NHK「医療情報を一元的管理 新番号制度検討へ」(http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150428/k10010064401000.html)。<以下引用>
<政府の産業競争力会議の作業部会が開かれ、厚生労働省は、医療や介護サービスの質の向上や効率化に向けて、診察や処方薬などの医療情報を一元的に管理する必要があるとして、国民一人一人に新たな番号を割りふる制度の導入を検討する方針を示しました。政府の産業競争力会議は、28日IT技術の利活用に関する作業部会を開き、甘利経済再生担当大臣や永岡厚生労働副大臣、それに有識者議員らが出席しました。この中で、永岡厚生労働副大臣は、「診察や処方薬、検査データなどの医療情報を一元的に管理することで、医療機関や介護施設間の連携が円滑になり、医療や介護サービスの質の向上や、効率化・適正化につながる」などとして、国民一人一人に新たな番号を割りふる制度の導入を、検討する方針を示しました。さらに、有識者議員は、こうした制度を導入することで、民間企業が医療情報を活用して新薬の開発などにつなげられるよう、ルールや環境を整備すべきだと提言しました。これを受けて、甘利大臣は、来年1月から運用が始まる、マイナンバー制度と、医療情報の新たな番号とを連携させる仕組みについても検討すべきだという考えを示しました。産業競争力会議の作業部会では、今後、制度の導入に向けた課題についてさらに検討することにしています。 >

新陳代謝・イノベーションWG資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/innovation/dai8/siryou.html)には目を通しておきたい。「医療等分野におけるICT化の推進」(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/innovation/dai8/siryou5.pdf)をみれば時代が大きく変わる感じがする。この資料(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/wg/innovation/dai8/siryou4.pdf)では2025年までに、レセプトデータ+検査結果、服薬等のアウトカムデータ+手術成績等のアウトカムデータ+生活環境におけるバイタルデータ+母子健康手帳、死亡診断書等のデータ等が予定されている。全国健康関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000078305.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000078281.pdf)(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000078282.pdf)で「社会保障分野における番号制度」が出ており、正確に理解しておきたい。平成28年1月から個人番号利用スタートの割には、保健福祉関係者の認識が低いように感じる。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000078281.pdf)p2のスケジュールでは「平成29年7月目途~ 地方公共団体・医療保険者等との情報連携も開始」とある。「全国高齢者医療主管課(部)長及び国民健康保険主管課(部)長並びに後期高齢者医療広域連合事務局長会議」(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000077878.html)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000077884.pdf)「医療等分野におけるマイナンバーの利用拡充」で「健康保険組合等の行う特定健康診査情報の管理等における利用;被保険者が転居や就職・退職により保険者を異動した場合でも、マイナンバーを活用して特定健診等の情報を保険者間で円滑に引き継ぐことにより、過去の健診情報等の管理を効率的に行うことが可能となり、効果的な保健事業を推進できる。」「地方公共団体間における予防接種履歴に関する情報連携;予防接種法に基づく予防接種の実施は、有効性・安全性等を考慮し、過去の接種回数、接種の間隔などが定められている。このため、転居者については、転居前の予防接種履歴を正確に把握することにより、より一層の有効性・安全性を確保することができる。」は地域保健従事者はぜひ知っておきたい。医療等分野における番号制度の活用等に関する研究会(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-jyouhouseisaku.html?tid=197584)の昨年12月の中間まとめ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000067915.html)はみておきたい。
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後発医薬品の普及

2015年04月29日 | Weblog
朝日新聞「後発医薬品の普及「8割に」 社会保障費抑制へ提言 財務省」(http://apital.asahi.com/article/news/2015042800002.html)。<以下一部引用>
<財務省は27日、予算の3分の1を占める社会保障費を抑制するための提言をまとめた。後発医薬品(ジェネリック)の普及目標引き上げや、75歳以上の医療費の窓口負担の引き上げなどが柱。少子高齢化に伴い、内閣府は社会保障費は毎年1兆円弱の伸びを見込んでいるが、同省はこうした改革で伸びを年0・5兆円程度に抑えられる、とする。この日開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に示した。財務省は、政権が夏にまとめる2020年度までの財政健全化計画に今回の提言を盛り込みたい考えだが、自民党や業界団体の反発は必至で、議論は難航が予想される。提言では、現在「17年度に6割」としている政府のジェネリック普及目標を8割に引き上げる。さらに、先発医薬品を使っても、保険の給付額はジェネリックの価格を基準に支払うようにすることで、国費を4千億円節約できる、とした。医療費では、75歳以上の窓口負担を2割へ引き上げるべきだとしている。>

全国医政関係主管課長会議(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=180575)の資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000077059.pdf)p419~427「後発医薬品の使用促進」はみておきたい。p424の都道府県別後発医薬品割合をみれば大きな格差があることがわかる。p423「後発医薬品の安心使用促進のための協議会」は平成20年度から予算計上されている。「平成25年度:47都道府県中37都道府県で委託事業を実施」とあるが、全県で実施されるべきである。厚労省の「後発医薬品の使用促進」での1兆円の医療費抑制目標(http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12401250-Hokenkyoku-Iryouhitekiseikataisakusuishinshitsu/0000019922.pdf)には、後発医薬品割合の都道府県格差の是正が急務と感じる。そういえば、後期高齢者医療資料(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000077876.pdf)p5では、後期高齢者支援金(若年者の保険料) 6.2兆円(協会けんぽ2.0兆円、健保組合1.9兆円、共済組合0.6兆円、市町村国保等1.7兆円)とあり、p19「後期高齢者支援金の加算・減算制度について、予防・健康づくり等に取り組む保険者に対するインセンティブをより重視するため、多くの保険者に広く薄く加算し、指標の達成状況に応じて段階的に減算(最大10%の範囲内)する仕組みへと見直し、平成30年度から開始する(政省令事項)。特定健診・保健指導実施率のみによる評価を見直し、後発医薬品の使用割合等の指標を追加し、複数の指標により総合的に評価する仕組みとする。保険者の種別・規模等の違いに配慮して対象保険者を選定する仕組みとするとともに、国保、協会けんぽ、後期高齢者医療について、別のインセンティブ制度を設ける。」とあったように、保険者サイドからの後発医薬品普及が図られる。しかし、まずは生活保護医療扶助での後発医薬品徹底を図りたい。資料(http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12000000-Shakaiengokyoku-Shakai/0000077381.pdf)p14「生活保護法第34条第3項;医師が医学的知見に基づき後発医薬品を使用することができるものと認めたものについては、被保護者に対し、可能な限り後発医薬品の使用を促すことにより医療の給付を行うよう努めるものとする。」とあるが、p12の生活保護における後発医薬品の数量シェアでは都道府県・政令市・中核市ごとの生活保護における後発医薬品の使用割合(数量シェア)が出ており、「最大78.9%(那覇市)~最低45.6%(和歌山県)まで、その差は約2倍。」である。p13「後発医薬品の数量シェアが75.0%以下である市町村(都道府県、市及び福祉事務所を設置する町村)においては、後発医薬品の使用促進の取組に関する計画を策定。」、p14「後発医薬品の数量シェアが75.0%以下の医療機関については、都道府県等から状況の説明を行い、後発医薬品の使用促進について要請。」とあり、p51~「平成27年度から、後発医薬品の数量シェアが75.0%に達していない地方自治体については、更なる取組として、後発医薬品の使用促進にかかる計画を策定する取組を開始するとともに、後発医薬品の使用割合について一定の基準を達成した地方自治体については、医療扶助の適正化にかかる補助金において、補助率を引き上げることにより、取組の評価を行うことを予定している。」「平成27年度より、院内処方について、医師等が後発医薬品を使用することができるものと認めた場合については、生活保護受給者は、原則として後発医薬品を使用することとするとともに、後発医薬品の数量シェアが75.0%に達していない医療機関等に対し、後発医薬品の使用促進に関する働きかけを行う取組を開始する」と下線で強調されている。p54「一部の福祉事務所では電子レセプトシステムを活用できていないとの回答も見られたほか、都道府県等本庁においては、電子レセプトシステムにより得ることができるデータを指導対象医療機関の選定の一要素として使用し、実際に指導検査を行った事例がある都道府県等は31.2%、請求に特徴が見られる医療機関の把握に活用している都道府県等は19.3%であるなど、活用状況は低調であった。」とあるが、これではいけない。p57「電子レセプトシステムを活用することにより、長期にわたり入院している者や、入退院を繰り返し行っている者、複数の医療機関から向精神薬を重複して処方されている者、受診日数が過度に多い等不適切な受診行動が疑われる者等の把握は容易にできるものであり、受給者に対する適正受診の徹底や退院促進に向けた支援等について確実に実施するようお願いする。」を各自治体においてしっかり踏まえて取り組みたいものである。「後発医薬品の使用割合について一定の基準を達成した地方自治体については、医療扶助の適正化にかかる補助金において、補助率を引き上げる」は少々魅力的かもしれない。薬剤師の活用が期待される。とにかく、生活保護医療扶助で後発医薬品8割ができなければ、財務省提言は厳しい。
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TPPの情報公開の行方

2015年04月29日 | Weblog
産経新聞「TPP首席交渉官会合終了 知財など難航分野持ち越し」(http://www.sankeibiz.jp/macro/news/150428/mca1504280500001-n1.htm)。<以下引用>
<米ワシントン近郊で行われていた環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合は26日、4日間の協議を終えた。投資分野で進展があった一方で、難航する知的財産は課題を持ち越した。TPP交渉の合意に不可欠とされる米国の大統領貿易促進権限(TPA)法案が成立していないため交渉の進展は限定的で、今後の協議予定について現段階では未定としている。今回の会合では、知的財産や投資、物品市場アクセスなどの分野別に少数国で論点を整理することを中心に協議を進め、並行して日米を含めた2国間協議も行った。投資分野では「(次回の)閣僚会合に向けた整理はかなり進んだ」(渋谷和久内閣審議官)と一定の成果があったという。一方で、最も難航している知的財産について、渋谷審議官は「かなり集中的に議論したが難しく、閣僚会合に向けた論点の整理はできなかった」と述べ、引き続き難しい課題が残されているとの認識を示した。政府はTPP交渉の21分野29章のうち、10章は既に交渉が終了したことを明かしており、残りの大半の分野でも「事務レベル協議で合意に持ち込める見込み」(交渉筋)としている。交渉参加12カ国は早ければ5月下旬にも大筋合意したい意向で、今後の交渉の詰めを急いでいる。ただ、米国以外の11カ国はTPA法案が成立し、米議会が持つ通商交渉の権限が大統領に一任されない限り、合意できないと主張している。>

日刊ゲンダイ「反対派の山田元農相が暴露した「TPPは日米合意済み」の“中身” 」(http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/159359)。

週プレニュース「極秘のはずのTPP交渉内容が米議員に全面公開! 日本はまた「不平等条約」に泣くのか」(http://wpb.shueisha.co.jp/2015/04/20/46654/)が出ているが、国内での情報公開はどうなるのであろうか。International Business Times「Leaked TPP Chapter: 5 Scary Provisions In WikiLeaks' Trans-Pacific Partnership Release」(http://www.ibtimes.com/leaked-tpp-chapter-5-scary-provisions-wikileaks-trans-pacific-partnership-release-1468856)が出ていたように「TPP=農業問題」では決してない。全国保険医団体連合会「TPPと医療の特集ページ」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/index.html)での「TPP協定交渉と医療制度」(http://hodanren.doc-net.or.jp/tpp/130627TPP-iryo.pdf)にも出ているように、もっと、知的財産権(http://thinktppip.jp/)等の非関税措置にも焦点があてられるべきである。TPP知財条項(http://thinktppip.jp/?p=519&lang=ja)に関心を持ちたい。
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