保健福祉の現場から

感じるままに

ISDS条項を警戒

2013年03月10日 | Weblog
産経新聞「自民TPP対策委が検討会 ISDS条項を警戒 「国家と投資家の紛争解決」」(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130309-00000116-san-bus_all)。<以下引用>
<自民党の環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)対策委員会(西川公也委員長)は8日、TPP交渉で協議される関税撤廃など21分野への対応を話し合う検討会の初会合を開いた。
 安倍晋三首相は来週にもTPP交渉参加を正式表明する方向で調整している。党内では、TPPに「国家と投資家の紛争解決(ISDS)条項」が入ることへの警戒感が強く、対策委は国の主権を損ないかねない場合には反対するよう求める方向だ。
 会合で西川委員長は「日本は参加していないから交渉の確たる情報がないが、しっかりと検証しておかなければならない」と述べた。
 対策委は検討会のほか、関係団体などと調整に当たる主幹会議や、TPP参加の影響が懸念される医療保険制度など5つのテーマの作業部会を並行して進め、13日に開く対策委の総会で党方針をまとめる。
 企業が外国政府を訴えることを可能にするISDS条項をめぐっては、党内に「訴訟大国の米国企業が日本政府に対して乱用すれば多大な賠償金を取られる」といった反発が強い。
 実際、ISDS条項を盛り込んだ北米自由貿易協定(NAFTA)では、同条項に基づく訴訟がカナダ企業で15件、メキシコ企業で1件なのに対し、米国企業では29件に上る。このため党内には米系投資ファンドが昨年、韓国政府を提訴した例なども併せ、日本政府がTPP参加で米企業の訴訟のターゲットになるという脅威論につながっている。
 TPP交渉の参加国ではオーストラリアも条項を入れることに反対しており、「参加国間で権利の乱用を防ぐよう話し合っている段階」(通商関係者)とされる。日本政府は国益を反映させるため、ルール作りへの参加を急ぐ構えだ。
【用語解説】ISDS条項
 企業の海外投資先が不合理な理由で国有化された場合などに、投資相手国の政府を国連機関などに訴える権利を保障する制度。現地の裁判所では公平な判断が期待できないため。2国間の投資協定や経済連携協定(EPA)などで規定がある。>

最近になって、TPPが農業問題だけではないことが報じられるようになってきた。首相が「公的医療保険制度の在り方そのものは議論の対象となっていないと承知している」(http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201303060129.html)といっているように、TPPによる公的医療保険への間接的な影響は否定していないことは理解したい。日本医師会報告書(http://dl.med.or.jp/dl-med/teireikaiken/20120208_1.pdf)によると、TPPに関して、第1段階「日本の医療機器・医薬品価格規制の撤廃・緩和要求」、第2段階「医療特区(総合特区)での株式会社の病院経営の解禁と混合診療の原則解禁」、第3段階「全国レベルでの株式会社の病院経営解禁と混合診療の原則解禁」の3段階が予想されている。全国保険医団体連合会「TPP参加で公的医療保険制度が実質的に機能しなくなる」(http://hodanren.doc-net.or.jp/iryoukankei/seisaku-kaisetu/130307tpp.pdf)では、①「知的財産」分野で医薬品や医療技術、医療機器の特許強化、②「金融サービス」分野で民間医療保険の拡大と公的医療保険の範囲の縮小、③「投資」分野で医療への営利企業の参入―を促される危険があるとされる。TPP交渉内容は4年間、秘匿する合意があることをニュージーランド政府が公式発表している(http://www.jcp.or.jp/akahata/aik11/2012-02-01/2012020101_04_1.html)ことも知っておく必要がある。そういえば、6月までに政府が取り組む規制改革(http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/committee/130225/item1.pdf)として、「株式会社やNPOなど多様な事業体の認可保育所への参入」が掲げられている。保育所の営利産業化が始まるらしい。

「アメリカでリークされたTPP草案 驚愕の内容」(http://lituum.exblog.jp/20106854/)。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする