桜に冷たい雨が降っていた。私は、自分がやらなくてはならない仕事を淡々とこなす。情熱を傾けてやるというよりも、仕方なくやるといった方があっている。晴れ渡った空の下の桜は、穏やかで幸せそうだ。いやむしろ、咲いていることに誇りを感じているようにさえ思う。しかし、雨に打たれた桜は惨めで、寒さに耐えているようだ。それなのにやがて強い風に煽られて、吹雪のように舞い散っていく。アスファルトの路上がいつの間にかピンクの絨毯に変わっていく。
私のことを「義理の兄のような人です」と勝手に言う女性がいる。体つきだけ見ればスレンダーすぎるほどで、ちょっと神経質そうに見えるけれど、案外お茶目で抜けたところがあるのかもしれないと思うほど可愛い。けれど本当は賢く、理屈っぽい女性なのかもしれない。そんな彼女に「ダンナもこちらに来て居るんだから、帰りは一緒に帰ったら」と、暗にデートをほのめかして言った。すると彼女から、「24時間一緒にいるんですよ。別々の方がいいんですよ」と私の予想に反した答えが返ってきた。
彼女は言う。「夫婦円満のコツは5分以上話し合わないこと。根掘り葉掘りの会話はしないことが大事」。相手の考え方や生き方にかかわる部分に触れるような問題で、議論することになればケンカになってしまうかもしれない。考え方や生き方に踏み込まなければ、ぶつかり合うことはないことも確かだ。夫婦でありながら別々の趣味やスポーツに打ち込んでいるのもそのためなのかもしれない。共に生活し、時々笑いや歓びを共有する、そういう形態が夫婦なのかもしれない。年下の彼女の話を聞きながらそう思った。
「干渉し合わない方が気楽な老後の暮らし方じゃーないですか」。なるほど、それもそのとおりだろう。でも、まだ私は修行が足りないのか、そんなにさっぱりと悟ることが出来ずにいる。淡々と暮らしていけるならばそれでよいと考える反面で、本当にそれでよいのだろうかという疑問が付きまとう。もっと人間は激しく恋をしたり、もっと我武者羅に何か、求めるものがあるのではないのだろうか、そんな気がしてならない。
平均年齢が69歳とも70歳とも言われている新党「立ち上がれ日本」は誠に不人気だ。どんなに年老いても、頑張ろうとする気迫をご本人たちは見せているつもりなのだろうけれど、どう見ても「あ」抜き政党である。子どもが始めて口にする「あ」が抜け落ちた政党だ。「あ」を抜いて読んでみると、「立ちがれ日本」で、このメンバーにピッタリ似合っていると思う。石原慎太郎知事は元小説家なのだから、人が何を求めて生きているのか、文学的に迫って欲しかった。
テレビニュースで「戯曲家の井上やすし氏が亡くなった」と報じていた。淡々と素朴な雰囲気があったけれど、少なくとも社会と人の関係について真摯な追求があった人だと私は思う。作品そのものは未読のものが多いけれど、我が家にあるものだけでも読んでおかなくてはと思っている。
私のことを「義理の兄のような人です」と勝手に言う女性がいる。体つきだけ見ればスレンダーすぎるほどで、ちょっと神経質そうに見えるけれど、案外お茶目で抜けたところがあるのかもしれないと思うほど可愛い。けれど本当は賢く、理屈っぽい女性なのかもしれない。そんな彼女に「ダンナもこちらに来て居るんだから、帰りは一緒に帰ったら」と、暗にデートをほのめかして言った。すると彼女から、「24時間一緒にいるんですよ。別々の方がいいんですよ」と私の予想に反した答えが返ってきた。
彼女は言う。「夫婦円満のコツは5分以上話し合わないこと。根掘り葉掘りの会話はしないことが大事」。相手の考え方や生き方にかかわる部分に触れるような問題で、議論することになればケンカになってしまうかもしれない。考え方や生き方に踏み込まなければ、ぶつかり合うことはないことも確かだ。夫婦でありながら別々の趣味やスポーツに打ち込んでいるのもそのためなのかもしれない。共に生活し、時々笑いや歓びを共有する、そういう形態が夫婦なのかもしれない。年下の彼女の話を聞きながらそう思った。
「干渉し合わない方が気楽な老後の暮らし方じゃーないですか」。なるほど、それもそのとおりだろう。でも、まだ私は修行が足りないのか、そんなにさっぱりと悟ることが出来ずにいる。淡々と暮らしていけるならばそれでよいと考える反面で、本当にそれでよいのだろうかという疑問が付きまとう。もっと人間は激しく恋をしたり、もっと我武者羅に何か、求めるものがあるのではないのだろうか、そんな気がしてならない。
平均年齢が69歳とも70歳とも言われている新党「立ち上がれ日本」は誠に不人気だ。どんなに年老いても、頑張ろうとする気迫をご本人たちは見せているつもりなのだろうけれど、どう見ても「あ」抜き政党である。子どもが始めて口にする「あ」が抜け落ちた政党だ。「あ」を抜いて読んでみると、「立ちがれ日本」で、このメンバーにピッタリ似合っていると思う。石原慎太郎知事は元小説家なのだから、人が何を求めて生きているのか、文学的に迫って欲しかった。
テレビニュースで「戯曲家の井上やすし氏が亡くなった」と報じていた。淡々と素朴な雰囲気があったけれど、少なくとも社会と人の関係について真摯な追求があった人だと私は思う。作品そのものは未読のものが多いけれど、我が家にあるものだけでも読んでおかなくてはと思っている。
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