コロナ禍で働き方が変わってきたと話題になっている。会社に来なくても仕事が出来るなら、どこに住んでもいいとか、出勤する時の交通費は全額を会社が負担するとか、飛行機での出勤も許すとか、これまでの常識では考えられないことが起きている。
公務員の副業についても、条件付きらしいが許可する自治体もある。何か、いいこと尽くめのようだけれど、本当にそうなのかと思ってしまう。リモートで働く人は何を持って評価されるのかといえば、当然だが結果つまり成績である。
成績はまあまあだが、みんなのやる気を支えてくれるような人は評価されなくなる。お茶くみなどしなくてもすむが、成績至上主義は熾烈な戦いが強いられる。勝てない人はどんどん諦め、離職することになるだろう。
けれど、現場で働く人たちは相変わらず黙々と忠実に与えられた仕事をこなす。大きな利益を生み出す仕事の人たちを支えているのに、給料は上がらない。働き方改革は、格差を広げるためだったのかと思ってしまう。
自分の都合に合わせて、たとえば午前10時から午後3時まで働くことになっても、同一労働同一賃金が保障されることではなかったのか。いろんな働き方があっても、みんなで支え合う、そういう社会を目指していたのではないのか。
「医者になりたい」と希望しながら、人殺しをしてしまうのは人を助けたいのではなく、ただ医者になりたいだけ、医者という評価と収入しか価値を見ていないことではないか。成績至上主義はこういう歪な人間を生み出さないかと心配になる。