昨日から急に寒くなった。今朝は冷え込んでいたけれど風はなく、ルーフバルコニーに出ても寒いとは思わなかったが、午後からは風が強く吹いてきて身震いするほどだった。それでもこれが平年並みということらしい。寒くなると外に出たくなくなる。家にいて用無しになった書類や資料を整理し破棄したり、思い出したように買っただけで置いてある古い本を読んだりしている。書棚に読まずに置いてある本がかなりある。
「ほんとに無駄ばかりしている」とカミさんは言うけれど、それは好き嫌いのようなもので、どうしようもない違いである。「もっと運動したら」と注意してくれるカミさんより、私の方が体形は若い時と大きく変わらない。スポーツが嫌いというわけではないが、ジムへ行って身体を鍛えたい欲求がない。私は暗い部屋が好きではないのでつい電気を点けてしまうが、いつの間にか消されてしまう。暗くてゴミが見えなくていいのかも知れないが、どうも好き嫌いは歳と共に隔たりが大きくなった。
小1の孫娘も2歳の孫娘もスマホの操作はできる。小1の孫娘はスマホがなければ生きていけないのではないかと思うほど密度が高い。こんなに指先で器用に操作するのに、中学生や高校生はハサミやナイフが使えないという。私が勤務していた高校のデザイン科も、デッサンやレタリングがなくなりパソコン操作が中心になっている。パソコンによって感性を磨くこともできるのかも知れないが、鉛筆や筆を使い身体で覚えて欲しいと思うのはやはり古いのだろうか。
クラス会に来ていた教え子たちは今もトップで活躍しているが、手づくりを大事にしていた。パソコンはあくまで道具であり、どう使って作品にしていくのか、そこを忘れないで欲しいと思う。手の原始的な機能を疎かにしては、人間ではなくなるような気もする。孫娘たちが高校生になる頃、世界はどう変わっているのだろう。楽しみだけれど、怖い気もする。