アメリカの中間選挙は、民主党が過半数を占めている上院で維持できるかが焦点となっていたが、下院に続いて上院も共和党が多数となった。「YES WE CAN」、アメリカを変えられると呼びかけ、オバマさんは大統領に就任したけれど変革の夢は遠かった。オバマさんにはよい側近がいなかったのだろう。「核兵器廃絶」演説でノーベル平和賞を授与されたけれど、何ひとつ具体化できなかった。オバマ大統領が掲げた政策は何も実現しなかった。
確かにアメリカ人が好きな強いリーダシップを発揮できず、多くの人がガッカリした。民主党支持者の知り合いもオバマ離れを隠さなかった。オバマ大統領が孤立し焦っていることは分かっても、共和党を懐柔し政策を実現するブレーンがいなかった。黒人だからこその国民の期待とは裏腹に、黒人だからこそ協力が得られなかったようだ。6年前に、あれほどあったオバマブームはすっかり消えてしまった。
アメリカの選挙がどんな風なものか実際を知らないが、少なくとも日本のような後援会組織が常時あり、金も票も集めることはないようだ。むしろ選挙の時はお祭りのように盛り上がり、多くのカンパも寄せられるけれど、観劇会や伊勢参りなどバスを連ねて応援者をつなぎとめておくようなことはないと聞いた。政治家になるためには何よりも演説が上手でなければならないし、人々が共感できる政策でなければならないのが常識という。
あんなに熱狂的にオバマの選挙にカンパし、運動を支えた人々がすっかりオバマ離れになっている。どこの国でも選挙は、投票してしまえばもうそれで終わりのようだ。民主主義と投票は必ずしもイコールではないと思うけれど、じゃあ民主主義を実現するってどういうことなのだろう。アメリカは民主党と共和党による2大政党が政権を争ってきた。日本も2大政党をめざして小選挙区制度が導入された。手本としたアメリカで無党派の候補者が立候補したという。どれくらいの得票だったのか気になる。過渡期にあると思う。