「すごい!本当に見事な蒔絵の品々…みんな大きい~」とミモロが感激しながら見つめるのは、江戸時代の婚礼調度です。
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4月30日にミモロは、小雨の中向かったのは、京阪電車「五条駅」から五条通を渡り、川端通の一筋東側の問屋町通です。
そこをさらに南に進むと、大きなお屋敷が見えてきます。
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ここは、江戸時代、京都の豪商 「柏屋」の柏原家の住まいだった場所。木綿、漆器、紙などさまざまな品を幅広く商った「柏屋」。後に江戸に店を構えていた漆器の「黒江屋」の経営権を譲り受け、現在も東京日本橋などに店を構える漆の「黒江屋」として、今も上質な漆器を製作しています。
ところで、漆器の「黒江屋」のルーツはというと…、紀伊の国の黒江村に…。
「もしかして、根来寺と関係あるの?」とミモロ。そう、4月に訪れた和歌山の「根來寺」は、根来塗発祥の地。秀吉の焼き討ちで離散した漆器づくりが得意な僧侶たちが、紀ノ川の下流の黒江村に住み、漆器づくりを広めたそう。
その村から、元禄2年(1689)に江戸に出た漆職人が日本橋に漆器店を構えます。時を経て、そのお店を引き継いだのが、京都の豪商の柏屋。安政3年(1774)のことです。
「へぇ~そうなんだ~ここに、根来塗の技が受け継がれてたんだ~」と歴史のつながりを感じたミモロです。
さて、昭和49年にその屋敷を母体に開館した「洛東遺芳館」。柏原家に江戸時代から伝承される絵画、工芸品、古文書などを、毎年春と秋の2回に特別公開しています。
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今年の春は、4月1日から5月5日まで五十周年記念「江戸時代の婚礼調度展」を開催。
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ミモロは、ギリギリで伺いました。
受付で、300円拝観料を納め中へ。
「屋敷も見て頂けますが、まずは、展示館の方に行ってください…」と館長さんに言われ、ミモロは、建物の奥へと進みます。
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展示館に向かう途中、お屋敷のお庭のそばを通ります。「ワ~すごいお庭だ~ここ、素晴らしいお屋敷なんじゃないの?!」
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2階建ての展示館に入って、まず、そこの展示品にビックリ!
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すべてが大きいのです。
特に入口付近にあった蒔絵が施された大きな椅子と盥。
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「これなんだろ?なんか迫力あるね~」と、何に使うかよくわかりませんが、なんとなくちょっと怖い気がするミモロ。
これは「産椅子」という大名など高い身分の女性たちがお産に使った椅子。産後、ここでしばらく過ごし、体液を清める場所なのです。もちろん、椅子の上には、ふかふかの座布団などが置かれたそうですが、どれだけ体の負担になっていたことか。多くの女性たちが命を落としたお産。この椅子もやがて使われなくなり、その存在も忘れられたとか。
そんな貴重な品も、ここに保存されていました。
今回の展示は、江戸時代の婚礼調度展。江戸時代に柏原家に嫁いだやはり豪商の那波家が婚礼のために用意し、持参した品々が多く展示されています。
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いずれもさすが贅を凝らした当時の最高級品。
大名家の婚礼調度にも劣らぬ芸術品ばかりです。
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「なんかみんな大きいね~」と思うミモロ。そう、いつもミニチュア版の雛道具に目が慣れているためか、実際人間が使う道具のサイズに驚くばかり。
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「本物の鏡って、こんなに大きいんだ~」
貝合わせも素晴らしい!
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「見て~ものさしも蒔絵のケース入りだよ~」
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驚くのは、その所蔵数だけなく、極めて保存状態が優れており、当時の香りが漂うよう…。
さすが豪商のお嬢様のお道具です。
さて、2階には、今回初公開の「雛道具」も展示されています。
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精巧に作られた雛道具…「すごいミニチュアの技術だよね~」
いろいろな雛道具の展示を見ていますが、これは今まで見た中でも、屈指の展示のひとつです。
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ひとつひとつ見てゆくと、とても時間が足りません。
「なんでもっと早く来なかったんだろう~」と後悔にさいなまれるミモロ。
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閉館時間は、16時。それまでにお屋敷の中も見学したい…さぁ、急いで…
*「洛東遺芳館」の詳しい情報はホームページで
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