ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

明治の洋風建築の室内装飾織物の技を知る「織物のための屛風絵」展。「川島織物文化館」で開催中。入場無料

2022-08-18 | 博物館・美術館

「なんて雅で、豪華で、美しいんだろ!」とミモロは、目の前の屛風絵に見とれます。

この展示があるのは、京都左京区静市にあるファブリックメーカー「川島織物セルコン」が運営する「川島織物文化館」です。

「叡山電車の市原駅から徒歩約7分だよ」とミモロ。広い敷地の一角に「川島織物文化館」はあります。
 
ここは、入館料は無料ですが、事前に予約が必要です。

以前も訪れたことがあるミモロですが、今回の展示「歴代川島甚兵衞の情熱がやどる 織物のための屏風絵」展にやってきました。

期間は、2023年6月2日までです。

「ミモロちゃん、お久しぶりです~。すごく個性的だから、1度会ったら忘れられません」とおっしゃるのは、館長の辻本さん。

今回は、辻本さんに館内撮影を許可していただき、さらにご案内で、館内を巡ります。

そもそも「川島織物セルコン(現在)」は、天保14年(1843)創業のファブリックメーカーで、宮内庁関係をはじめ、さまざまな日本を代表する建物の多岐にわたる内装を手掛けています。「いろんなホールや劇場の緞帳も作ってるんだよね~」というミモロ。
おそらく多くの方は、一度は、その作品を目にしたことがあるのでは…。

さて、ここ「川島織物文化館」は、二代目となる川島甚兵衞が、京都の町中、三条高倉に建てた洋館「織物参考館」がルーツです。

当時から、さまざまな染織に関係する資料などを展示。国内最古の企業博物館と言われます。

明治の急激な西洋化の流れの中で、洋館および洋室の建設が次々に…。そんな時代の中で、川島織物は、独自の意匠と高度な技術による日本式室内装飾を提案。それを人々に知ってもらうために、多くの貴重な資料の展示室と共に、国内初の日本式室内装飾ショールームを、「織物参考館」に設けたのです。

「室内装飾の織物ってなぁに?」とミモロ。
それは、壁紙、カーテン、絨毯、ソファや椅子、さらにパテーションなど、さまざまなところに使われる織物です。

「さぁ、館内をご案内しましょうね~」と辻本さんの後に続きます。
壁には、見事な日本画が飾られています。そして、そのそばには、同じような絵が…。
「これ、コピーみたい…」とミモロ。

「そう、壁にあるのは、日本画家が描いた原画で、その前にあるのは、それを織物にするための織下絵というものです」と。

つまり、織物を作るための設計図。原画の輪郭線などを薄紙で写し、そこに細かく色指定がされているのです。
「この下絵を描くのにも、大変な技術が必要なんですよ」と。
織物のことに精通し、原画のイメージをそのまま織物に写す…本当にすごい技術です。

原画と織下絵を見比べることができるのも興味を誘います。
 

今なら、コピー機を活用することもできるでしょうが、それがない時代でも驚くほど見事な織物の下絵に感激します。

また、室内装飾だけでなく、能衣装なども手掛け、
原画と完成品の両方が展示されていました。
 

少し離れて見ると、絵画としか思えない屏風が、実は、織物でできているとは…。
そこには、原画の精緻な表現を損なうことなく、織物独特の温もりもプラスされたように感じます。
「室内装飾って、どこか温かみが欲しいよね~だから壁面を飾る織物の屏風絵って、豪華だし、温かい印象…」というミモロです。

今回の展示には、海外博覧会で高評価を得て、宮内省が買い上げた屏風や、海外の要人への贈答品などに用いられた屏風の原画や下絵など、収蔵庫に保管されている製作資料が多数登場。

「見ごたえあるね~」とミモロ。

「はい、二代目の川島甚兵衞は、ともかく日本の技術の素晴らしさを発展、継承していくために、最高のものを作りたくて、妥協しなかったんですね~。まぁ、ある意味で収益を度外視したところもありますが…」と辻本さん。

日本の伝統の織物の技術をさらに発展させ、以前の日本家屋だけの暮らしから、洋室などがある西洋化した暮らしに変化する時代の流れを察知すると同時に、そこに日本伝統の美意識を融合させたところがすごい!のです。

館内の別の展示室には、明治時代の写真などが…「あ、この人知ってる…」と、どこかで見たことがある歴史上の人物の写真なども。

「明治の世界へタイムスリップ 写真で楽しむ時間旅行」という写真展示は、2022年11月18日までです。

「あの~この流鏑馬してるお侍の写真なんですか?」とミモロ。写真がある時代に、このような戦い方はしていないはず…。

「あ、それは、「富士の巻き狩り」をテーマにした織物を作った時に、画家のためにその様子を再現したときのものです」と辻本さん。「え~実際にやってみたんだ~すごいリアリティ!」と驚くミモロ。
「そうなんですね~そこまで、製作にこだわったんです。モデルになったのは、その当時の社員だと聞いてます…」と。

「本当に、みんな一丸になって、最高のものづくりに励んでいるんですね~」とミモロ。
「はい、その精神は、今も変わりませんよ~」と辻本さんはキッパリ。

写真展のなかなか興味深い展示で、ひとつひとつ見ていったら、時間を忘れそう…。

「さて、現在、同時開催中の企画展もご案内します」と。「は~い」と会場を移動するミモロです。

*「川島織物文化館」の詳しい情報はホームページで、どうぞ



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