「あれ、もうすぐ終わっちゃうんだー」と、いつもながら気づくのが遅いミモロ。3月から開催されている京都市美術館の「リヒテンシュタイン 華麗なる侯爵家の秘宝」展も、いよいよ6月9日に閉幕。
「わーあと一週間なんだー」と、慌てて出掛けたミモロです。

5月には、ゴッホ展で大勢の人が詰めかけた美術館も、なぜか今は、静か…。

「あれ?思ったより空いてるー」と、不思議に思うミモロです。
訪れた人は、皆「すごくよかったー」「華麗な世界を体験できた」と、その評判もなかなかなのに…。
今回の展覧会は、初来日の世界最大級の個人コレクションで、昨年暮れ、東京の六本木を皮切りに、高知などを巡り、日本では、ここ京都が最後に。
「へー、もうこのコレクションを見るなら、ヨーロッパまで行かなくちゃいけないの?」とミモロ。
「ところで、リヒテンシュタインって、どんな国?」と、あまり知識のないミモロは、首を傾げます。
日本には、あまり馴染みの薄い国かもしれませんが、その名を聞くのは、おそらく「冬季オリンピック」の時。スイスとオーストリアに囲まれている、この国は、アルペン競技の選手が多数出場しています。
国の大きさは、なんと小豆島と同じ。世界で6番目に小さな国だそう。
そもそもリヒテンシュタイン家は、ハプスブルグ家の臣下で、1608年に侯爵家に。そして次々に領地を獲得。獲得と言っても、戦いによって領地拡大するのではなく、功績や購入などで。1719年には、神聖ローマ帝国に属する領邦国家としてリヒテンシュタイン公国が誕生します。
1806年に神聖ローマ帝国から独立。その後、ドイツ連邦に併合されますが、1866年にドイツ連邦解体で、再び独立。
ヨーロッパの小国が、歴史のうねりに翻弄されることを、免れることはありませんでした。
しかし、この国の君主一族は、なかなかしたたか…というか、美術収集家としての審美眼だkでなく、商才や外交手腕にたけていて、しっかり生き残ってきたのです。
代々君主が国を治める立憲君主制で、現在、多くの欧州諸国の君主が、象徴的存在であるにもかかわらず、この国は、今も君主が政治に深い関わりをもっているとか。言語は、ドイツ語。通貨は、スイスフランで、ユーロではありません。
なんでこの小さな国が成立しているかといえば、観光や精密機械、医療などの産業だけではなく、実は、金融。タックス・ヘイブンという税金の優遇により、外国の企業が籍を置き、そのためのこの国に落ちる法人税が、国全体の税収の多くを担っているのから。また、スイス同様、銀行守秘義務が維持され、預金者の秘密が完全に守られるため、多くの富裕層が、多額のお金や財産を預けています。
また、非武装の永世中立国で、軍隊を一切持っていません。
軍隊に掛ける費用を、美術品の収集に当て、平和的な姿勢により、国を守っているとも言われています。防衛に関しては、スイスが担当。国にいるのは、警察官だけだとか。
「小さな国でも、しっかりしてるんだー」と、ミモロ。

その国家元首である、リヒテンシュタイン侯爵家が、財力を傾けて、500年にわたり収集したヨーロッパ美術の名品は、なんと3万点以上とか。英国王室に次ぐ、世界最大級の個人コレクションです。
「国の大きさから考えると、スゴイねー」と。ヨーロッパ美術を代表するルーベンス、ラファエッロ、レンブラントなどの名品をはじめ、豪華で華麗な美術工芸品など、88点が公開されているのです。

(写真は、会場の展示品を紹介するパネルでーす)
また、よく第二次大戦中にナチスから、コレクションを守り抜いたと…。そこには、命がけの移送が行われたとか。
さて、
会場の入口には、写真撮影コーナーが。
「ミモロも撮影するー」といって、パネルの前の椅子によじ登ります。

はい、ポーズ…。

まるで宮殿にいるみたいな感じに?
「ここが、ウィーンにある『夏の離宮』だよー」

現在、侯爵家の家宝は、ここで保管され、一般公開されているそうです。侯爵家は、ウィーンにも多くの土地を所有しています。
「すごく豪華なコレクション…なんかヨーロッパに来ているみたいな気分だねー」と、会場内を歩きながらミモロは、その美術品にうっとり。
なかでも、ミモロが気に入ったのは、17世紀に作られた「勝利の額」という華麗な装飾が施された鏡。その鏡に自分を映しては、ポーズをとっていました。
「きっと伯爵家の人たちも自分の姿を映したんだよねー」とニッコリ微笑んで…。

今回、チラシなどに登場した可愛らしい女の子は、ルーベンスの娘のクララ。6歳の時の微笑みです。父親の愛情が感じられる作品です。でも12歳でこの子は、亡くなってしまいます。
ミモロ、どいて…クララちゃんがよく見えないじゃない…「なんか似てると思わない?」とミモロ。まぁ丸顔のところと、目元かな…かなり無理はありますが…。
素晴らしい美術品を見た後は、美術館の周囲で日光浴。

「なんか、このところ雨続きで、体が湿気ちゃう…」と、シロツメクサが咲く芝生で、体を乾燥させながら、遊ぶミモロでした。
*詳しくは「京都市美術館」のホームページで

ブログを見たら、金魚をクリックしてね