蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

墓の行方

2024-04-18 | 
ある人、Aさん。
かつてお墓を買ったそうだが、霊園墓地に墓石が建っていないのは10%だとか。
つまり90%は、墓石が建てられている。
墓地だけだが、管理費を年間いくらか(1万円以下)支払うという。
で、Aさんは少し焦っておられる。
購入時には(なぜか)加えて隣続きに2区画も墓地を買い、墓石も建てず、管理費を払い、そして、空き地墓は、肩身が狭い、と。
だが、誰も墓に入る人がいないのは、不幸がなく、幸いなのではなかろうか。
Aさん(70代)の親の墓は、Aさんのお兄さんである長男(たぶん70代後半?)が管理しているが、長男の長男(Aさんの甥=40〜50代?)は遠方地に(実質的には婿入り?)暮らすため、墓管理が困難らしい。
長男の長女(Aさんの姪=40代?)も遠方地暮らし。
今後、誰が親の墓を見て行くのか?と、Aさんは、お兄さんと思案顔。
Aさんは、まだ墓石を建てていない墓地に管理費を毎年払いながら、自分の親の墓の管理が心配のタネ。

そもそもAさんは、長男ではない。
長男であるお兄さんが親の墓を建てた。
親は長男ではなかったため、子供であるAさんの兄が墓を新しく建てた。
長男ではないAさんも自分たちの墓地を別に用意した。
親の墓の維持も不安定なのに、自分(たち)の墓、しかも、墓石も建っていない墓(しかも2区画も)は、子供たちは見てくれるのだろうか?と、もやもや。
「自分があの世に行ったら、この世の動向はわからないのだから、どう確認のしようもありませんよ。
とりあえず、子供たちに、どうして欲しいか、希望、意向を伝えておかれたらどうですか?
実行する、しないは、確認できないですが、仕方ないですね」
と、わたしはAさんに言った。

Aさん夫婦のどちらかが先に亡くなったら、墓は建てるだろうから、残りの一人になった時に墓を永代供養にするかも知れない、と想像した。
墓を買ったAさんのほうが奥さんより先に亡くなるとすると、ひょっとしたらその段階で、新古品となっている墓地を返上して、永代供養にされたとしても、Aさんは知る由もない。
とりあえず、墓地を少しでも使う可能性を強めるためには、Aさんは奥さんより先に亡くなるわけにはいかない。
Aさんも奥さんも、天寿を全うして亡くなる頃は、墓のことは子供任せだろう。
生きていて、意識がしっかりしているうちに、意思を伝えるにしても、あの世間近になると、意識も思考も弱ってくる。
認知症が進み、配偶者が亡くなったことも知らされない状況も皆無なわけではない。
最後は、もつれ込むにしても、墓の維持は、維持する側の子供の考えによる。
今はまだ誰も祀る人のいない、権利だけを確保した墓地の行方が気になるところだ。

※写真は昨日の野田藤(大阪市福島区)