蝶になりたい

いくつになっても、モラトリアム人生。
迷っているうちに、枯れる時期を過ぎてもまだ夢を見る・・・。

マンマ・ミーア

2009-02-08 | 映画
前に、劇団四季のミュージカルを見たことがある。
前田美波里が、のっぽの友人ターニャ役で出演していたが、とても素敵だった。

今回は映画。
メリル・ストリープが、年齢的なハンディを乗り越えて
(御年59歳、今年還暦!!アラカン世代の星!!)
イキイキ、歌に踊りに、名演技を惜しげもなく披露していた。
ピアース・ブロスナンは、カッコはよいのだが、
歌、演技とともに、ちょっと・・・・
歌も、交互に歌うメリル・ストリープが上手すぎるので、目立ってしまう。
姿は、とってもいいのだが、・・・・。

前半では、中年総動員でパワー全開の大騒ぎドタバタが続き、
跳んだり跳ねたり、大奮闘。
(体って、いくつになってもあんなに動くものなんだ。
でも、鍛えてないと無理だろうけれど・・・)
ちょっと頑張りが痛々しいかんじだったが、
後半のシリアスなトーンになると、メリル・ストリープの名演技が光る。

娘ソフィーの水着がダサイ、とコメントしていたブログがあったが、
私はそんなことは、全く感じなかった。
(というか、そんな風に感じる人もいるという感性の違いに、驚いた)
というより、ヘタに水着なんかで演出しなくてもいいぐらい、
若いみずみずしいソフィーが眩しく輝いていた。
(獲れたての魚は、あれこれ手を加えるより、新鮮なお刺身が一番!)

「ホテルもボロイ」との感想もあったが、
それは、あくまでもストーリーの味付けなので、味わいのひとつとして楽しんだ。

浜辺で、モーションをかけてくる若い男性をのっぽのターニャがたしなめるシーンは、
劇団四季では同じく前田美波里が演じていたが、映画もとても、楽しめた。

娘に花嫁衣裳を着せるシーンでの曲「Slipping Through My Fingers」で、
涙腺の防波堤が、ぷつんと切れた。
それからは、涙、涙、涙・・・
無理っぽい筋立てなんか、まったく気にもとめず、
美しい島の風景に溶け込んだ、歌と踊りの世界に、どっぷり。

ABBAの音楽
心臓の鼓動のリズム、血液が逆流しそうなぐらい、
体中から、ノリノリ感が湧き出た。
とても楽しく、元気が溢れ出た。
涙も、いっぱいあふれた。
悲しい場面もさることながら、楽しい場面ですら涙が頬を伝った。
なぜなんだろう・・・
それぐらい、歌や踊りは、感動を与えるということか。

私はリアルタイムでABBAの音楽を聞いていたわけではないのだが、
少しは重なる時期がありそうだ。
私の世代、特に娘がいる母親、そういう背景が加わると、
また一段とリアリテイが加わる。

メリル・ストリープは、「プラダを着た悪魔」の時の、冷静な上司役、
「マディソン郡の橋」の時の、真摯な主婦役、
私が映画館で観た、それぞれの役柄を、それぞれに演じきっていたが、
本当に幅広い演技派女優だ。
これまで以上に、彼女に興味を持ち、これからの作品にも期待する。

最後のショータイムシーンでは、ビートアップしたまんま、
劇場でアンコールしているような臨場感。
ラストの歌「Thank For The Music」で、また涙が・・・まさに、クールダウン効果。
最初から最後まで、最高にビビッドなエナジーを与えてくれた映画だった。



「メリル・ストリープ唯一のミスキャスト映画」
「好きな人にとっては、好きな映画」
「中年狂乱舞動画」
「中年悪趣味ショー衣装」
との酷評もあるが、そんな全世代全員一致で大絶賛なんて、ありえないので
全く聞く耳を持たず。

楽しんだ人が、勝ち!!