常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

三方倉山

2012年05月20日 | 日記


久しぶりの晴天。
宮城県二口山塊、三方倉山に登る。三角錐の秀麗な山容であるが、麓からの傾斜は見るからにきつそうだ。対面には磐司岩の異形な姿がうずくまり、その向こうに大東岳のげん骨を握ったような頂上が見えている。

きのうの雨で新緑は濃くなっているが、1000m近くあるこの山の上の方は新芽が吹き出したばかりで、薄緑が日に光っている。どっぷりと新緑に浸かっていたい、きょうはそんな気分だ。そして、できるなら頂上付近に咲く白ヤシオツツジを見たい。



詩人、尾崎喜八の山行はこんな風であった。
「咲きはじめた山吹やひとりしずか、小径の岩に鳴る靴の音。もうずっと下になった渓谷がかすかにさらさらと早瀬の歌をうたっている。そして楽しい大きな明暗に浸った朝の山々は、空間を占める莫大な容積の重なり合いと大らかな面の移り行きとで、それを見る目を休ませ、その安定感で人の心をやわらげる。」

「彼は行く。ゆっくりと。しかし物見高い目や鼻や耳はすっかり開放しながら。山を歩くことは彼にとって、自然の全体と細部とをできるだけ見、愛しかつ理解することであって、決して急用を帯びた人のように力走することではないからである。



私たちの山歩きも尾崎喜八のようであるが、体力の消耗との戦いという側面を持っていることも現実だ。標高500m過ぎたあたりで同行のsさんが調子を崩し、登頂をあきらめ下山、残る3名が頂上を目指した。

標高600mを過ぎると傾斜は更に急になり、登山道はつづれ折になっている。
ところどころに、シラネアオイの紫の花が風にゆれて咲いている。しかし、期待した白ヤシオは、蕾ばかりで花を見せない。



麓の駐車場で確認したが、この山への入山者は少ない。それでも、登りで、3人ほどの登山客に出会う。向かいの大東岳は、かなりの人数が登ったようだ。
稜線へ辿りつくと、向こうに蔵王の山々、青麻山の双耳も展望できる。
頂上は11時。10分ほど記念撮影をしてsさんの待つブナ平へ下る。



データ 登山開始8;09 400m地点8;32 600m地点10;00 800m地点10;43 頂上11;00 750m地点11;16 550msさんと合流12;18 昼食 12;43まで 下山13:13
総距離4.6km。
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