山友会の新年会、天童温泉滝の湯で。参加者25名、ここ10年以来一番多い参加者であった。今年は年初の計画が大雪で中止となったため、昨年の暮からもう一月以上山から遠ざかり、初顔合わせが新年会ということになった。冬は避けて春から登り始めるという人を含めて、入山が待ち遠しいという、声がしきりだった。宴会を締めくくったのは、「山男」の大合唱で、今週の週末から始まるスケジュールを確認しあった。
作歌の佐多稲子が「尾瀬の水芭蕉」というエッセイを書いている。60歳を過ぎて、坐って原稿ばかり書いている身では、一度見てみたいと思っていたが、無理と諦めていた。それが佐多の友人の息子たちが、母と佐多を尾瀬に連れて行ってくれて尾瀬行きが実現した。
「広い湿原の後方を至仏山が囲って、木の道がどこまでも続いている。途中の足元に気がつくと、道の端に愛らしい山の花を見つける。姫石楠花、二輪草、綿すげ、などと青年たちが教えてくれたが、もっとたくさん聞いたのに覚えているのが少ない。やはり歩くことに気を取られていたのであろう。前方から来る人も多く、行き会うとどっちかが木の道に止まってゆずりあった。」
やはり、足も強くない佐多が、尾瀬を7時間歩けたことに自身で驚き感動もしている。宴会でいつまで山に行けるだろうか、ということが話題にのぼった。結論ははなはだ単純だ。「行けるときに行かなくては」ということ。もう高齢の人は私を含めて多く、自分の体力の見極めが大事になる。佐多稲子のエッセイを読みながら、人と山とのつながりの関係が微妙であることに気付いた。朝風呂に行くと、外はしんしんと雪が降り、10センチほど積雪になっていた。今月を越せば節分、山の季節も近づいてくる。
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