常住坐臥

ブログを始めて10年。
老いと向き合って、皆さまと楽しむ記事を
書き続けます。タイトルも晴耕雨読改め常住坐臥。

スミレ

2020年05月01日 | 
山路来て何やらゆかしすみれ草 芭蕉

里山を歩いて、岩陰にスミレがさいているのを見かけると、昔の友人にあったような懐かしい気がする。芭蕉が「ゆかし」と詠んだのも、慕わしい、恋しいという意味にとれる。漱石も、「菫ほど小さき人に生れたし」という句も詠んでいるように、素朴で清純なイメージがスミレにはあるように思われる。

去年、裏の庭に自生したスミレを鉢に植えてみた。すると、肥料のせいもあったのか、びっくりするような成長を見せ、たくさんの花を咲かせたあとには、たくさんの種を残した。庭にはこぼれた種から新しい株がびっしりと生え、一面の花畑の様相になっている。どうやら、スミレは可憐さと同時にその生命力の強さも見せてくれる。

千歳山の山道は多くの人が歩く。平坦なところにスミレが生える余地はないが、大きな石の間に生えたスミレが、年々数を増やしている。野菜などは少しでも放置しておくと忽ち雑草がはびこり、野菜の成長は止まってしまう。スミレには野生の強さがあるのだ。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 四月尽 | トップ | 射干 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿