goo blog サービス終了のお知らせ 

みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

0524「タイムスリップ2」

2019-04-22 18:38:40 | ブログ短編

 男達を片(かた)づけるのにさほど時間はかからなかった。侍(さむらい)の男が強すぎたのか、それとも男達の方が口ばっかりで弱すぎたのかもしれない。男達は慌(あわ)てて車に乗り込むと、急発進(きゅうはっしん)で逃(に)げ出していった。その様子(ようす)を、侍の男は不思議(ふしぎ)そうに見つめていた。
 助(たす)けられた女子高生は、恐(おそ)る恐る侍の男に近づいて…。だって侍姿(すがた)である。普通(ふつう)の人じゃないことぐらい誰(だれ)が見たって分かる。女子高生は後ろから声をかけた。
「あの…、助けていただいて、ありがとうございました」
 侍の男は、彼女の声が聞こえているのかいないのか、何の反応(はんのう)もしめさない。彼女が近づこうと歩き出したとき、急に侍の男がバタリと倒(たお)れ込んだ。
 これには彼女も驚(おどろ)いた。慌(あわ)てて男に駆(か)け寄ると、男の身体(からだ)を揺(ゆ)すりながら、
「大丈夫(だいじょうぶ)ですか? しっかりしてください。どこか、ケガとかしたんですか――」
 彼女は突然(とつぜん)男に手をつかまれて、小さな悲鳴(ひめい)を上げた。男は彼女を見つめて、
「す、すまんが…、何か食(く)い物を持っておらんか。道に迷(まよ)ってしまってな、昨日(きのう)から何も口にしておらんのだ。お、お頼(たの)み申(もう)す」
 彼女は呆気(あっけ)に取られてしまった。その時、男のお腹(なか)がグーッと鳴(な)った。彼女は、「ちょっと待ってて」と言って、コンビニへ駆け込んで行った。
<つぶやき>道に迷ったなんて、この男はどこから来たのでしょ。何でここに現れたのか。
Copyright(C)2008- Yumenoya All Rights Reserved.文章等の引用と転載は厳禁です。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 0523「タイムスリップ1」 | トップ | 0525「しずく20~幻覚」 »

コメントを投稿

サービス終了に伴い、10月1日にコメント投稿機能を終了させていただく予定です。

ブログ短編」カテゴリの最新記事