みけの物語カフェ ブログ版

いろんなお話を綴っています。短いお話なのですぐに読めちゃいます。お暇なときにでも、お立ち寄りください。

1100「しずく135~実験室」

2021-07-22 17:48:28 | ブログ連載~しずく

 川相初音(かわいはつね)と月島(つきしま)しずくはつくねの部屋(へや)にいた。だが、肝心(かんじん)の神崎(かんざき)つくねはいなかった。どこかへ出かけているのか…。そこへ、父親の神崎が顔を出した。神崎は二人を見て、
「こりゃ、驚(おどろ)いた。娘(むすめ)のお友だちかな? だが、あいにくあの娘(こ)は…」
 しずくが声をあげた。「すいません。突然(とつぜん)、来てしまって。私たち、これで失礼(しつれい)します」
「待(ま)ちたまえ。せっかく来てくれたんだ。このまま帰してしまったら娘に何て言われるか。ああ、どうだろ? 私の実験室(じっけんしつ)を覗(のぞ)いてみないかい? 娘が戻(もど)るまで…」
 しずくは嬉(うれ)しそうに答(こた)えた。「えっ、いいんですか? 見てみたいです。ねぇ」
 しずくは初音に同意(どうい)を求(もと)めた。初音はイヤだとは言えなかった。
 神崎に連(つ)れられて、二人は実験室に入った。ここは、つくねが実験台(じっけんだい)にされて洗脳(せんのう)を受(う)けた場所(ばしょ)だ。初音は、しずくが何を考えているのかさっぱり分からなかった。しずくは周(まわ)りにある大きな装置(そうち)を見ながら、楽しそうに神崎を質問攻(しつもんぜ)めにした。
「君(きみ)たちにはちょっと難(むずか)しいかもしれないが、この装置で脳(のう)の働(はたら)きを調(しら)べることが――」
「すごい。そんなことができるなんて…」しずくは目を輝(かがや)かせて、「あの、試(ため)してみてもいいですか? 私、やってみたいです」
「それは、かまわんが…」神崎はほくそ笑(え)んで言った。「じゃあ、このイスに座(すわ)って――」
<つぶやき>自分からいっちゃうんだ。もし、しずくも洗脳されたらどうなっちゃうの?
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