私は子供(こども)ができたことを機(き)に、家計簿(かけいぼ)をつけることにした。今まで何度も挫折(ざせつ)してしまったが、今度はそんなこと言ってられない。だって、子供が生まれたらお金がかかるし、今のうちに少しでも貯(たくわ)えを増(ふ)やしておかなきゃ。
今までの経験(けいけん)から、ゆるゆる家計簿でいくことにした。もうざっくりと記帳(きちょう)して、多少合わなくても気にしない。これなら、私にも続けられそうだ。
まず、月々の決まっている支払分(しはらいぶん)を計算(けいさん)して、それに水道光熱費(すいどうこうねつひ)でしょ、それと食費(しょくひ)に、そうそう、ガソリン代も必要(ひつよう)ね。あとは、洋服(ようふく)も買いたいし、化粧品(けしょうひん)も必要(ひつよう)だわ。
私はすべての支出を合計(ごうけい)してみた。そして、旦那(だんな)の給料(きゅうりょう)と照(て)らし合わせる。その結果(けっか)、私は目を疑(うたが)った。「これじゃ、足(た)りないわ。全然(ぜんぜん)足りない」
私は考(かんが)えた。「そうよ。こうなったら、削(けず)れるところから削って、減(へ)らせば…」
まず、何からいくか…。外食(がいしょく)を減らしましょう。旦那も、私がお弁当(べんとう)を作ってあげれば、お小遣(こづか)いを減らせるじゃない。余分(よぶん)なお金がなければ、飲(の)みに行くこともなくなるし一石二鳥(いっせきにちょう)ってとこね。それに早く帰ってくれれば、家事(かじ)も手伝(てつだ)ってもらえるし。
「そうよ。これから私も出産(しゅっさん)と子育(こそだ)てで大変(たいへん)なんだから。今から家事を教えておかなきゃ」
私は妙案(みょうあん)にほくそ笑(え)んだ。そして、自分へのご褒美(ほうび)は何がいいかとカタログをめくった。
<つぶやき>真っ先に減らされるのは、夫(おっと)の小遣いなんですね。お弁当に期待(きたい)しましょ。
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