みちくさ茶屋

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読書記録2006-27

2006-11-06 | book
63「風邪の効用」野口晴哉 充実度★★★★☆
すごい。すごい本だ。
整体師である野口先生が、風邪の原因や療法について東洋医学の見地から
詳しく解説したもの。かなり実用的なテキストと言ってもいい。
去年から「風邪の正体とは何か」ということが私の疑問でありテーマであったのだが、
それをきちんと解明してくれた処方箋みたいな本である。
アンダーライン引きながらメモ取りながら、一言一句逃さないように
じっくり読んだ。いや、読んだっていうより部分的に暗記した。
それはもう、「テストにココ出るぞ~」くらいの勢いで。
それくらい中身の濃い本(私にとっては)でした。

読んでいる途中で、一度喉が痛くなった。
で、本に書いてあったように足湯をして、後頭部を熱して寝たら、
翌朝にはけろっと治っていたのである! 

先生がおっしゃるには、風邪は治すのではなく「通過させる」のがのぞましいらしい。
「風邪」というのは病というより「症状」のことなので、
熱も咳も鼻水も、悪いものを出そうとしているのだから、
それを薬などで止めてしまうと、結局根本的な諸悪がずっと体にいるので
いつまでも治らなかったり繰り返したりする、というわけです。
「咳が出るたびに、ああ、風邪が治っている!と考えるべき」なのだとか。
それを、咳やくしゃみをして「ああ、風邪をひいた!」と思い込んでしまうので
よけいに悪化するのだと野口先生はおおせられる。

また、風邪を引くのは、体が敏感に反応しているという健康の証だとか。
「私は健康なのでしょっちゅう風邪をひきますが、40分から2時間で治します」
だそうです……。
先生がどうやって治すのかというと、「背中で呼吸をする」療法。
まあこれはイメージの問題というか、ヨガ的なやり方。
私も、なんとなくコレかな、という感じで習得(したつもり)。

「風邪に不満をのせてはいけない」というのも印象的だった。
いやなことを「私はこんなに具合が悪いのに」という方向に持っていったり、
「あれもこれもしなくちゃいけないのに、早く治さなくちゃいけないのに」と
イライラしてはいけないのだ。治るものも治らない。
おおらかな気持ちで、よけいなことを考えずに休むべし。

よしっ、もう風邪なんてこわくないぞ、どんとこい!

……と、思っていたら、こないだの風邪。
今こそ野口療法で速攻完治! と思っていたのだが、あまりにも急速に悪化したため、
実践の余裕なし。

背中で呼吸は自己流だったせいかさっぱり効力がなく、
咳するたび風邪が治ってるなんて到底思えなかった。
だって咳苦しいじゃん。体力消耗するし。どう考えても悪くなってるとしか……。
「薬で止めては逆効果」と頭にたたきこんでいたが、やはりしんどさには勝てず
一刻も早く良くなりたくて、結局葛根湯を2回飲んだ。
頭と体の節々が痛かったのでアスピリンも……。
そして、タブーとされていた「風邪に不満、のせまくり」。
だんなにぶちキレたり、「あー、仕事休んじゃった、どうしよう。来週までに
治るかなあ」と心配したりあせったり。
そんなことしちゃいけないとわかっちゃいるが、療法実践は難しかった。
前に足湯などで一晩で治ったのは、やはり、引き始めだったからだろう。
ホントに、風邪って最初が肝心ですね。

結論として、風邪は、まず引かないことが一番だなあ。
まったくひかないのは無理だとしても、「ひきにくい体」を作る。
今の時代、100パーセント自然治癒で風邪を通過させるって、なんと優雅なことか。
悩みなく食べて寝てればいいのは確かだけど、なかなかそうはいかないものね。
っていうか、そんな生活環境にいる人は風邪なんかひかないじゃないだろうか。
とりあえず、免疫力アップに邁進しよう。