ここでも何度も挙げている大好きな月村先生の御本。
タイトルからわかるように某北の国から逃げて日本を目指す潜水艦。
そこに乗せられているのは潜水艦隊員とかつて拉致された被害者女性。
追って来る祖国の艦とのバトルの緊張感と戦略のダイナミクスにハラハラし、
祖国を捨てる面々の事情とメンタルにホロリとし、
「こうなるだろうな」と小説なのになぜか納得させられちゃうどうにもならない日本政府に憤り、
それでも自分を捨てて助けようとする善意と正義の民間人に喝采するという嵐のような小説でした。
ホントにね、自国のダメさ加減を改めて見せつけられるというか。
NHKスペシャルでやっていた香港の今を観たら、いずこも同じかと。
力づくで来られるのと、ただダメなのとどっちがいいかってとこかね。