ステイホームの二か月、図書館も閉まっていた。
自分もバイトも結婚式もなく電車に乗ることもなかったからその期間は全く本を読まなかった。
明けて図書館も再開した時には予約していた本が一気に10冊近く来てしまい嬉しい悲鳴。
しかしその本たち、ほとんど読み切れなかったのだ。
なぜなら自分の好みだった重い社会派サスペンスがどうにも面白く無く感じて
全くページが進まなかったのだ。
どうして?大好きな作家さんの本なのに…。
もしかしてこの暗い状況下、軽く楽しい本しか受け付けなくなってしまったのかも知れない。
ーなどと悩んでいたところに去年一の話題作がやってきた。
これも昭和のオリンピックの頃の時代の誘拐が主なストーリー。
裏には犯罪者の家庭の輪廻も仄見えるかなり重い小説。
しかしこれは一気に読めてしまったのだ。
そして短編集のハードボイルドだから失礼ながらあまり期待していなかったこちらも
かなり面白く読んでしまったのだった。
戻ったのか、私?
それとも単に作家さんの腕なのか。
お二人ともかなりの手練れだからねえ…。