海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「若い僧侶、北京政府の計画を台無しにする。」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年04月14日 | 中国の政治・経済・社会
2010年資本主義大爆裂!―緊急!近未来10の予測
ラビ・バトラ
あ・うん

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 繰り返し大きな叫び声を出して、一ダースあまりのワインカラー色の衣を着た僧侶たちは広場めがけて全力疾走した。二人は、人間ぐらいの大きさの青地に赤い太陽と二頭の雪ライオンを描いたチベット国旗を掲げていた。僧侶たちは、その旗を頭上で振り回した。どうしていいか分からないで、出し抜かれた治安警官たちは、ラブラン僧院の前庭に立ち尽くしていた。彼らは彼らが監視していた北京駐在の11人の外国通信員と同様、外の物音を聞いて、僧院から飛び出してきた。鋭い叫びが「経堂」のほうへつながった。そこでは、数百人の僧侶がお経を唱えていた。薄暗がりのなかでの祈りは、ジャヤーナリストたちに、チベット暴動以来、訪問者を締め出した寺院の正常な状態を見せつけるために、演出されたショウだった。外の若い僧侶たちは、まったく別の現実を白日の下に曝した。
 チベット・ラマ教の最大の聖地の一つであり、ダライ・ラマの出た寺院であるラブラン僧院の訪問は、北京政権が計画したのとは別の仕方で提示された。僧侶たちの第二のグループは、住居の別の角から寺院に向かって走っていった。彼らはチベット語で書かれた横断幕を掲げていた。男たちは私の腕をつかみ、私に話し掛けた。一人は中国語ができた。「われわれは自由になりたいのだ」と彼は言った。「われわれはわれわれのチベット文化と伝統、われわれの人権を守りたい。」他のグループにとっては、ダライ・ラマが大事だった。「彼に帰ってきてほしい。中国は彼と対話をしてほしい。」
二人の僧侶は、自分たちの腕を指差し、手で手錠を示唆した。「彼らはデモの後で、われわれの僧院から7人を逮捕した。」多くの僧侶は話しながら泣いていた。一人は顔を隠した。
 勇敢な僧侶たちは、小さなグループに分かれていた。彼らの数は、2ダースから3ダースに増えた。あちこちに、北京から記者団に随行した人たちが無反応に立っていた。
先週水曜日の行動は、明らかによく考え抜かれたものだった。3月24日の最初のジャーナリストたちのラサのジョカン寺訪問の際よりもよかった。ラブラン僧院は、甘粛省の南部にあり、省都の蘭州から約280キロ離れている。しかし、僧侶たちはわれわれが来ることを知っていただけではない。彼らは、機会を待っていた。それが来たのは、中国人の随行者がわれわれを「経堂」に導いたときだった。その際、治安警官たちが既に寺院の奥にいることを計算していた。(後略)
[訳者の感想]チベット人の抵抗運動はなかなか巧みなようです。
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