海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「タリバンは、ドイツ軍司令官を殺そうとした」と題する『ヴェルト』紙の記事。

2005年11月17日 | アフガン問題
ベルリン・カブール発:月曜日にカブールで起こったドイツ軍兵士に対する攻撃でドイツ国防軍の中尉が戦死し、憲兵が二人重傷を負ったが、この攻撃は本来、アフガニスタンに駐留するドイツ国防軍司令官ハンス・クリストフ・アモン大将を狙ったものであったと考えられている。このことを『ヴェルト』紙は、国防軍関係者から情報を得た。それによれば、テロ攻撃を認めたイスラム主義的なタリバンは、アフガニスタンの首都カブールでのドイツ軍の動きについて具体的な情報を持っていた。攻撃の目標は、実際には、アモン司令官が乗っていた国防軍の乗用車であった。テロ攻撃の際、自爆した暗殺者は、間違った乗用車を選んだと言われている。
戦死した独逸軍将校は、昨晩、ドイツに輸送されたが、予備役の中尉であった。この人物は、既に八回目の外国勤務を志願した。負傷した二人の憲兵のうち一人は、重態で、コブレンツの国防軍病院で手当を受けている。もう一人の憲兵も同様に重傷で、同じ病院で手当を受けている。両者はバイエルン州の出身である。
アフガニスタン駐留のドイツ軍部隊は、投入の最初から、現地人によるスパイの問題を抱えている。現在、2,300名のドイツ兵士がカブール、ファイザバード、クンドウスの三箇所に駐留させているドイツ国防軍は、多数の土着の補助兵員と関わっている。ソヴィエトがアフガニスタンを占領していた時代、多数のアフガン人が訓練のために東ドイツに送られ、そこでドイツ語を学んだ。タリバンや他のアフガン人のテロ集団は、国防軍の基地内に補助兵員として送り込まれたと言われている。これらの補助兵員は、目立たないように振る舞い、彼らのドイツ語の知識についてはおくびにも出さない。こうして彼らは、ドイツ軍の行動について価値のある情報を手に入れる。アフガンニスタンに派遣された兵士達は、しばしば、自分たちは現地の補助兵員から見張られ、スパイされているという疑いを漏らした。最悪の場合には、投入計画やパトロールのルートが漏れている。暗殺者達がパトロールの時刻表やルートを知る場合には、彼らにとってはテロ攻撃は容易になる。カブールのドイツ軍基地では、現在、攻撃を企てた連中が直接、国防軍から情報を得たかどうか調査中である。
カブールにいる兵士の間では、それ以外に、「ディンゴ」のような防護の固い車両の数が少ないことについて大きな不満がある。戦死した中尉と重傷を負った憲兵とは、「ヴォルフ」型の車両に乗っていた。問題の車両は、後から地雷や銃撃に対して軽度の防護を施したものであった。現在行われている自爆攻撃に対して、乗組員が生き延びるチャンスは少ないと言われている。国防軍上層部の最初の反応が車両の防護に向けられたという事実は、兵士によって、国防省の防護についての主張の試みであると評価されている。実際に、「ヴォルフ」型車両の防護は、十分でない。
その間、アフガン南部の都市カンダハルで起きたアメリカ軍輸送部隊に対する自爆攻撃で、3人の民間人が死傷した。
11月17日づけの記事です。
[訳者の感想]イラクよりはましかもしれませんが、アフガニスタン駐留のドイツ軍も戦死者を出しているようです。イラク派遣の日本の自衛隊は大丈夫でしょうか。心配です。
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