海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「カルザイ、選挙の協力者として軍閥ドスタムにゴマを擂る」と題する『シュピーゲル』の記事。

2009年08月18日 | アフガン問題
ベルリン・カブール発:修理したばかりの首都の空港での出迎えは、将軍の趣味にはかなっていた。ドスタムが、航空会社「カム・エア」のチャーター・ジェット機で、トルコからカブールに着陸したとき、数百人のウズベク人たちが彼を出迎えた。誰もが彼に触ろうとする。彼は55年間の生涯をほとんどポップスターのように秘密にしてきた。数人の人は彼にキスすることが出来た。
ドスタムは、彼の得意の境地にいた。彼は民衆のヒーロー兼軍隊の長である自分を演出するのが好きだ。
空港から、ドスタムの装甲ジープの長い車列が兵隊を乗せたピックアップ・トラックを伴ってシェルプールへと轟音を立てて行進した。それはカブールの最も高級な地区であり、ここにドスタムは、沢山の無様式だが目の飛び出すほど高価な別荘の一つを持っている。そこで、ドスタムは、カルザイ大統領とトルコ政府に公式に感謝した。カルザイとトルコ政府が彼を帰国できるようにしたのだ。
 彼の特徴のある口ひげとふさふさした眉毛は灰色になっているが、彼はカルザイとのお茶会へと出かけた。
 両者はいくつかの事柄を話さねばならない。2008年秋にあるライバルに対して彼が行った乱暴な襲撃の後で、カルザイは彼を国外追放にしたのだが、その亡命先からの帰還は、木曜日には、大統領にアフガン北部にいるウズベク人の票を確保するはずだ。彼がこの軍閥をカブールに呼び戻したことによって、大統領は恥知らずにも自分の権力のためにポーカーをやったのだ。カルザイは、不届きな犯罪者たちの一団で内閣を固めている。
 ドスタムの成り行きは、カルザイの権力欲を説明しているが、同時に、西側の困惑も説明している。過去数ヶ月の間に、カルザイは、一連の戦争犯罪者を自分のチーム、特に、副大統領の候補者に取り込んだ。モハメッド・ファヒム将軍は、北部同盟の一番乱暴な将軍の一人であって、一ダースほどの戦争犯罪の理由で非難されている。その上、彼は誘拐団の首領と見なされている。しかし、このタジク人は、カルザイのために、自分の民族集団の票を確保するはずだ。数千の投票用紙を手に入れるためには、カルザイにとっては過去はどうでもいいのだ。(後略)
[訳者のコメント]アフガン政府がどんな人物から構成されているのかが分かります。こんな連中とタリバンのどちらがいいか?ヨーロッパでは、アフガンで戦ったロシア人の影響か、北部同盟を構成していた将軍たちは人気がありません。
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