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「学校は、ドイツの子供たちを不幸にしている」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2007年11月12日 | 教育と科学技術
ドイツの子供たちは、自分たちの家庭では高い程度に安らぎと幸福を感じている。しかも、社会のすべての階層で。これに対して、学校は子供たちにとっては、年齢が高くなるほど、陰鬱な「反対世界」であり、「幸福の破壊者、ナンバー・ワン」だと思われている。これは、四歳児から十二才児の幸福感を調査した最初の研究報告の驚くほど分裂した結果である。それによると、40%の子供は、自分の子供時代を「非常に幸福」と評価し、44%は、「幸福」、14%は、「幸福でも不幸でもない」と述べている。これは、傾向として「情けない」と言っていると評価されうる。
1989年以来、世界中で、幸福に対する児童の権利が存在する。当時、国連は、「人格を完全に発達させるために、児童は、幸福と愛と理解に包まれて成長しなければならない」と要求した。だが、その18年後、子供たち自身が、どれほど幸福を感じているかが、科学的に調査された。その最も重要な結果が「ヴェルト・オンライン」に提出されたこの研究報告は、ザルツブルク大学の幸福度研究者であるアントン・ブッハーの指導で、「中央ドイツテレビ局・メディア研究」のために作成された。
研究者たちは、あらゆる社会階層に属する1,239人の児童を対象に調査を行った。児童向けテレビ「タバルガ・テレビ」の開局10周年を記念して、この研究結果は、木曜日に、マインツで開かれる専門学会で紹介される予定だ。この研究報告は、児童福祉にとっての家族におけるカウンセリングの意味について実際の議論に影響を及ぼすかもしれない。
以前の青少年研究と比べて、この研究は、世代間の関係におけるある変動を確認している。子供たちが両親や祖父母たちとこれほど良く理解し合ったことは一度もなかった。彼らとの人間関係は、摩擦がなく、協力的である。
児童の幸福は、家族における健康と活動と密接に関係している。愛情と承認と支持によって形成された家庭的な雰囲気や、共同の活動は、幸福を増進する。もっとも、この効果は、年齢が増えるとともに、減少するけれども。次に育ち盛りの子供にとって、親が真剣に取り合ってくれているという感情が、特に重要である。
「片親の子供は不幸だ」という偏見は、この研究では、否定されている。ブッハー教授によると、片親に育てられた子供たちの半分以上は、自分をむしろ「幸せだ」と述べている。
今日、子供たちは、家庭で、以前よりもずっと多くの権利や発言権を持っているとミュンヘン大学の家族研究者であるクリスチャン・アルトは述べた。児童は、高度の社会的コミュニケーション能力を展開しているが、家庭内の自由な空間に非常に関心を持っていると述べた。
児童の幸福にとって、決定的なのは、学校の状況である。ドイツの学校の評価は、その場合、総じて良くない。容易に学習し、積極的に授業に参加し、学校を刺激的だと感じる児童は、そうでない児童よりも、幸福である。宿題に長時間かける必要がない生徒の66%は、「とても幸福だ」と述べている。宿題に苦労したり、何時間もかける生徒の39%が「幸福だ」と述べている。
生徒の年齢が高くなるにつれて、彼らはますます学校を批判的に見る。6歳児の50%は、まだ、「学校へ行くのは好きだ」と言うが、13才児でそう言うのは、わずかに16%である。
高等学校の生徒は、どちらかと言えば、学校に満足しているが、「基幹学校」の生徒ははっきりと満足していない。
学校は児童の福祉を増進することができるが、ドイツでは反対であると、中央テレビ局の「メディア研究部」のズザンネ・カイザーは述べた。比較的年長の生徒は、授業があまりおもしろくなく、先生たちはますます、親切でなくなると感じている。この研究報告の責任者たちは、自分たちの分析を、子供たちを将来もっと目標を絞って育成するために、ドイツの学校制度を改革せよというアッピールだと理解している。
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