海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「国営テレビは操作されていると、中国の知識人達の抗議」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2009年01月16日 | 中国の政治・経済・社会
北京発:22人の弁護士、ジャーナリスト、自由業の作家達は、国営の「中国中央電視台」(CCTV)を見るのを止めようと呼びかけ、電視台が検閲され、操作された報道を行っていると非難した。「われわれは公的な独占を通じて、われわれの耳目を汚している情報宣伝テレビに対して身を守る」と公開状では言われている。それは「中央電視台に抵抗せよ、洗脳を拒否せよ」という表題でインターネットに書き込まれた。「われわれ、若い知識人は、われわれの抵抗権を行使する。われわれは集団で、四度、「否」を言うことによって、中央電視台の報道とウエッブサイトに対して抗議する。われわれは、もはやテレビを見ず、そのウエッブサイトを覗かず、聴かず、それについて語らない。」
この書き込みは、それ自身の申し立てによると、毎日、12億人に届いているこの巨大な国営放送に対する7つの非難理由を挙げている。国営テレビは、ステロタイプ的な国内については肯定的で、国外については否定的な報道を行うことによって、「宣伝放送」と呼んだほうが適切だ。国営テレビは、国内ではどのような社会問題について報道するか制限して選択し、抗議や実際の危機についての多くのニュースが流れないようにしている。したがって、中央電視台は、メラミン入り牛乳に責任があるサンル・コンツェルンを長い間、かばうために、スキャンダルを暴露する代わりに、牛乳を清潔に保つための1100ものコントロールについて報道したのだと公開状は述べている。
一面性の例は、イラクである。中央電視台では、サダムが土の中から引っ張り出されるまでは、軍事専門家達は、米国に対するサダム・フッセインと彼の人民戦争がうまくいっていると称賛することが許された。独占的な放送局は、まだ一度も宣伝放送の間違いを謝ったことがない。それは、一番良い時間帯に放映される歴史番組で人民の愚鈍化を行っている。このような番組は、啓蒙には役立たず、ミイラ化した権威主義的構造を手本にしている。
火曜日にインターネット上に現れた書き込みは、100件のポータルサイトを通じて広がった。同じぐらい素早く、中国のインターネット警察は、北京在住のリン・チャンツウによって書かれた公開状の読み取りを妨害しようと試みた。この書簡は、12月に公表された徹底的な民主化への呼びかけである「〇八憲章」と並んで中国内部での第二の批判的書簡である。「われわれは言論と報道の自由を転換することを擁護するために、議論を巻き起こしたいと思います」と41才のリン・チャンツーは、『ヴェルト』紙に語った。「勿論、われわれは弾圧を恐れています。しかし、われわれの公開書簡は、憲法にも法律にも違反していません。」リンによると彼は警察からの電話で、彼らと茶を飲んだ。彼らは彼の中央電視台に反対する書簡については何も言わず、「〇八憲章」とその主たる執筆者と目されるリウ・シャオボウとの関係について尋ねられた。リンは、リウ・シャオボウと共に「憲章」に署名した301名の知識人の一人である。リウは、一ヶ月以上、警察の保護下にある。友人達は、北京に司法当局が彼を見せしめのために利用し、彼を国家転覆の罪で告訴しようとしているのではないかと恐れている。
中央電視台は、ニュースを偽造したという非難を退けた。副経理のワン・ジアンホンは、ボイコットの呼びかけを恐れていないと述べた。「22人がわれわれをボイコットしても、12億人の視聴者の間にあるわれわれの評判には影響はない。」
同時に、中国の民衆は、国家に勝った。大量の市民の抗議の後で、環境省は、火曜日に、化学工場が100万都市シアメンには計画通り建設されず、もっと人口密度の低い地域に建設されると伝えた。その工場で生産されたパラキシオールという化学物質は、米国の衛生エキスパートによると、長期間、曝されると、神経組織を損ない、死に至らしめるとのことである。
[訳者の感想]記事の筆者は、ヴェルトの特派員であるジョニー・アーリング記者です。言論の自由を求める中国の知識人の意志は、簡単には抑えられないだろうと思います。
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