海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「チベット批判に対する中国人の憤激」と題する『ツァイト』紙の記事。

2008年04月20日 | 中国の政治・経済・社会
選手も観客も命がけの北京五輪 オリンピックどころじゃない中国の真実! (別冊宝島 1508 ノンフィクション) (別冊宝島 1508 ノンフィクション)

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北京発:今は、チャールズ・チャンも一緒にやっている。中国のポータル・サイト「捜狐」(sohu.com)の創設者でCEOでもあるチャンは、中国の経済ブームの立て看板に数えられ、中国では、ビル・ゲイツと比較される。
その上、チャンが他の百万長者のように身を隠さないで、公に発言することも知られている。彼は中国でのフランス製商品のボイコットを支持したことで、有名になった。「責任ある大国の道徳と理性と寛容さで主張しても、他の大国は、無責任に振舞うだけだ」とチャンは、「捜狐」の上のブログで自分のボイコットを理由づけた。
彼の反応は、その間、西欧のチベット批判とオリンピック・ボイコットに対する中国人の憤激がどの程度ひろまっているかを示している。その際、チベットというテーマは、ますます背景に退いた。ここでも、情報通の中国人たちも、あまり新しい論拠を見出さない。確かに、彼らは、ダライ・ラマに責任があるとする公式の見解が真理のすべてをもらしていないと知っているが、共産党の意見に逆らうことは敢えてしない。。なぜならば、彼らは弾圧を恐れているからである。しかし、もう一つの理由は、彼らが原則的に政府を支持しており、チベットを「中国の一部」とみなしているからでもある。
その際、彼らがチベット自治区における人権侵害に対する西欧の批判を無視しているということは、非難さるべきである。しかし、その代わりに、中国の批判は、一見一方的な西欧のメディア報道や、西欧のオリンピック競技会のボイコットに向けられている。
「われわれは常に西欧に対する取り入りと拒否の間をゆれている」と『新北京新聞』は、批判を説明した。この新聞は、CNNの解説者ジョン・チャファティの解説に対する反応を分析している。中国共産党員は、彼の解説を「この五十年間に存在した同様の犯罪者」と呼んだ。
西欧に取り入ろうとする者たちは、西欧のメディアが原則的に間違わず、このような根拠のない叱責に耳を傾けねばならないというのなら、落胆するだろうと『新北京新聞』は、述べた。しかし、西欧拒否者は、西欧の非難の中に西欧の骨身にしみた反中国的態度を見るだろう。彼らにとっては、CNNの解説は、中国の統一を壊すための陰謀の一部でる。
武漢にある「中国中部大学」のスン・シュウペイ教授は、中国人に対して、細分化したメディア意識をもつように警告した。「われわれは、もっと寛容になるべきだし、メディアも誤りを犯すということを我慢しなければならない」とスンは週刊誌『ナンファン情網』に書いた。外国商品に対するボイコットの代わりに、彼は中国において公共のよりよいコントロールを可能にするより広範な意見の幅を形成することを要求した。
 明らかに多数の中国人は、オリンピック競技会に対する西欧の批判に対する彼らの態度に関して、自己理解の過程にある。共産党の宣伝とCNNの論評との間で多くの人たちは新しい方向付けを探している。このことも、インターネットでのボイコットの呼びかけが人気がある理由を説明している。
{訳者の感想}ゲオルク・ブルーメという人の解説です。
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