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海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国の反仏デモで、サルコジ大統領は、仲介者を北京に派遣」と題する『シュピーゲル』の記事。

2008年04月21日 | 中国の政治・経済・社会
Standards/スタンダーズ
中西保志,小田和正,川江美奈子,夏目純,吉田美和,山下達郎,久保田利伸,井上陽水,桑田佳祐,浜田省吾,Misia
徳間ジャパンコミュニケーションズ

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パリ・北京発:「状況は切迫している」とカルフールの支配人であるジョゼ・ルイ・デュランは述べた。既に数日前から、憤激した人々が中国にあるカルフールの店の前で、デモをしている。フランスのダライ・ラマ支援に対して抗議するためである。デモはとっくに公然たる乱暴狼藉に転化した。それゆえ、中国政府は市民に秩序ある抗議行動をするように警告した。デュランによると、彼の企業はこれまでにさしたる売上損失を蒙らなかった。
 カルフールは、抗議する中国人にとってはフランスを代表している。丁度、マクドナルドが過去においては反米抗議の標的となったのと同じである。カルフールはチベットの自由運動を支持したことはないという主張は役に立たないように見える。
 ともかく、ジョゼ・ルイ・デュランは、目下、政治からの助けを期待できそうだ。フランス大統領サルコジは、緊張した関係を変えるために、二人の大使を人民中国に派遣する。ピエール・ラファラン元首相は、水曜日にサルコジとシラック元大統領の書簡を持って北京に行く予定である。過去20年間にしばしば中国を訪れたラファランは、木曜日に温家宝首相と会談する予定である。サルコジの外交顧問であるジャン・ダヴィッド・レヴィットは、今週末に大統領の書簡を持って北京へ行く予定である。
 これがフランスに対するかなり多くの中国人の嫌悪の増大にブレーキをかけるかどうか、見てみないと分からない。中国の広範囲な降雨と大量の警官導入にもかかわらず、先週末には、西北部の西安では、カルフールの支店の前に約1千人の人間が集まった。東北地方のハルビンや東部の済南でもデモがあった。中国東部の青島では、AFPのカメラマンは、あるカルフール支店の駐車場に50代以上の警察車両が停まっているのを目撃した。
 湖北省の武漢では、数百人がカルフールの店の前に集まった。彼らは中国国旗と毛沢東の肖像を担いでいた。目撃者によれば、約千人の参加者は、「チベット独立反対、オリンピック賛成」、「フランスの商品にノーを言え」と書かれた横断幕を見せていた。
 安キ省の合肥では、デモ参加者がある百貨店で騒動を起こした後、国営の新華社通信は、中庸のとれた理性的行動をするようにとの呼びかけを放送した。中国では政治的なデモは許可されない。過去には、警察は、政府の路線に従った抗議行動には寛容だった。(以下略)
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「チベット批判に対する中国人の憤激」と題する『ツァイト』紙の記事。

2008年04月20日 | 中国の政治・経済・社会
選手も観客も命がけの北京五輪 オリンピックどころじゃない中国の真実! (別冊宝島 1508 ノンフィクション) (別冊宝島 1508 ノンフィクション)

宝島社

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北京発:今は、チャールズ・チャンも一緒にやっている。中国のポータル・サイト「捜狐」(sohu.com)の創設者でCEOでもあるチャンは、中国の経済ブームの立て看板に数えられ、中国では、ビル・ゲイツと比較される。
その上、チャンが他の百万長者のように身を隠さないで、公に発言することも知られている。彼は中国でのフランス製商品のボイコットを支持したことで、有名になった。「責任ある大国の道徳と理性と寛容さで主張しても、他の大国は、無責任に振舞うだけだ」とチャンは、「捜狐」の上のブログで自分のボイコットを理由づけた。
彼の反応は、その間、西欧のチベット批判とオリンピック・ボイコットに対する中国人の憤激がどの程度ひろまっているかを示している。その際、チベットというテーマは、ますます背景に退いた。ここでも、情報通の中国人たちも、あまり新しい論拠を見出さない。確かに、彼らは、ダライ・ラマに責任があるとする公式の見解が真理のすべてをもらしていないと知っているが、共産党の意見に逆らうことは敢えてしない。。なぜならば、彼らは弾圧を恐れているからである。しかし、もう一つの理由は、彼らが原則的に政府を支持しており、チベットを「中国の一部」とみなしているからでもある。
その際、彼らがチベット自治区における人権侵害に対する西欧の批判を無視しているということは、非難さるべきである。しかし、その代わりに、中国の批判は、一見一方的な西欧のメディア報道や、西欧のオリンピック競技会のボイコットに向けられている。
「われわれは常に西欧に対する取り入りと拒否の間をゆれている」と『新北京新聞』は、批判を説明した。この新聞は、CNNの解説者ジョン・チャファティの解説に対する反応を分析している。中国共産党員は、彼の解説を「この五十年間に存在した同様の犯罪者」と呼んだ。
西欧に取り入ろうとする者たちは、西欧のメディアが原則的に間違わず、このような根拠のない叱責に耳を傾けねばならないというのなら、落胆するだろうと『新北京新聞』は、述べた。しかし、西欧拒否者は、西欧の非難の中に西欧の骨身にしみた反中国的態度を見るだろう。彼らにとっては、CNNの解説は、中国の統一を壊すための陰謀の一部でる。
武漢にある「中国中部大学」のスン・シュウペイ教授は、中国人に対して、細分化したメディア意識をもつように警告した。「われわれは、もっと寛容になるべきだし、メディアも誤りを犯すということを我慢しなければならない」とスンは週刊誌『ナンファン情網』に書いた。外国商品に対するボイコットの代わりに、彼は中国において公共のよりよいコントロールを可能にするより広範な意見の幅を形成することを要求した。
 明らかに多数の中国人は、オリンピック競技会に対する西欧の批判に対する彼らの態度に関して、自己理解の過程にある。共産党の宣伝とCNNの論評との間で多くの人たちは新しい方向付けを探している。このことも、インターネットでのボイコットの呼びかけが人気がある理由を説明している。
{訳者の感想}ゲオルク・ブルーメという人の解説です。
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「若い僧侶、北京政府の計画を台無しにする。」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年04月14日 | 中国の政治・経済・社会
2010年資本主義大爆裂!―緊急!近未来10の予測
ラビ・バトラ
あ・うん

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 繰り返し大きな叫び声を出して、一ダースあまりのワインカラー色の衣を着た僧侶たちは広場めがけて全力疾走した。二人は、人間ぐらいの大きさの青地に赤い太陽と二頭の雪ライオンを描いたチベット国旗を掲げていた。僧侶たちは、その旗を頭上で振り回した。どうしていいか分からないで、出し抜かれた治安警官たちは、ラブラン僧院の前庭に立ち尽くしていた。彼らは彼らが監視していた北京駐在の11人の外国通信員と同様、外の物音を聞いて、僧院から飛び出してきた。鋭い叫びが「経堂」のほうへつながった。そこでは、数百人の僧侶がお経を唱えていた。薄暗がりのなかでの祈りは、ジャヤーナリストたちに、チベット暴動以来、訪問者を締め出した寺院の正常な状態を見せつけるために、演出されたショウだった。外の若い僧侶たちは、まったく別の現実を白日の下に曝した。
 チベット・ラマ教の最大の聖地の一つであり、ダライ・ラマの出た寺院であるラブラン僧院の訪問は、北京政権が計画したのとは別の仕方で提示された。僧侶たちの第二のグループは、住居の別の角から寺院に向かって走っていった。彼らはチベット語で書かれた横断幕を掲げていた。男たちは私の腕をつかみ、私に話し掛けた。一人は中国語ができた。「われわれは自由になりたいのだ」と彼は言った。「われわれはわれわれのチベット文化と伝統、われわれの人権を守りたい。」他のグループにとっては、ダライ・ラマが大事だった。「彼に帰ってきてほしい。中国は彼と対話をしてほしい。」
二人の僧侶は、自分たちの腕を指差し、手で手錠を示唆した。「彼らはデモの後で、われわれの僧院から7人を逮捕した。」多くの僧侶は話しながら泣いていた。一人は顔を隠した。
 勇敢な僧侶たちは、小さなグループに分かれていた。彼らの数は、2ダースから3ダースに増えた。あちこちに、北京から記者団に随行した人たちが無反応に立っていた。
先週水曜日の行動は、明らかによく考え抜かれたものだった。3月24日の最初のジャーナリストたちのラサのジョカン寺訪問の際よりもよかった。ラブラン僧院は、甘粛省の南部にあり、省都の蘭州から約280キロ離れている。しかし、僧侶たちはわれわれが来ることを知っていただけではない。彼らは、機会を待っていた。それが来たのは、中国人の随行者がわれわれを「経堂」に導いたときだった。その際、治安警官たちが既に寺院の奥にいることを計算していた。(後略)
[訳者の感想]チベット人の抵抗運動はなかなか巧みなようです。
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「中国は、オリンッピク競技会をコントロールできない」と題する『シュピーゲル』誌の論説。

2008年04月12日 | 中国の政治・経済・社会
サブプライム後に何が起きているのか [宝島社新書] (宝島社新書 270)
春山昇華
宝島社

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 彼女の母ゼン・ジンヤンの腕に抱かれた生後4ヶ月のチアンシのイメージを、念頭から追い払うのは難しい。この少女は大声で泣き叫んでいた。彼女のくしゃくしゃの顔は恐怖そのものだった。もちろん、彼女は、なぜ、カメラのチームが彼女に覆い被さっているのか、フラッシュでまぶしくしているのか、その理由をしらない。彼女が耳にしているのは、政府をののしる母親の声であり、彼女が目にするのは母親が涙をぬぐう様子である。 母親は、彼女を自分たちが住んでいる地区へと連れ帰る。それは、北京の郊外にあるトンズー地区であって、「ボーボー・自由市」と呼ばれている。
 その名前は皮肉のかたまりである。チアンシは少なくとも彼女の幼年期を34才の父親フー・ジアなしでこの「自由市」で過ごすだろう。北京の地方裁判所は、国家権力の転覆を企てたという理由で、反体制派のフーに3年半の禁固刑を宣告した。実際は、彼はインターネットで中国政府に批判的な記事を公表しただけである。
 実際、裁判官がこのコンピューター専門家に有罪の判決を下した理由は、彼が第21回オリンピック競技会に来るお客さんに一種の歓迎のメッセージを公表したからである。中国政府の目から見ると、フーが書いたことは、統治システムを危険に曝すのだ。フーは、昨年9月に、訪問者のための公開状の中で、次のように書いた。「北京へおいで下さい。でも、この巨大なお祝い、花の海、ホステスの微笑、花火の歓迎など共産党によって指令されたモットーの下での「調和の喚起」には、ひどく暗い側面があることを忘れないでください」と書いたのだ。「中国には、選挙はなく、宗教上の自由もなく、独立の裁判所もなく、独立の労働組合もない。中国では、効果的な秘密警察が拷問と弾圧を行い、政府でさえも人権を侵害し、国際的義務を守る準備もない」と書いた。
 もちろん、これらの言葉は、北京でのオリンピック競技会の狂騒の結果としてアパートを失った請願者やエイズの患者のためのキャンペーンを何年も行ってきた人の言葉だ。彼の見解が真実だということは、彼が現在、直接自分の身に経験していることである。これらは、中国にとって、オリンピック競技会にとって、又残りの世界にとって暗い日々である。(以下省略)
[訳者の感想]これは、シュピーゲル誌の6人の極東特派員を総動員して書かれた非常に長い論説の冒頭です。
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「新彊ウイグル自治区での静かな死」と題する『ガーディアン』紙の記事。

2008年04月06日 | 中国の政治・経済・社会
中国動漫新人類 日本のアニメと漫画が中国を動かす (NB Online book)
遠藤 誉
日経BP社

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ダライ・ラマは、いろいろに呼ばれた。ルパート・マードックは、一度、彼を「グッチの靴を履いて歩き回っている非常に政治的な坊主」と呼んだ。他方、CNNのアナウンサーのラリー・キングは、間違ってこのチベット人の政治的精神的指導者を有名なイスラム主義活動家だと述べた。しかしながら、先週まで、彼をテロリストと呼んだ人は誰もいなかった。
彼に非難を向けたのは、中国政府だった。中国政府によると、チベットにおける最近の暴動は、新彊ウイグル自治区から来た戦闘的なウイグル人と共謀したダライ・ラマによって指揮された。ウイグル人は、オリンピック競技会に対するテロ攻撃を計画していたというのだ。中国は最近二週間の間に二度、新彊ウイグル自治区出身の分離主義者を非難した。しかし、『ガーディアン』紙に載ったパラグ・カンナを別として、この話は、英国の新聞雑誌にこれ以上の報道を引き起こすのに失敗した。
 全く利己的な理由で、私はこのことに失望した。たまたま、私の新しい小説『タイフーン』は、アメリカの援助を受けて、北京のオリンピック競技会を吹き飛ばそうとするウイグル人過激派を扱っている。この種の陰謀が実際に進行中だという中国政府の示唆は、多くの小説家が夢見るたぐいの宣伝である。だが、ここには、もっと重大な点がある。仏教徒のチベットにとりつかれた英国のメディアは、新彊ウイグル自治区、特にトルコ系ムスリムに対する西欧の態度については多くのことを語っている。
 人々が新彊ウイグル自治区について無知である訳は、そこには、世界の注意を引き起こすのに十分な人物、つまりダライ・ラマや、リチャード・ギアがいないからである。もしこういう人物がいたら、われわれはウイグル人に対する野蛮な扱いについてもっと多くのことを知るだろうが。
 新彊自治区の分離主義的運動に対する中国政府の扱いは非常に偏執狂的なので、それは、非常に汚い口実で、無辜の市民を投獄している。
 ウイグル人たちは、彼らの独立の理由に対して同情的な新聞を読んだという理由で、投獄されてきた。ほかの人たちは、米国議会の基金による「自由アジア」というラジオを聞いたという理由で、拘留されてきた。公共の場で分離主義的な議論をするだけで、長期間、投獄される危険を冒すことなる。最近、シルク・ロードの町ホータンで、数百名がデモをしたために、百名のウイグル人たちが逮捕された。(以下省略)
[訳者の感想]ウイグル人の独立運動については、ヨーロッパでも、あまり報道がないようです。記事の筆者、チャールズ・カミングは、新彊ウイグル自治区の情勢に詳しい小説家のようです。
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「穏和にとらわれて」と題する『ツァイト』紙の論説。

2008年03月31日 | 中国の政治・経済・社会
eMachines デスクトップパソコン Model J4501 J4501

eMachines

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彼は笑ってるが、いつもよりぎこちない。最近、彼はうつむき加減に急いで歩く。平和についてはよく知っているが、暴動や戦争には対しては、ダライ・ラマは準備ができていない。そしてその間、彼の僧侶たちは、暴力に訴えている。
歴史上の仏陀は、世間を克服することを教えた。彼の支持者たちはダライ・ラマを活仏として崇拝しているが、彼に対して、彼が少なくともチベット人の世界を救うことが期待されている。だが、ダライ・ラマの自己理解は違う。彼は一度も自分を政治家だと考えたことはなかった。だから、彼は武力と言葉の対立においては、奇妙に自分の世界から抜け落ちているように見える。彼は、ネルソン・マンデラでもマハトマ・ガンジーでもない。彼らは、道徳的な厳格さにもかかわらず、抗議運動や市民権運動の指導者であった。それに対して、同感の教師であるダライ・ラマにおいては、神経が脱落している。「私からは暴力は出てこない」と彼は最近しわがれた声で傷つけられてジャーナリストの突きつけるマイクロフォンに向かって叫んだ。「私を疑っている中国人は、どうかここへ来て、全部調べてほしい。私の事務室や私の舌や私の小便まで。」
 だが、彼らは調査する気はない。そもそも彼と話をする気がない。長いこと氷河時代が続いている。暴力の行き過ぎによって、ダライ・ラマは、彼の非暴力の告知に失敗したのではないか?中国人のところだけでなく、自分の国民のところでも。国民の多くは、高貴な受動性にうんざりしているのだ。
 彼は「解放のためのラサへの行進」に反対だ。
「知恵の大海」が成就せねばならないのは、企てといつも新たな役割との間の綱渡りである。「世界の知恵」、「チベットの維持者」、「平和の使徒」、「チベット人のアイデンティティの救い手」である彼が、もし、チベット側の暴力を厳しく批判するならば、彼は自分の問題を裏切る瀬戸際に押しつけられる。
 最初は、農民の子として、ダライ・ラマという古めかしいが崇高な役割を押しつけられた。20才の時、不安な政治的な時代に、彼はチベットの代表者として、チベットを併合しようと思っていた毛沢東と交渉しなければならなかった。23才で彼は、インドへの亡命者となった。後には、彼は西欧では、内面性のポップスターの役割を担った。彼はそれをためらいがちに受け入れ、1980年代に初めて、ヨーロッパに旅した。「中国人に反対してはならない。正義のために、チベットに味方するだけで十分だ。」時間は彼の国民を正しいとするだろう。だが、時は過ぎ、すでに50年経った。(省略)
[訳者の感想]筆者は、アンドレアス・ヒルマーという人です。
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「中国、メディアによる反対攻勢」と題する『ツァイト』紙の記事。

2008年03月23日 | 中国の政治・経済・社会
ハリー・ポッターと炎のゴブレット 特別版

ワーナー・ホーム・ビデオ

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 逮捕の嵐と軍隊の前進でもって、中国は、チベットにおける抗議行動を抑制しようとしている。チベット自治区の首都ラサでの暴動から一週間経って、宣伝キャンペーンが最高潮に達している。国営のメディアは、土曜日に、チベットにおける独立運動に対する断固たる戦いを呼びかけた。
 チベット政府の新たなまとめによると、先週金曜日のラサでの暴動で、19人が死亡し、600人が負傷した。亡命チベット人は、ラサや他の地域で、100名以上が死亡したと言明した。中国の国営メディアは、一握りの「悪漢」に責任があると述べた。扇動者たちは、単純で何も知らない市民たちをそそのかせ、抗議デモに参加するように強制したり金を払ったりしたと述べた。
 中国共産党の機関紙『人民日報』は、チベットにおける陰謀と独立勢力のサボタージュを打倒するように呼びかけた。同紙は、ダライ・ラマ14世と亡命チベット人たちが暴動を組織し、オリンピック競技会をだめにし、チベットを祖国から分離させようと策謀したと非難した。
 チベット仏教の最高指導者であるダライ・ラマ14世は、非難に反論した。「抗議は計画されたものではない。誰も彼らをコントロールできない」とダラムサラにある亡命政府の報道官は述べた。「抗議が暴動になったことを遺憾だと考える。ダライ・ラマ猊下は、常に暴力に反対だった」とアメリカのラジオ放送局「自由アジア」は、引用した。
 欧州議会議長であるハンス・ゲルト・ペッタリングは、オリンピック競技会をボイコットするぞと中国に警告した。「中国政府は、決断せねばならない。それは、ダライ・ラマと直ちに交渉すべきだ。了解のシグナルが出されない場合には、私はボイコット措置をとることは正当である考えている」とペッタリングは、『ビルト・ツァイトウング日曜版』に対して述べた。「われわれは競技が成功裏に行われることを望んでいるが、ダライ・ラマ14世の言うようなチベットにおける文化的な民族虐殺という犠牲を払うことはできない。」
 欧州議会は、水曜日にチベット問題について審議する予定である。(以下省略)
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「中国はチベットで本当の顔を見せている」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事。

2008年03月17日 | 中国の政治・経済・社会
Melitta コーヒーメーカー JCM-551/K(ブラック)

Melitta (メリタ)

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 チベットにおける中国の最高位の代表である地方共産党書記長であるジャン・チンリにとって、北京の全人代は、すぐに終わった。他の代議員と快く茶を飲んだり投票したりしないで、この書記長は金曜日に人民大会堂を大急ぎに立ち去って、飛行機でラサに戻った。
 そこでは、旧市街が多くの箇所で炎上し、憤激したチベット人の群衆が中国人が経営する商店の前を次々に通り過ぎ、ガラスに投石した。暴動を起こした者と治安警察との間のエスカレーションは、この日の終わりに中国側の発表では死者10人に達し、チベット亡命政府の推定では何倍にも増えた。
 しかし、目下、重要な中国人政治家と北京政府に奉仕しているチベット人指導者たちは、数千キロ離れた北京で、人民大会堂に座っている。ラサ市長のドジェ・チェズクから70才になるチベット人政治家ライディに至るまで。ラサは、中国人の目から見ると、金曜日には、羽目を外しているだけでなく、頭も指導者もいなかった。
 既に土曜日に、事態は変わった。チベット自治区の共産党機関紙「シザン日報」が感心して書いているように、北京から世界の屋根へと飛んだ党書記長は、反対攻勢に移った。 ジャン書記長は、土曜日の早朝、半軍隊的部隊と治安警察とを視察した。ジャンは、彼らに敵対的勢力に対する断固たる戦闘を要求した。「われわれが状況を最終的に平定するために、諸君は手ぬるさを見せてはならない」と強硬路線で知られた56才の共産党指導者は訓示した。
 たった2年前に、彼は不安定な新彊ウイグル自治区からチベットへ配置転換された。敵対勢力に対する金曜日の武装警察の投入を、彼は「治安当局にとっての炎の洗礼」と呼んだ。新華社通信の公式の報道では、金曜日に警官12人が負傷した。チベット人の犠牲者については、新華社は何も報道しなかった。(中略)
 中国仏教会のチベット人代表であるダザ・ダンゼンゲリエは、寺院の改修と文化財の保存に多額の金額を出してくれたことに対して中国政府に感謝した。抗議を行った僧侶の小さなグループは忘恩的であり、彼らはお経を間違った学び方をしたのだと述べた。
 しかし、中国はオリンピック大会のために、思い通りの行動ができないでいる。ラサの出来事は、全人代会議と選挙とから世界の注意をそらせてしまった。それは、8月に開催予定のオリンピック大会に暗い影を落としている。(以下略)
[訳者のコメント]筆者は『ヴェルト』紙に中国についての記事をしばしば書いているジョニー・アーリング記者です。
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「ラサの暴動で死者、ダライ・ラマの憂慮」と題する『シュピーゲル・オンライン』の記事。

2008年03月15日 | 中国の政治・経済・社会
オレたちひょうきん族 THE DVD (1981-1982)

ポニーキャニオン

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北京発:目撃者の報告によると、昂奮したチベット人たちは、警官と消防とを攻撃している。車がひっくり返され、火が付けられた。国営のメディアによると、首都ラサのジョカン寺周辺ではいくつもの商店が炎上した。国営の新華社通信は、負傷者が数人出たと伝えているが、ある病院に勤務している人によると、10数名が負傷した。AFP通信によると、市営の救急隊の報道官によると、数名の死者が出た。ベルリン在住の「チベットのための国際キャンペーン」(ICT)のドイツ部局は、死者についての報道をまだ確認していない。
チベットの精神上の元首であるダライ・ラマは、亡命先からの最初の反応として、自分の故郷の情勢について「非常に憂慮している」と語った。彼はこれ以上の暴力を行使しないように、中国に呼びかけ、チベット人民との対話の中で、彼らの不満に対処するように要求した。チベット人の抗議は、中国の占領に対するチベット人の根深い拒否の表現であると彼は述べた。同時にダライ・ラマは、彼の国民に対して、デモの際に暴力を断念するように訴えた。
両方の対決の際、銃弾が発射されたとのことである。そのことを、北京駐在のアメリカ大使館が、ラサに滞在して、発砲を聞いた米国市民の証言を引き合いに出して伝えた。他の観光客は、少し前に、電話で、治安部隊の大量動員について語った。旅行者の述べるところでは、ラサ空港は、軍の管理下に置かれている。チベットから出国するための航空券は買うことができない。もっとも、航空機の全座席が予約されているわけではないのであるが。
 中国にとって、この抗議運動は具合の悪い時期に行われた。オリンピック競技会が開かれる年には、共産党政権は、進歩的で世界に開かれている国であることを印象づけたかった。人権問題やチベットにおける紛争に対する批判は、できるだけ、押さえ込みたかった。暴動は、この戦略に挑戦した。
「チベットのためのキャンペーン」(ICT)のドイツ部局の見解では、差し迫ったオリンピック競技会は、抗議行動の一つの動因にすぎないと述べた。抗議行動は、3月10日の開始以来、独自のダイナミックスを獲得した。「チベット人が一般的に不満であるわけは、彼らが自分たちの国の中で経済的社会的に差別されているからである」とICTの政治代表であるチョンペル・バロクは、『シュピーゲル・オンライン』に語った。オリンピックの年は、中国の指導部にとって、現実的なサインをし、デモに関してダライ・ラマとの対話を求める良い機会であるとバロクは述べた。
 中国のチベット支配に反対する抗議は、今週の初めに始まった。デモ隊は逮捕され、仏教の僧侶たちは、ハンガー・ストライキに入った。米国のラジオ局「自由アジア」によると、二人のチベット人が血管を切って自殺しようとした。彼らは危険な状態にある。いくつかの僧院は、兵士によって閉鎖された。
 抗議のきっかけは、中国のラサ占領に対するチベット人の蜂起の49周年であった。(以下省略)
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「中国、五年間に軍事費倍増」と題する『ヴェルト・オン・ライン』の記事。

2008年03月09日 | 中国の政治・経済・社会
龍が如く2 PlayStation 2 the Best(「龍が如く 見参!」予告編DVD同梱)

セガ

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中国政府は、今年度の軍事予算を去年よりも17.6%増やした。これは経済成長率のテンポを遙かに超えている。このことを全人代のスポークスマンであるジャン・エンズーは、今年度の国家予算案が議事にかけられる北京の全国人民代表者会議の一日前に告知した。総員230万人を抱える人民軍は、2008年度には、4177億元をもらう予定である。ジャン自身が、この金額は572億ドルであると述べた。去年、北京政府は、軍事費を17.8%増やして、総額450億ドルを支出した。2003年以来、中国の軍事費は、毎年、平均15.8%づつ増加している。中国軍は、公式に発表された予算を五年間で約二倍に増やした。
東北アジア地域の安定を憂慮している米国とアジアの隣国からの予想される抗議に対して、スポークスマンは、次の点を強調した。中国は「予防的な防衛政策」を追求しており、その「限られた軍事力」は、「独立と主権と領土の統合」を防衛するのに役立っていると。また、中国の軍事力は、他の諸国に対するどんな危険も意味していないと。ジャンは、増大の理由が給与の増大、一般的な費用の増大、訓練費、演習費、装備の近代化のための費用にあると述べた。
 彼はまた初めて、1979年から1989年までに軍が蒙った財政上の犠牲を政府が補償しようとしたと述べた。あの当時は、経済建設が優先され、軍の予算は毎年、前年の5.83%増に抑えられた。その上、現在の増加額は、他の国の軍事支出に比べれば、「適度」であり、特に国家の歳入に占める割合から見て、適度であると述べた。
 ワシントンの議会に提出された「中国の軍事力」についての国防省の報告では、戦略的力、外国からの武器の購入費、研究開発、準軍事的戦闘力のための支出は、隠されている。米国国防省は、去年の中国の実際の軍事費を970億ドルから1390億ドルだと推定している。これは公式に発表された予算の二倍から三倍に達する。中国が国防費の総額や、軍備増強や、衛星武器の開発や、海軍の増強や近代化の意図について国際社会に情報を公開していないとワシントンは批判している。(以下省略)
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「君たちは自由に考えてよい」と題する"Economist"の記事。

2008年03月07日 | 中国の政治・経済・社会
特選!!米朝落語全集 第十集

EMIミュージック・ジャパン

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 リスクを嫌う中国の役人にとって、政治的変革について聞くことは妙なことに思われるかも知れない。だが、3月5日に開かれた全人代の開会の冒頭に、温家宝首相は、国営のメディアが最近流した「われわれの思考を解放しよう」という呼びかけを繰り返した。
それどころか、彼はインフレとアメリカのサブプライム問題がもたらす困難な一年について警告した。
 中国人民代表者会議の年次総会は、非常に微妙な時期に開かれた。それは政府の新たな五カ年計画の発足を意味している。温家宝首相は、2013年まで首相に選ばれた。中国は8月にはオリンピック大会を開催し、12月には「改革と開放」路線の30年を記念しなければならない。
 1978年に故ト小平は、中国の偉大な改革計画を打ち出し、役人に「毛沢東のドグマから精神を解放せよ」と呼びかけた。最近数ヶ月間に、何人かの中国共産党の党員とリベラルな学者たちは、「改革・開放」路線の30周年を利用して、精神解放の新ラウンドの推進を呼びかけた。経済改革は、巨大な前進を成し遂げたと彼らは言う。今度は政治を改革する番である。
 2時間半に及ぶ演説で、温家宝首相は、人民大会堂の約3千人の代議員たちに向かって、「中国は時代遅れとなった観念の足かせを打破しなければならない」と述べた。中国でいつもそうであるように、言葉は曖昧である。「思考の解放」で何を意味しているかを彼は説明しなかった。彼は何らかの大胆な主導権を取ろうとはしなかった。けれども、意図は明確であり、これらの曖昧な説教は、これからの数ヶ月、議論に油を注ぐだろう。オリンピック大会の開催を前にして、中国の指導層は、(一党原則に触れないで、)安定を維持することに懸命である。だが、彼らは党にもう少し説明責任を持たせようと考えている。このことは、急速な経済的変革によって引き起こされた社会的緊張を減らすかも知れないと彼らは期待している。温家宝の当面の問題は、インフレである。物価上昇率は、1月には、この11年間で最高の7.1%に達した。彼は来年度は物価上昇率を4.8%に押さえたいと思っている。「上昇圧力は、大きいだろう。インフレを抑えることは、困難だろう」と温家宝は述べた。スタンダード・チャータード銀行のスティーブン・グリーンは、「温家宝の目標は、危険なほど到達しがたく見える」という見解を述べた。(後略)
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「決してレストランへ行くな」と題する『シュピーゲル』誌の記事。

2007年12月16日 | 中国の政治・経済・社会
ベートーヴェン:交響曲第9番
バーンスタイン(レナード),ジョーンズ(ギネス),シュヴァルツ(ハンナ),コロ(ルネ),モル(クルト),ウィーン国立歌劇場合唱団,ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団,バラッチュ(ノルベルト),ベートーヴェン
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ハイデルベルク発:このテーマは、前景では食料品にのみ関わるが、政治的な導火線を含んでいる。中国人のジャーナリストで政権批判者であるチュウ・チン氏は、調査を行い、食料品店経営者、レストランのオーナーと話し合い、漁師・農民・食品工場のマネージャーにインタービューを行った。「麻薬密売人を追跡するよりもっと危険だった」と彼は言う。
彼のルポルタージュのために、彼は「アヴェンティス財団」と「ドイツ文化センター」が支援し、総額10万ドル(1,100万円)に及ぶ「レットル・ユリシーズ賞金」を受賞した。
ハイデルベルクにある「独米研究所」所長のヤーコプ・ケルホーファーは、この作家に最高の賛辞を送った。「さもなければ、操作された情報しか得られないのに、このような声を聞くのは大切です。」
このジャーナリストが発見したことは、場合によっては、革命を引き起すのに適している。とういうのも、中国の食品産業における現状の詳細な記述は本当の深淵を暴露しているからだ。彼の本のなかで、著者は、どんなことも恐れない情け容赦のないマフィアの像を描いている。問題は、急速な魚の成長のための予防薬や、キュウリを長持ちさせるための毒性の強いDDT、餌の中に混ぜられたホルモン、有毒な食塩、食肉に含まれる莫大な量の抗生物質である。
すべては、かき混ぜられているが、生産費を下げるのに役立つということが決定的だとチュウ氏言う。これと比べるとドイツのインチキ食肉製造工場などは、バイオ生産組合のように見える。
「こともあろうに、何千年も前から、食事が生活文化の中心的な構成要素であった中国で、コントロールされない儲け欲が、想像を絶する規模の食品危機を引き起こしたのだ」とチュウは、彼の受賞記念講演で述べた。「私が皆さんに忠告できるのは、決してレストランへ行ってはいけませんということだけです。このような偽装工作で捕まる危険は考える限り少ないのです。中国の官僚体制では、一切は故意に隠されてしまうのです。」
彼の描写は誇張されいるように聞こえるかも知れない。だが、そうではない。国家によって統制されている中国の新聞でさえ、自国の食品スキャンダルをやり玉に挙げている。12月初めには、上海市当局は、「上海メイリン食品公司」の製品を輸出禁止にしたが、その理由は、豚肉缶詰の中に発ガン性物質が発見されたからである。(以下省略)
[訳者の感想]日本でも賞味期限の改ざんが問題になっていますが、中国の場合は、本当に人命に関わる危険な物質を平気で添加しているようです。
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「中国は、スーダンの大量虐殺を援助している」とミア・ファーロウが非難。

2007年12月01日 | 中国の政治・経済・社会
アメリカの女優でユニセフ親善大使のミア・ファーロウは、2004年以来、スーダンのダルフール地方で起こっている民族虐殺に対して戦っている。国連の述べるところでは、そこでは、紛争の始まりから、少なくとも20万人が殺され、200万人が住んでいた村から追い出された。来年に迫った北京オリンピックにちなんだ松明リレーで、ファーロウと「ダルフールの夢」と銘打った組織とは、スーダンの重要な経済パートナーである中国に対して、この地域の平和のために力を貸すように中国を動かそうとしている。チャド、ルアンダ、アルメニアに続いて、松明リレーは、ベルリンに到着した。
「ヴェルト」:ダルフールの民族虐殺に対する松明リレーというのは、ちょっと十分じゃないのでは、ありませんか?
ファーロウ:北京政府は来年、オリンピック競技大会を開こうとしてます。世界中の注目が中国に向けられています。これは、虐殺・強姦・追放に対して、他の人々や政治家たちに注意を促し、中国に圧力を加えるダルフールにとって最後のチャンスです。
「ヴェルト」:中国はスーダンの石油で自分たちのエネルギ不足を補おうとしています。
スーダン政府は、中国がもたらす外貨に感謝しています。こんなにうまくいっている共生関係をどうしたら壊せるのですか?
ファーロウ:まさにそれが中国が動かさなければならないテコなのです。自分の経済的利益に反したとしても。中国はスーダンから毎年、20億ドル(2,160億円)の原油を購入しています。スーダン政府は、その金額の70%を、ダルフールでジャンジャウイードの民兵が人間を殺し、追い立てるのための費用に使っているのです。武器・ヘリコプター・兵隊の食糧、トラックが必要です。これらを民兵は、政府から受け取り、中国が財政援助をしているのです。
「ヴェルト」:ですが、石油代金は、病院や学校のような人道的なプロジェクトにも使われていますよ。
ファーロウ:私が壊れた車を修理工場に持って行く場合、私は普通、修理工にどこが壊れているかは言いますが、どこが壊れていないかは、言いません。中国がしているのはその反対です。都合の悪いことは隠しているのです。事実は、中国の援助で、武器工場が建てられということです。また、中国は、攻撃力のある軍隊の投入を可能にする有効な国連決議を妨げました。
「ヴェルト」:あなたは1769号の決議をいっているのですね。中国はそれに署名しましたよ。
ファーロウ:でも、それは決議から一番鋭い歯が抜き取られた後です。国連軍兵士は、もはや、決議が以前予想していたのとは違って、非合法の兵器を捜索し、押収してはいけないのです。それゆえ、中国は、二つのレベルで、民族虐殺を支持しています。第一に石油の資金で、第二に、安保理での中国の圧力によってです。だから、中国は虐殺の共犯者なのです。
「ヴェルト」:国際社会の圧力が働かないことをどう説明しますか?
ファーロウ:アメリカとドイツの両政府は、もっと大きな事件に巻き込まれています。そのなかには、ダルフールの人間は現れません。2004年に、スーダンの紛争は、米国・国連・欧州連合・北大西洋条約機構(NATO)が互いに責任のなすりあいをする熱いジャガイモ以上のものではありませんでした。アメリカ人は、私に尋ねます。「ダル何とかはどこにあるんだ。」結局、問題は「アフリカ連合」に押しつけられ、「アフリカ問題のアフリカによる解決」という呪文が正当化されました。初めは、700名の兵士がスーダンに派遣されました。今は5千人います。フランスと同じ面積の場所にですよ。無線機も、トラックも、ヘリも、ガソリンもなしに。国際社会は、決定を下さねばなりません。それが民族虐殺に対して根本的な対策を立てるか、それとも、だめだとあきらめるかです。失敗の端緒は、手ぬるい決議です。
「ヴェルト」:あなたは、ドイツ政府に対して何を期待していますか?
ファーロウ:ドイツは、新たな国連軍投入に対しても何の貢献もしませんでした。私たちは支持してもらえると期待し、メルケル連邦首相が、中国に働きかけるために、テコを動かしてくれること期待しています。
「ヴェルト」:あなたはすでに7度も、ダルフールを訪れました。避難テントはどんな状況ですか?
ファーロウ:苦しみは測り知れません。水も、授業も、食事も、燃料もないのです。子供たちは、ヘリコプターから血が垂れ、妊婦が強姦されている絵を描きます。私の子供たちは、虹やさんさんと降り注ぐ太陽の光を描いているのにね。テントにある唯一のラジオのニュースで「国連」が口にされると、同時に「国連!国連!国連!」という合唱が始まるわ。テント生活者の希望はとても大きいから、それを失望させてはならないの。
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「中国は強大であろうとしているが、傷つきやすい」と題する『ヴェルト・オンライン』の記事

2007年11月29日 | 中国の政治・経済・社会
自己ベスト-2
小田和正
BMG JAPAN Inc.(BMG)(M)

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シンガポールのリー・クアンユー元首相は、北京で、シンガポールの新聞の通信員を呼び集めた。11月半ばの胡錦涛主席との会談後、彼は中国の元首が途中で与えた告知を非常に警告的であるとみなして、それを素早く公にしようとした。
それは、中国からの独立を画策している中華民国に対する警告だった、とシンガポールの新聞は、後で報道した。北京の指導者たちは、何人かの台湾政府要人が引き出した間違った結論について憂慮しているということだった。
実際、台湾の要人は、台湾が3月22日の選挙で、国連加盟についての国民投票を国民に呼びかけた場合、中国が手をつかねて見ているだろうと思っている。台湾の政治家たちは、それが2008年の北京オリンピックを危険にさらしたくないから、北京政府がそれに対して何もしないだろうと恐らく思っているとリー・クワンユーは、胡錦涛主席との話し合いを漏らした。
「だが、この思いこみは致命的な間違いだ」と、中国指導者の心理を誰よりも良く知っているリーは心配している。彼は自分が胡錦涛主席から聞いた思い切った言い回しを中国語で繰り返した。「皿が並んでいても、ネズミめがけて投げる。」ドイツ語で言うと、「子供をたらいごと流す。」元シンガポール首相にとって、明らかなことは、北京は、虚勢を張っているのではない。中国の指導者たちは、高度の国民的関心である台湾問題で、危険を恐れない。オリンピック競技会のボイコットも恐れない。
台湾は、良く耳を傾けるべきだとリーは、警告したが、彼の警告は米国にも向けられていた。この台湾の馬鹿げた歩みを米国の影響力で止めない場合は、想像できない帰結が生じるかもしれないと言うのである。
台湾を国民投票前に押しとどめ、最後の対決を避けるために、中国は同盟国を探している。国民投票は、国連加盟を通じて台湾の独立を国際的に承認させる陳水篇大統領の試みであるというのだ。これに対して力で反応するぞという中国の警告は、ヨーロッパにも向けられている。今日、北京で始まる第10回「EU中国サミット」の一週間前に、高位の外務官僚が北京の外国通信員と会見した。
彼らはアンゲラ・メルケル首相のダライラマ接見に対する批判や、EUとの経済問題では、新しいことは何も言わなかった。新しいことは、EUサミットが台湾の国民投票に反対する明確な告白を言うことを望んでいるという点だった。
民主的な基本的人権の行使に触れる国民投票問題では、ヨーロッパは意見が分かれている。「欧州連合」大統領のホセ・マヌエル・バロソは、火曜日、この問題を避けた。彼は、ヨーロッパは、明確な中国政策を追求し、対話を促進する中国と台湾との間のあらゆるイニシャチブを歓迎すると述べた。
しかし、国民投票については、彼は中国指導部との今日の会談の後で、態度を決定できると述べた。ブリュッセルで中国の特派員から国民投票についての意見を尋ねられた外務大臣のソラナは、「心配している」と述べた。
例外はサルコジ・フランス大統領である。彼は、最初の中国訪問で、台湾問題の現状維持と独立や国民投票を拒否した最初のヨーロッパの政治家である。しかし、同時に、サルコジは、「すべての一方的な行動は正当化されない」と付け加えた。中国でオリンピック競技会が開かれる2008年後半に欧州連合大統領を務めるフランス大統領に、北京政府は、希望をかけている。
中国の新聞どれも、サルコジの国民投票反対の記事を第一面に掲げた。『中国日報』は、彼がはっきり「一つの中国」原則を告白したという理由で、彼を賞賛した。火曜日に彼は黄金の握手で中国を立ち去った。サルコジは、200億ドルの経済協定を手に帰国した。
[訳者の感想]記事を書いたのは、ヴェルト紙にしばしば優れた記事を書いている中国特派員のジョニー・アーリングです。
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「三峡ダム付近で、地崩れ」と題する『BBCニュース』の記事。

2007年11月24日 | 中国の政治・経済・社会
 事故は、巴東県で起きた。660キロある三峡ダムに隣接する山並みで、鉄道のトンネル工事が行われていた。
 新華社通信によると、事故の原因は不明であるが、ダムが周囲の環境を脅かしているという警告が増えている最中に起きた。
 専門家たちは、ダム周辺での地滑りの危険が増大していると警告してきた。三峡ダムは、世界最大の発電用ダムである。それは、中国の最大の川である長江をせき止めており、2008年末には、完成の予定である。
 地滑りは、火曜日の朝に起こった。土砂と岩石が四人を飲み込み、道路を封鎖した。一人は、後に救出された。新華社によると、この地域は数日来大雨に見舞われていた。
住民が「ロイター通信」に語ったところによると、この地域は、貯水池の水位が上昇するにつれて、地震や地滑りが増えている。
 先月、国営メディアは、少なくとも4百万人がこの地域から移動する必要があると伝えた。険しい山の斜面の土砂崩壊によっておこる地滑りの危険が増大しており、飲み水の汚染が進んでいる。
 火曜日、三峡ダム計画委員会は、この地域を保護するための新しい措置を公表した。
この措置には、水道供給の保護と、町や企業が貯水池に汚染物質を投棄するのを防ぐことが含まれている。しかし、声明のなかで、委員会は、ダムよって発生した環境問題を解決するには「長い道のり」が必要だと述べた。
[訳者の感想]兵庫県の猪名川ダムでさえ局地地震の原因になったぐらいですから、三峡ダムから生じる影響はまだ、いろいろありそうです。
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