杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

第1回茶道に学ぶ経営哲学研究会開催

2011-09-10 09:20:39 | 駿河茶禅の会

 9月7日(水)18時から、静岡県男女共同参画センター・あざれあ3階にある茶室「和敬庵」で、『茶道に学ぶ経営哲学研究会』を開催しました。私が広報業務を担当する(社)静岡県ニュービジネス協議会の会員有志による自主研究会として発足したものです。

 

 

 

 この会、そもそもは、ニュービジネス協議会の7月定例会で“ニュービジネスと温故知新~茶道から得るヒント”という講話をしてくださった望月静雄さん(裏千家茶道准教授)のお話が大変心に残り、そのまま希望者が集まって望月さんを囲む勉強会をやることに。

 私自身は、茶道はまったくの未経験者ですが、過去の取材(こちらこちら)を通してその精神を探求したいと思っていたところだったので、会の運営事務を引きうけ、知人・友人にも声をかけ、20人を超える人が参加の意向を寄せてくれました。7日の第1回目は16人が集まり、定員12人の茶室にぎゅう詰めになりながらも、望月Imgp4776さんのお話に耳を傾けました。

 

 

 定員オーバーだったため、実際にお茶を点てることはできませんでしたが、そのかわりに、茶室の構造、和室での立ち振舞いといった基礎知識や基本マナーを教えていただき、みなさん終始「目からうろこ」状態・・・。和室の宴席に招かれたとき、玄関で靴はどう脱ぐのか、ふすまをどう開けるのか、開けたらどんな姿勢で入るのか、挨拶のタイミングは? 名刺の出し方は?どこへ座ったらいいのか?等など、いいオトナが今更聞けない基本マナーも実演を交えて丁寧に教えてくださいました。

 

Imgp4780
 望月さんは日頃、裏千家インターナショナルアソシエーションの運営理事として、外国人に教えたり、海外で茶道指南をされているので、教え方がわかりやすく的確です。

 フツウの茶道教室の先生なら、作法の一つ一つにどんな意味や哲学があるかなんて、いちいち教えないし、生徒も聞かないみたいですが、外国人は素直で素朴に聞いてくるから、教えるほうも面倒がらず、ちゃんと教える。そんな雰囲気を醸し出してくださるので、いい年齢をした私たちでも気負わずに、初歩的な質問・疑問をぶつけることができるんですね。

 

 

 中でも心に残ったのは、千利休が残した「利休百首」という和歌の教え。仕事でも習い事でも何にでも通じる、学びの心の基本中の基本といった教えです。お茶をやっている方から見れば「何を今更」と思われるでしょうが、私はこれらの言葉が、過去に取材で出会った賢人や達人の方々が語っていた修業時代の姿勢にドンピシャリと重なったので、本当に心に染み入りました。500年も前から説かれていた基本じゃないかと・・・。

 

 

 

 

 

その道に 入らんと思う心こそ わが身ながらの師匠なりけり」

 

 

「習いつつ見てこそ習へ 習はずに よしあしいふは 愚かなりけり」

 

 

「心ざし深き人には いくたびも あはれみ深く 奥ぞをしふる」

 

 

 

 

「はぢをすて 人や物とひ習ふべし これや上手の基ゐなりけり」

 

 

 

 

 

 

これらの教えを一句ずつ身体で覚えながら、これから毎月2回、茶道の教養を深めていこうと思っています。次回は21日(水)の予定。興味のある方は私のアドレスまでご一報ください。msj@quartz.osn.ne.jp

 

 

 


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする