あんだーせぶん

まゆ子「……異常気象なんじゃないの? 太陽が増えてるとか」
ニア  「その発想が異常だと思うよ」

クール・ジャパン

2006-04-26 01:23:14 | Diary_7
現在、世界中が日本を注目している(とされている)。「クール・ジャパン」とか言って日本文化を持ち上げているわけだ。この運動では主にアニメやゲームと言った大衆文化にスポットを当てている。政府もこれを後押ししていて、ブランド化を推進している。この運動がどの程度マジな物なのかは知らないけれど、俺はそれなりに歓迎している。ただそのプロモーション方法には若干意見がある。「クール・ジャパン」って標語としておかしくないか?

クール・ジャパンってのは、要するに「日本のポップ・カルチャーはCoolな物だ」と言っているわけだ。まさに標語通りだし、日本通な外国人もそのようにとらえている。でもさ、ジャパニーズ・ポップを表す言葉としてCoolって正しいかね?少なくとも当の日本人が、そのようには感じていないと思うんだよね。俺はむしろ「かわいい」って表現の方がしっくりくると思うんだ。敢えて英訳すればCuteが一番近いと思うけど、ここはCoolって言葉がその意味ごと世界に定着したように、「かわいい」をそのまま使いたい。

Coolってさ、欧米の概念じゃん。日本語では表しにくいけど「かっこいい」とか「とんがっている」とかそういうイメージがある。どちらかと言えば反体制的な感じだし、「強さ」や「攻撃性」を連想する。父性のイメージと言うのだろうか…。

で、Coolの概念って日本のポップ・カルチャーではどちらかと言えば、忌避されている気がするんだ。そうではなくて、ファッションにせよ、アニメ・マンガ・ゲームにせよ、音楽にせよ、全てのベースには「かわいい」って概念があると思うわけだ。ガチガチに「かっこよさ(クールさ)」だけで固められた物って、日本ではむしろダサいとされるじゃん。どこか隙のある感じの方が好まれている。

そんな「かわいい」の本質は母性にあると思うんだ。「幼さ」や「まるっこさ」「守ってあげたい」という表現が近いのかなぁ。どちらかと言えば体制的で、Coolとは対極的な概念だと思う。そしてジャパニーズ・ポップは「かわいい」という言葉が一番端的に表している気がする。

「かわいい」という概念が欧米の言葉にはないので、「Cool Japan」って言ってるのだと思うけど、「Cool」と「かわいい」ではまるで意味が違う。誤解されるぜ。「Kawaii Japan」でないとおかしいよ。Coolって言葉が世界中で定着したように、Kawaiiってのも世界に挑戦しても良いのではと思うわけだ。

「クール・ジャパン」ではなく「かわいい・ジャパン」ってのが俺の意見。

日本のポップ・カルチャーを説明するときはCoolなんて言う外来語に頼らずに、「かわいい」を推進しようぜ。そうでなければ、ジャパニーズ・ポップは永遠に理解されないと思う。