★ Massy’s Opinion
・この時期になると何時も組合専従をしていた時の事を思いだす。今年は、矢張り不正統計問題の影響が大きいのだろう。今年のメーデーがどんな形に成るのか非常に興味がある。
・あの頃は、組合用語いろいろ使われていたが、時期的にも耳新しい短縮用語が使われていたので組合員にその意味を知らせることから始めた。僕流の解釈を使った場面も多かったと思う。よく使われた言葉に「ベア」がある。この言葉の理解をさせるには先ず賃金=月給の構成から話さなくてはなるまい。
一般的に給料は、次の様に構成されている。
・基本給 初任給が一番低く一年過ぎると毎年上がっていく55歳までこのラインは上がって行く。職場の中では「給料が安くて、結婚が出来ない...」と言う声が大きかった。其の為に確か23歳位をポイント賃金として、更に30歳を「子供が生まれると言うポイントにして先ず賃金のラインを確認した。当時、会社側は役付き役員が6名平取りが7人位だったが、賃金問題は専務の専権事項で、その他の役員は殆ど賃金問題には無関心だった。僕は専従一年目に1200人の組合員の賃金調査表を作り、「東京日産賃金の現状と問題点」と言うレジメを造り、団体交渉に望んだ。団体交渉は、まず3回位はやった。団体交渉が終わると、平取りの役員に「おい、増田君、うちのS君が給料が安いと何時も言って居るが、やっと解ったよ」と言ってくれた。当時、会社は割合にシッカリしていたので、此の基本給のラインは学歴別、男女別に出来て居た。処が、夜間大学を出た者は高卒扱いなのである。これの是正も次の年には「年齢別基本給ライン」決めて年齢給ラインは学歴差別、男女差別をなくして、一本にまとめてしまった。そして翌年は、このラインのベース・アップである。
・諸手当又は業績給 年功序列型賃金では、会社は経営が苦しくなってしまう。そこで、業績給を手当ての中に組み入れた、極く解りやすい「1台売れば幾ら...である」
その後、整備、保険までに対象を広げ、一般社員には車、整備、保険等、営業活動を支援する活動には手当てをつけた。。「労働組合の経営参加」である。
さて、こんな時代の組合運動はある意味では、やりがいがあった。今ではある賃金水準がある処まで来ているので、職場の中にも余り不満はないのが、春闘が盛り上がらない原因だろう。
・もう一つ賃金がある水準まで上がって来ているので、労働の移動ができやすく成って居る。更に、コミュニケーションツールが発達しすぎて居るので、労働者側の情報も解りやすくなっているのであろう。
・兎に角、最近の労働問題は、旧体制を破れず新しい方策があるわけでもなく不満がある労働者は自分で派遣会社の記事を見て、どんどん会社を変わって行ったしまう。これでは、春闘も盛り上がらない訳である。
・もう一つ年功序列型賃金はもう廃止した方が良い。どうしても、職位が上に成ると給料が上がると言う事に成ると「上司によく見られよう」と言う心理状態が働き、これが「忖度」の心理状態を作り出す。役員に成れば成るほどこの「忖度」状態は強くなる。これでは、本当に必要な論議は役員会では出来なくなる。将来の賃金体系を政、労、使で話し合うような事が行われれば春闘も盛り上がる様になるだろう。
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