★Massy’s Opinion
*中古車部長に成った時、本格的に輸出ルートを作り上げようと考えた。語学が出来る人間を配置する必要があり、立教出の次長と慶応出の課長の二人と事務手伝いの女性社員を配置した。女性社員は台湾生まれで日本に帰化して居た社員で中国語も出来る社員だった。この3人のチームで、先ず大手商社を中心に「輸出担当者設置のご案内」と言う文書を100枚位出した。今ならネットを使えば簡単に出来るが、結構大変だった。処が、反響が大きく3人の輸出担当は大忙し...皆、新しい仕事、大きな反響、その中で本当に良く働いて呉れたし、青山の小さいビルには、名も知らない様な中小国の大使館が一つのビルの中に在ったり、色んな事が解って来た。その時にターゲットとして絞ったのは、中国大使館とロシア大使館だった。
*中国大使館には、前記した台湾生まれの女性を使ったが、ある時、次長のS君が、「部長、彼女が大使館へ行くの嫌だ。と言って
ます。中国には北部の言葉と南部の言葉があり、大使館へ行くと皆、北部の人なので、直ぐ台湾生まれと解ってしまうのだと...」
*その内に、大使館から、「セドリックの中古車が欲しい...偉い人が載るのだから...」と言うオーダーが来た。一年物の業界用語で言へば、「ピン、ピンの走行2萬キロ未満」の車を納車した。処が、数日たって、メーターを七萬キロに巻いて呉れ...」
「税金が安くなるから...」と言うのである。これらは,皆「関税」の問題である。新車は、メーカーから纏めて申告するのだと思う。一般的には、それぞれの国の投資会社が日本国内にある。そしてそう言う会社が窓口に成って日本の中古車会社から買ったりしている。
*この位、関税問題と言うのは複雑であり、自動車の安全基準は国状に応じ国ごとに違いがあるし、赤沢大臣さんも運輸省勤めの経験はある様だが、「乙仲」とか、「フォワーダー」とかこの難しい通関業務を遣る業者が介在する事など、ここまで流通の実態は理解されて居るのだろうか?トランプさんも、ご存じだろうか?今まで長い時間を掛けて築いて来た「国際流通」を壊すことは本当に避けるべきだと思う。恐らくアメリカ車が日本の保安基準に適合した車を作る事は無いだろう。日本は、「改造車扱い」でアメリカ車を其の儘、認めるだろう。僕のblogのサブタイトルは、「Advice for consumers」となって居る。恵の卒論には「アメリカの中古車の情報を研究しろ」と言って、彼女の「卒論」にはアメリカの中古車価格情報が載せてあった。兎に角、この関税問題は大事な問題だし国民も政治家も勉強して欲しい。
*僕は、この関税問題の難しさに、取引は、「横浜埠頭渡し」と指示をして、後は買い手側が船の手配他、通関業務をやるような条件にして業務を進めた 。 日産特販に移ってからもこの希望は捨てないで居たが、今度は社長なので人員体制も此の事を頭に置いて人集めをした。そして,幸運にもこの商談の機会に恵まれた。1996頃ミヤンマー政府が「ミヤンマー観光年」「VisitMyanmar」の交通手段にタクシーを配備しようと事に成り資金的面から東京のタクシーの中古車を使おう言う事に成った。当時、香港タクシー車は20000台あったが此れも全部セドリックの中古車であった。そんな事もこの決定には影響が在ったのろう。この時ミヤンマー政府は本来「右側通行、左ハンドル」が基準であるが、此の中古車に就いては「右ハンドル」を許可したのである。勿論、通関業務はその間に小さい商社を入れてミヤンマー政府と先方がやった。この様に輸出入の業務に関税関わる業務煩雑である。要するにこの商談は、日産特販―日本人商社―乙仲(通関業務)-ミヤンマー船で運搬-陸揚げ検査、通関と言う形になったのである。これだけの煩雑な形を取りながら日本の中古車は海外に輸出されている。
P,S
「乙仲」とは聞きなれない言葉だが昔の「海運事業法」の中に仕事の中身を「甲」「乙」等と決められて居たその名残である。詳しくは、「ネット」で探せばよい。
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