(お客様の立場に立って...貴方がメーカーだったら?)
☆今から約25年前、或る大型車自動車メーカーの役員会で真剣に討議された議論。
☆「お客様を大事にしよう」と言うテーマ。
・大体メーカーの役員会は総務、経理、技術、工務、営業と言うような部署毎の担当役員で構成されている。営業の下には国内、輸出等実際に車をお客様にデリバリーする販売店が付いている。
・当時の状況 このメーカーのお客様はトラック・バスを中心とした業務用車両が多い。
公害規制等が厳しくなり、代替特需が起こり、この会社の新製品は評判もよく、発売後受注が殺到した。納期は2ヶ月半位掛かり、工場は増産の為、残業に継ぐ残業の状態だった。
・そこに運悪く重要保安部品に「クレーム」が発生した。新型発売後間も無い為、サービス用部品も用意されておらず、緊急な対策が必要になった。既に、販売した車両は3ヶ月分ある。
・A=営業担当役員 ・B=上席役員 ・C=その他の役員・
A 「この所、新車の人気は非常に良い状態で、受注状況も現在3ヶ月の納期を頂いております。唯、発売後3ヶ月で初期クレームが発生しておりますが、重要保安部品なので、至急に対策を打つ必要があります。部品は予想外の本来クレームは無いだろうという部品なので、サービスパーツが間に合いません。ラインを一時止めてでもサービス部品に回して欲しいのですが...」
B 「君、ラインは受注頂いているお客様に2ヶ月半も待って頂いているんだよ。早く納車出来るように残業してでも増産しなくては...お客様第一に反するよ」
A 「チョット待ってくださいよ!買ってくれた人もお客様ですよ。増して、業務用車両が多いのですから、車がキチンと安心して動かなくては、お客様の信頼をなくしますよ」「買って頂いたお値段でチャンと動く事で、お客様は計画を組んでいるんですよ」「安く売ろうが、高く売ろうが、全てチャンと使える事が第一条件です。それを満たすのが売り屋、作り屋の責任ではないですか...」
C 「会社としては今のチャンスを逃しては、今期の事業計画の達成は難しいよね」
・結論。ラインの部品を20%くらいサービスに回せ。下請け(部品メーカー)には増産とぺナルティー含めてコストダウン、を指示したら如何ですか?」
A曰く 「Massy,僕は車を買ってくれた人には、その車がチャンと動いて稼いで欲しいと思うよね。ラインを止めてでも部品を回して売ったお客様に対応することが第一番だと思う。販売店の人もその間中お客様に謝らなければならないし、彼らもメーカーを信用しなくなるよね。でも、僕も頑張ったけれど、多勢に無勢で「売り屋」の意見は通らないよ」
*昔、日産のブルーバード310型が始めて、フロントコイルスプリングを採用して大好評を得た。
しかし、発売後、8ヶ月位でリヤーシャフトのハウジングが折れるクレームが発生した。この時のユーザーは80%がタクシー車。僕たちはこの車を売っていたのだが、メーカーと大交渉をして販売車両全数部品交換のプロジェクトを組んだ。今は亡きメーカーのkサービス部長が大英断を下し、この全数交換の対策ををしたのである。この時の対策は今でも古い人の間では語り草に成っている。その頃のタクシー会社の社長さんには車の整備を自分自身でやっていた人が何人も居た。さて、今こう言う「本当にお客様第一」の視点を持つ人が何人居るだろう?
* 最近クレーム問題が随所で起こっている。シンドラー社のエレベーター問題も同じだ。
メーカーは保守部品で利益を挙げ、サービス用の部品の流通を制限する。今の東京の様に高層建物やマンションの多くが大規模修繕の時期を迎えている。メーカー直営のサービスは値段も高く、エレベーターのメーカーを問わずサービスをやる会社が生まれてくる。メーカーは交換部品の供給を渋る。結果は不十分な整備、「やれ引継ぎがない」だのの問題が起こる。自動車だってそんな時代があり、アメリカでは「レモン法」が出来た。何れの機会に「レモン法」について触れて見たい。
・ 話は飛ぶが、日銀の福井総裁が「投資ファンドの契約書をよく読んでいなかった」ひどいと思いませんか? 銀行、損保、リース、皆、契約書だけの世界ではないですか?竹中さんが元気よく不良債権処理を語っても、ホリエモンを担いだのですから...今色々な会社で「お客様第一」的なフレーズを使っているが、トップの人は本当にお客様第一を体感しているのかしらと疑問に思う。せめて銀行の副支店長クラスは店頭に立ってお客様に「頭を下げるべきだ」 無理解なお客様もいる店頭で、「本当のお客様第一」に接している社員の苦労が解り、従業員の信頼が生まれ、生産性が挙がってくるだろう。
☆今から約25年前、或る大型車自動車メーカーの役員会で真剣に討議された議論。
☆「お客様を大事にしよう」と言うテーマ。
・大体メーカーの役員会は総務、経理、技術、工務、営業と言うような部署毎の担当役員で構成されている。営業の下には国内、輸出等実際に車をお客様にデリバリーする販売店が付いている。
・当時の状況 このメーカーのお客様はトラック・バスを中心とした業務用車両が多い。
公害規制等が厳しくなり、代替特需が起こり、この会社の新製品は評判もよく、発売後受注が殺到した。納期は2ヶ月半位掛かり、工場は増産の為、残業に継ぐ残業の状態だった。
・そこに運悪く重要保安部品に「クレーム」が発生した。新型発売後間も無い為、サービス用部品も用意されておらず、緊急な対策が必要になった。既に、販売した車両は3ヶ月分ある。
・A=営業担当役員 ・B=上席役員 ・C=その他の役員・
A 「この所、新車の人気は非常に良い状態で、受注状況も現在3ヶ月の納期を頂いております。唯、発売後3ヶ月で初期クレームが発生しておりますが、重要保安部品なので、至急に対策を打つ必要があります。部品は予想外の本来クレームは無いだろうという部品なので、サービスパーツが間に合いません。ラインを一時止めてでもサービス部品に回して欲しいのですが...」
B 「君、ラインは受注頂いているお客様に2ヶ月半も待って頂いているんだよ。早く納車出来るように残業してでも増産しなくては...お客様第一に反するよ」
A 「チョット待ってくださいよ!買ってくれた人もお客様ですよ。増して、業務用車両が多いのですから、車がキチンと安心して動かなくては、お客様の信頼をなくしますよ」「買って頂いたお値段でチャンと動く事で、お客様は計画を組んでいるんですよ」「安く売ろうが、高く売ろうが、全てチャンと使える事が第一条件です。それを満たすのが売り屋、作り屋の責任ではないですか...」
C 「会社としては今のチャンスを逃しては、今期の事業計画の達成は難しいよね」
・結論。ラインの部品を20%くらいサービスに回せ。下請け(部品メーカー)には増産とぺナルティー含めてコストダウン、を指示したら如何ですか?」
A曰く 「Massy,僕は車を買ってくれた人には、その車がチャンと動いて稼いで欲しいと思うよね。ラインを止めてでも部品を回して売ったお客様に対応することが第一番だと思う。販売店の人もその間中お客様に謝らなければならないし、彼らもメーカーを信用しなくなるよね。でも、僕も頑張ったけれど、多勢に無勢で「売り屋」の意見は通らないよ」
*昔、日産のブルーバード310型が始めて、フロントコイルスプリングを採用して大好評を得た。
しかし、発売後、8ヶ月位でリヤーシャフトのハウジングが折れるクレームが発生した。この時のユーザーは80%がタクシー車。僕たちはこの車を売っていたのだが、メーカーと大交渉をして販売車両全数部品交換のプロジェクトを組んだ。今は亡きメーカーのkサービス部長が大英断を下し、この全数交換の対策ををしたのである。この時の対策は今でも古い人の間では語り草に成っている。その頃のタクシー会社の社長さんには車の整備を自分自身でやっていた人が何人も居た。さて、今こう言う「本当にお客様第一」の視点を持つ人が何人居るだろう?
* 最近クレーム問題が随所で起こっている。シンドラー社のエレベーター問題も同じだ。
メーカーは保守部品で利益を挙げ、サービス用の部品の流通を制限する。今の東京の様に高層建物やマンションの多くが大規模修繕の時期を迎えている。メーカー直営のサービスは値段も高く、エレベーターのメーカーを問わずサービスをやる会社が生まれてくる。メーカーは交換部品の供給を渋る。結果は不十分な整備、「やれ引継ぎがない」だのの問題が起こる。自動車だってそんな時代があり、アメリカでは「レモン法」が出来た。何れの機会に「レモン法」について触れて見たい。
・ 話は飛ぶが、日銀の福井総裁が「投資ファンドの契約書をよく読んでいなかった」ひどいと思いませんか? 銀行、損保、リース、皆、契約書だけの世界ではないですか?竹中さんが元気よく不良債権処理を語っても、ホリエモンを担いだのですから...今色々な会社で「お客様第一」的なフレーズを使っているが、トップの人は本当にお客様第一を体感しているのかしらと疑問に思う。せめて銀行の副支店長クラスは店頭に立ってお客様に「頭を下げるべきだ」 無理解なお客様もいる店頭で、「本当のお客様第一」に接している社員の苦労が解り、従業員の信頼が生まれ、生産性が挙がってくるだろう。