メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Dream Theater の Dark Side Of The Moon

2007-03-27 22:32:25 | メロディック・ハード
Dream Theaterのオフィシャル・ブートレッグDVD。
73年にPink Floydが発表した「Dark Side Of The Moon(狂気)」の完全カバー。2005年10月25日に、ロンドンのHammersmith Apolloで行われたものだ。

演奏は完璧。
本家Pink Floydの「Pulse」では、中高年の域にに差し掛かったメンバー達が、円熟の演奏を披露してくれたが、Dream Theaterの演奏では、一切の妥協を許さない、プロフェッショナルな再現を見せてくれる。
さすがに、笑い声や効果的な話し声などはサンプリングだが、“On The Run”では、ジョーダン・ルーデスがアナログちっくなキーボードの、そびえ立ったつまみを回して調節することによって、飛行機の飛び立つ音を創り出していた。
この手作り感覚がいい!(ここくらいだが)

反面、テクニカルな彼らにとっては、Pink Floydの演奏だとヒマそうに見える。
マイク・ポートノイなんて、片手で十分叩けそうだ。
ジョン・ミュングの踊るようなベースの押弦がなくて、やけに大人しい。
さらに、ジョン・ペトルーシのギターなんて、デヴィッド・ギルモアの滑らかな音を作るためか、スライドしっぱなしで、違ったものを見てるようだ。
たまに超絶早弾きがないと、刺激が少なくて寂しい。

リズムと音のそろえ方が完璧すぎて、ライブとしてのかえって醍醐味が減ってしまったというのは、厳しすぎるだろうか。
ライブはその場の状況に左右されてアナログだと思うのだが、デジタルに見えてしまうのだ。

その中で、やっぱり人間らしさを発揮する、ジェームズ・ラブリエの歌声。
彼の声の特徴は出てしまうものの、歌いまわしにPink Floydへの尊敬の念が窺え、気持ち良く聴けた。
“The Great Gig In The Sky”を歌った黒人歌手のTheresa Thomasonの、魂の歌声も良かった。

“Money”のギターソロで、一ヶ所ペトルーシがアレンジして早弾きをしたのが、実は一番気に入ったのだぁ。
プログレもいいけど、Dream Theaterはやっぱりテクニカルなメタルが一番似合ってる。

Entwine の diEvercity

2007-03-21 22:08:10 | メロディック・ハード
フィンランドのゴシック・メタル・バンドの4作目。
2005年作品。

ゴシック・メタルというと、Evanescenceでわかるように、女性ボーカルがミディアムテンポで、重低音のリフの利いたマイナーめの曲を歌うものだと思っていた。
ところがこれもゴシック・メタル。
元々は、デスメタルから派生したため、今とは解釈が違ってきているのだろう。

初めの2曲(Bitter Sweet、Someone To Blame)は、「これがゴシック・メタル?」とびっくりした。
パンクっぽいのだ。
My Chemical Romanceがパンクなら、これもそう呼べる。
ゴシックにしては軽く、親しみやすい。まぁ、暗さはあると言えばあるが。

その後は、Sentencedのような暗さとメランコリックさが顔を出す。
意外とヘヴィーでゆったりめのリズムに、うねるようなボーカルがからみつく。
後半になると、重低音のリフが完全に曲を覆っていて、なぜかそれにくつろげる。
イメージ通りのゴシックだからだろうか?

曲調は、パンクっぽい2曲以外は完全に暗く、ゆっくりしたリズムにのしかかるような重圧があって、聴いてる私の動作も遅くなりそうだ。
朝には聴けないな。(笑)
ギターソロももちろん重く、早弾きはない。
ピアノが唯一軽さを感じさせ、バランスを取っていると思う。

曲の粒は揃っていて、聴かせどころをよく抑えている。
叙情的で、暗いと言っても閉塞感はない。
コーラスが、開放感につながっているのだろうか?
と言っても、たいした開放感ではないが。。
ゆっくりめのリズムで、重く暗く美しいメロディを求めている人には最適だろう。

Dragonland の Astronomy

2007-03-18 18:01:20 | メロディック・ハード
スウェーデンのメロディック・メタルのDragonlandの4作目。
3/3に書いたDreamlandとは違うからややこしい。
DragonlandのドラマーであるJesse Lindskogは、Dreamlandのドラマーを兼任してるし、DreamlandのVoであるJake Eが4曲目の“Astromony”で曲作りに参加してるから、さらにややこしい。

アルバムは大変シンフォニックである。
宇宙と天体をテーマにしたコンセプトアルバムのようだ。
曲間にギリシャ神話やユダヤ教の伝承のようなものを、大量に挿入している。
それらを読みながら聴き進めていくのだろうが、なにぶん長いので省略。^^;

前半と後半でがらりと表情を変えるので、分けて書いてみる。

前半は、ミディアムテンポのシンフォニックなメタルが続く。
2曲目の“Cassiopea”は女性ボーカルとのデュエットが美しい。
3曲目の“Contact”は疾走曲。
VoのJonas Heidgert(ヨナス・エイジャート)の高音の声がいい。
踏ん張らないエドゥ・ファラスキというか。。
4曲目のタイトルナンバーである“Astromony”は、DreamlandのJake Eさんの声が聴けますね。確認したら、1と4で歌ってました。
この掛け合いは若さと勢いがみなぎっていて、パワフルだ。
5曲目もなかなか速い。デス声も出して、Jonasさん、がんばってます。

それぞれのギターソロは長くはない。リフもそんなには複雑ではない。
ここまで聴いたら、水準以上のメロディック・メタルといったところだ。

ところが、6曲目の“The Book Of Shadows PartⅣ:The Scrolls Of Geometria Divana”で急変する。
オーケストレーションを大胆に取り入れていて、ヘタするとクラシックだ。
10~12曲目もシンフォニック。
B誌のインタビューにもあった通り、KeyのElias Holmlidが多くを作曲した結果、シンフォニックになったという。
Adajioのようなクラシックとメタルを壮大さの中で濃く融合という場面もあるけど、半分はクラシックそのものだ。
私でさえ、ちょっと冗長さを感じちゃったりして。。いや悪いワケじゃない。
いいんだけど、だからこそ残念な面が引き立ってしまうのだ。

ヴェートーヴェンの「月光」を取り入れた7曲目“Beethoven's Nightmare”や、叙情的なメタルの9曲目“Direction : Perfection”と、聴き所は多い。
クラシックさをうまく調理できれば、素晴らしいものになるだろう。

Thunder の Robert Johnson's Tombstone

2007-03-13 21:04:56 | メロディック・ハード
Thunderは、やっぱりブルース・ロックだ。
今回もBad Companyだなと思ってしまった。

シンプルなリズムと軽快なボーカル。
70年代の懐かしさ。
ギターソロだってゆっくり目で、凄さを見せつけはしない。
むしろ身近で、くつろげる。
が、このギターソロが一番新鮮でもある。
70年代のそれよりもメタルちっくである。

Thunderは肩肘を張らずに聴くバンドなんだろう。
最近、いかに空間を埋めて高度なテクニックを聴かすかをテーマにしたバンドばっかり聴いていたので、Thunderのスカスカな音楽は聴いてて不安になる。
こんなのでいいのかと。
誰だって作れるんじゃないかと。

まぁ、いいのだろう。
文字通り音を楽しめるのだから。

ダニー・ボウズのボーカルはほど良く高音で、ほど良く甘さがあって、ほど良く聴きやすい。
派手さや刺激とは無縁で、ひたすら人畜無害を貫く。
70年代感覚をそのまま2007年に持ち込んだのは、ある意味貴重だ。


画像を見つけました。
内容はあれ??ですが、サウンドは結構いいです。
http://youtube.com/watch?v=1Z9fb98jgDc

レンジャーズ戦 悔しさよりも。。要望

2007-03-12 21:56:38 | 中村 俊輔
昨夜のオールドファームは、1-0でレンジャーズが勝った。
セルティックはホームなのに負けてしまったのだ。

この試合を見た人は、悔しい思いをした人が多かった。
それなのに、なぜか私は悔しくなかった。
負けて、おもしろくない気持ちはあったけど、「俊輔はまだまだだな」とがっくりしてしまったのだ。

なぜ私は人と違う気持ちになるんだろう??
それは、勝負よりも俊輔の活躍を優先してしまうからだろうか?
それとも、後半はレンジャーズに押されて、内容で劣っていたように見えたから、それを勝てなかったからと悔しがるのはおこがましいと思ったからか?
他の人のように熱中できないんだろうか?私は。。

俊輔は、中央に位置するのと、いつものポジションの右サイドと、半々くらいでプレーしていたと思う。
中に入ることが多く、1本ミラーから横パスを受けて、惜しいシュートを放った。
中央で得点を取る意識が高くなったのはいいことだ。

でも。。と思ってしまった。
中央に入ることにより、サイドからの質の高いクロスが減って、FWが消えてしまった。
つまり、俊輔が中央に入った時に、俊輔のポジションをサポートする選手がいないため、右からの攻撃が少なくて、大味になってしまったのだ。
さらに、中央で上がり目のスノと重なり、近い位置でパス交換をすることによって、パスカットされてしまった。
パスが通ればいいのかもしれないが、中央でのパス交換ではレンジャーズのDFが守りやすいと思われるから、無謀なチャレンジだったのかも。。
俊輔を中央に行かせるには、右サイドバックの上がりが鋭い選手が必要だが、現状では無理だ。

カカを意識して、中央からのシュートを増やして得点を狙う姿はよくわかった。
とてもいいことだと思う。
得点できれば最高だった。
だけど、そのために攻撃のバランスを崩してしまったような。。
もしもカカを目指すなら、まずはシュートを打てる時は迷わず打つことから始めてもらいたい。
それができるようになってから第2段階として、自分で持ち込んで、自分でシュートすることと、2列目の動きとして、FWの後ろから詰める意識を持ってほしい。

この日の俊輔は、1.5列目のFWに見えた。
チャンスメーカーとしての動きが少なかったように見えた。
これで良かったのだろうか??
シュートの意識を持ってほしいが、バランスを崩してまでは無理がある。

次はどのような俊輔に変化するだろうか?
第1にチャンスを作り、時折頃合いを見計らって中央へ出てのシュートを希望する。
先日のミラン戦の動きは決して悪くなかった。
まずチャンスメーカーという俊輔の持ち味を生かせられれば、あとはシュートを打つ意識だけでいいのだ。
要望は多いが、俊輔ならできると信じている。

Kamelot の One Cold Winter's Night(DVD)

2007-03-11 16:12:14 | メロディック・ハード
2006年2月11日に、ノルウェーはオスロのRockfeller Muusichallで行われたライブDVD。
7作目の「Tne Black Halo」からの曲がメインだ。

ステージは完璧だ。
Khanの声がよく出ている。
メロディック・メタルで、1、2を争う美声の持ち主だけに、声さえ出ていれば何もコワいものはない。
スタジオで上から被せたにしても、この出来ならオッケー!
隅々に気を配り、繊細な描写が素晴らしい。
Thomas Youngbloodのギターソロもカッコいい。
Casey Grilloのドラムスは、この日も右手はスティックを回しながら、左手は頭の後ろから振り下ろす仕草を、リズムを崩すことなく平然と行っているからびっくりだ。

「The Black Halo」ツアーは、私も2005年4月に来日公演を見に行ったが、その時とはセットリストが違っている。
その差は、ゲストによるのだろう。

まず、アルバムでもそうだったが、EpicaのSimone Simonsが“The Hunting”で登場だ。
ゴシック・メタルを代表する美女なだけに、すごく舞台映えする。
ドレスを身にまとい、美声を武器にカーンとのデュエットは他の追随を許さない。
最後、Simoneが長い髪を揺らしてヘドバンする。ドレスを着て優雅なのに荒々しい。
メンバー的に地味なKamelotに派手さを持ち込んで、とてもいい。

“Moonlight”では、「The Black Halo」のプロデューサーでもあるSascha Paethが登場し、リズムギターとリードギターを弾いた。
Haveans Gateではギタリストだけあって、的確で上手だった。
私が好きな作品は、Sascha Paeth作品が多い(Rhapsody、Angra、Edguy等)ので、その風貌と演奏が確認できたのはうれしい。

他にも日本にも来てくれたMari(LastnameがYoungbloodなのを初めて知ったわ。Thomasの妹?姉?妻??)、Elisabeth Kjarnes、Snowy Shawと、盛りだくさんだ。
バックコーラスの女性も3人いた。
とてもゴージャスだ。

暗くて重めなサウンドの中に、静と動がある。
哀愁を感じさせるKhanの歌声は、いつでも感動させる。
日本公演の時に一番感動した“Don't You Cry”があれば、もっと良かったなぁ~と思うのは贅沢だろう。
演奏が実に締まった、プロフェッショナルな素晴らしいDVDだ。

CL カカにあって俊輔になかったもの

2007-03-08 22:11:15 | 中村 俊輔
CLのベスト8を巡る攻防で、セルティックはA.C.ミランに、延長の末1-0で負けてしまった。
カカのゴールでやられたのだ。
私はこのことで、ショックを受けて落ち込んでいる。

負けたことがショックなんじゃない。
むしろセルティックはよくやったと思う。
最後まで集中を切らさず、ゴール前でボルツを中心に、最後の最後をよく抑え、ゴールを割らせなかったと思う。

ショックなのは、俊輔とカカの違いを痛感させられたことだ。

そりゃぁ~カカはセレソンのトップ下なので、俊輔と比較するのは大それたことだろう。
だけど、このCLではカカと同じく、試合を左右する要注意人物だったのだ。
ある意味、同等だ。
それが、私を興奮させたし、もしかしたらと期待もさせた。
が、ゴールへの意欲の部分で、カカに完敗したのがとてもショックだったのだ。

カカは、シュートを何本もふかしていた。
枠へ行かないなんて、カカらしくないと思っていた。
それでも貪欲に、シュートチャンスがあると見ると、必ずシュートを打っていた。
最後決めたのは、カカのドリブルのスピードとキレ、落ち着きといった個人能力による。
個人能力であるけれど、そこには勝利への執念が感じられた。
何本失敗しようが、決まるまで打つ!といった信念が感じられた。
失敗し続けているから弱気になる、セーフティに行くといった様子は微塵もなかった。
ただゴールのイメージだけを信じて、前を向いていた。

これなんだよね。
今日の俊輔に不足していたのは。
“自分が”点を取るぞという、強い気持ちがほしかった。

俊輔にも、シュートチャンスが少なくとも2回はあった。
だけど、俊輔は見方へのパスを2回とも選択した。
あの場面はシュートだったんじゃないのか??
DFにクリアされようと、ワクへ飛ばなくても、シュートへの執着心が見たかった。
その気持ちが、味方を鼓舞していい影響を与える。
俊輔の目指す、周りを生かすキレイなサッカーもいいけれど、シュートチャンスがある時は、シュートをファーストチョイスにしてほしかった。

俊輔によると、トラップを失敗して足元に入りすぎたためシュートできなかったと弁解しているが、足元に入ったために浮かせてもいいじゃない!
カッコ悪くたっていいじゃない!
もしかしてDFに当たってコースが変わって、結果オーライになったかも知れない。
やってみないことには、何も得られないのだ。
ましてや、この日のように、守備に追われて味方のサポートが遅い時にはなおさらだ。

私には、やるべきことをやらずに負けたように思えて、本当に残念だ。
せっかくのCLだったのに。。
結局は、俊輔にマークを2枚つけ、素早い寄せによって俊輔にボールが集まらないようにしたミランの作戦勝ちだったのだろうか。
ミランには、ボールの出しどころがピルロの他に、セードルフ、ヤンクロフスキと多数存在した。
ここも、俊輔ひとりにゲームメイクを任すセルティックとの違いだ。
出しどころが絞れない。

ミランの勝ち上がりは、当然順当だが、このダメージの大きさは何なんだ。
あまりの完敗によるためか。

最後、セルティックのサポーターが、スタンドでチームのマフラーを広げて選手を労っていた。
健闘を称えていた。
負けたことに対する怒りやブーイングはなし。
はるばる応援に駆けつけた結果が敗戦という仕打ちだったにしてもだ。
なんて人間として大きい!
このことが、私を感動させ、癒してくれた。
感動のあまり、涙が出た。

これからの若いチームと、世界屈指のサポーター。
来年度もCLに出場するはずなので、その時こそ今年の経験を生かして、セルティックらしいサッカーを見せてほしい。
そのためにも、俊輔は来年度もセルティックにいてほしい。
そして“勝利への執念”を見せてほしい!!

CL 明日の早朝はミラン戦

2007-03-07 22:15:15 | 中村 俊輔
欧州CL(チャンピオンズリーグ)まで、あと7時間を切った。
私が戦うわけじゃないのに、緊張してドキドキする。

俊輔は、CL出場に出場するために、セルティックに移籍した。
グループリーグは、俊輔のFK等の目覚しい活躍で突破し、ベスト16に入れた。
このことだけでも、胸のすく思いだ。
俊輔の夢の何分の1かは叶えられただろう。

さらに今夜(現地)はステップアップのチャンスだ。
相手はA.C.ミラン。格上の相手だ。
ひるまず、力まず、思いっきり戦ってほしい。

まともに当たったのでは、ミランには勝てない。
ましてや、ミランのホームに乗り込む。
俊輔のFKでの得点しか期待できないかも知れない。

サンシーロの6万人の観衆のうち、セルティックのサポーターはわずか4500人。
完全アウエーの中、ミランサポーターのブーイングを全身に受けてFKのチャンスがもらえたらラッキーだ。
このシチュエーションで、世界の注目を浴びながらFKができる選手は、いったい何人いようか。
緊張するだろうし、GKの心理を考えて、コースに迷いも生じよう。
だけど、それは紛れもなく幸せなこと。
勝ち残ったチームの、選ばれた選手のみが体験できる。
俊輔のサッカー人生において、最高の至福の時となろう。
たとえ、どんな結果になろうとも。

私は、俊輔のゴールを祈る。
セルティックの勝利、または1-1以上の引き分けを祈る。
俊輔のCLをここで終わらせたくないからだ。
まだまだ夢の続きを見たい。


がんばれ俊輔
がんばれセルティック
奇跡は、番狂わせは、必ず起こせるのだ。

Pride Of Lions の The Roaring Of Dreams

2007-03-04 21:21:02 | メロディック・ハード
元Survivorのジム・ピートリックが、ボーカリストのトビー・ヒッチコックと組んだ産業ロックバンドの3作目。
う~ん、産業ロックというのは語弊があるな~。
アメリカン・ハード・プログレの良さを拾い上げ、懐かしさに埋没することなく、高らかにPOPなHRを歌い上げた、全くもって質の高い作品だ。

ジム自身が傑作だったと認める、Survivorの「Vital Signs」のPOPでコマーシャルな音楽性を目指しているという。
本当に、「Vital Signs」のような、メロディアスでフックの多い曲が、それぞれの表情をちょっとずつ変えて次々と迫ってくる。
次はどんなメロディが飛び出すかと、ワクワクしてくる。
それは、むしろSurvivorというより、David FosterとJay GraydonのAirplayのようだ。
いえ、聴けば聴くほどAirplayだ。
Airplay以外だと、初期のTOTOとか、初期のForeigner、一時TOTOの弟バンドと言われたキーンと書けばわかっていただけるだろうか?
洒落ているし、ひねりもある。
メロディアスなギターの使い方も効果的だ。

トビー・ヒッチコックの歌は素晴らしく、Rockなんだけどところどころソウルフルに、パワフルに歌う。
実に気持ちいい歌い方だ。

2/24に書いたSunstormも、ジム・ピートリックの楽曲だが、それを遥かに超えてしまった。
楽曲の持つ魅力に増して、ドラマティックなアレンジの素晴らしさ、何よりトビーの声がジム作品にジャストフィットしている。

Pride Of Lionを超える産業ロック系は、今年は出現しないと思えるほど最高だ。
っていうか、ここ数年で一番だ。
かつてAirplayが好きだった人には、全員聴いてほしい。

Dreamland の Eye For An Eye

2007-03-03 21:11:50 | メロディック・ハード
スウェーデンのメロディック・パワー・メタルのセカンド。

まずボーカリストのJake Eの声がいい。かつてのボン・ジョビか、ジョーイ・テンペストって感じ。
高音のやや細い声が、甘さをたたえてシャウトする。
表情豊かで、相当うまい。しかも元気いっぱいだ。
いつも思うけど、北欧のボーカリストって、外れはないね。

基本は、LAメタルに似たHM/HRだ。
歌メロが中心で、メロディアスでキャッチーだ。
若干の哀愁が、日本人好みとも言える。
疾走曲はないが、ミディアムテンポの質の高い演奏を聴かせてくれる。

1曲目の“Eye For An Eye”はタイトルナンバーで、堂々たるサウンドだ。
2曲目の“Carousel Of Pain”はアップテンポで、なかなかゴキゲンだ。
ザクザク切り刻むリフに乗る、短いけど速いギターソロと、これまた短いけどメロディアスなギターソロがいい。
11曲目の“Revolution In Paradise”は、ネオクラシカルなギターとデス声が入っていて、他の曲よりヘヴィーだ。
どの曲も水準以上なんだけど、バラードが1曲でもあれば、別の面も見れてもっと良かった。それがちょっと残念。

そういや、ボーナストラックはEuropeの“Love Is Meant To Last Foever”のカバー。
尊敬するバンドなのね。

なお、このアルバムから加入したJesse Lindskog(日本人みたいな風貌)がDragonland出身ってことで、デス声にKeyに、Dragonlandのメンバーがバックアップしている。
名前が似てて紛らわしいけど、何だか微笑ましいな。