記録更新と入浴

入院13日目。

土日が休みだったリハビリが再開した。
アームバイクは１５分間。果てしなく長く感じる。
が、実習生がついてるから、『カッコいいトコ見せたい病』が始まり、がんばってしまった！
回転数は、112の最高値！！こりゃ気分がいい。
カッコつけ、万歳＼(^O^)／

理学療法室は、フローリングで床がキレイだから、ついでに松葉杖なしで歩いてみたら…
歩けるじゃない！
歩幅は狭いものの、腰が引けずに歩ける！前回は、どうしてもおっかなびっくりだったのに。
これも経験値のおかげ？

が、再断裂の危険性は多分にある。
右足は、まだ体重の1/3～1/2しか掛けてはならないから、先走ってはいけないと自分を戒める。


ところで、見舞い客からの質問で一番多いのが、お風呂の入り方だ。
そりゃ入る。リハビリで汗かくから毎日入る。
『これはね、足にビニール袋をして、端はポアテープを貼って水が中に入らないようにするの。』
簡単に言えば、それだけ。
でも、右足を使わずにという条件が加わるから大変になる。
脱衣場と浴室に椅子があるのがポイントだ。
椅子さえあれば、悪い足は膝立ちできるから、着替えはオッケー♪手すりがあちこちにあるから、移動も何とかなる。椅子に座れば、いつも通りに洗える。
問題は、どうやって浴槽に入るかだ。
普通に入るのでは、浴槽のへりが越えられない。

答えは、背面から。
浴槽のへりに座り、良い方の足を浴槽に突っ込んだら、悪い方の足はへりにぶら下げたまま、ゆっくりと背面から身を浸す。
大きめの家庭用サイズなので、深さもある。斜めになって浸かるから、肩まで浸かれる。
膝を立てても入れるんだけど…。
持ち時間30分ではお湯が満杯にはならないから、膝の先がはみ出してしまうのだった。

かくして、股を開いて膝を沈める作業が必要となる。
とても人に見せられたカッコじゃない。誰もいなくても恥ずかしい。
ましてや、入口に向けて開いたとなれば…(汗)

お風呂介護を受けてるお年寄りを考えれば、贅沢なんでしょうけどね。

枕が固いの

今回の入院では、枕の固さがどうも気になってしまっている。

枕の中は、ビーズが詰められている。
衛生上優れているのかも知れないが、これが固くて、よく眠れない。
横になって１時間もすると、当たる部分が痛くなってしまうのだ。

始めの２日間は、夜中の２～３時まで寝付けなかった。
さすがに３日目ともなると、疲れたのか12時には眠れたが。
当然昼寝はしていない。
肩は凝るし、朝起きると軽い頭痛までしていた。

何とかしないと…

ふと見ると、ベッドに掛けていたバスタオルが目についた。
これだ！
フェイスタオルを中に包んで小さく畳んでみた。
ふわふわの感触。
おかげで、その夜はぐっすり眠れ、朝の頭痛も治まった。良かった、良かった♪

ぼっと一安心したのも束の間、今度はバスタオルが私の頭の重みでぺちゃんこになってしまった！
バスタオルをもう１枚増やしたところで、どうにもならない。カチカチだ。
ああ～、家の羽根枕がこんなに恋しいと思ったことないよ！家の人に持って来てもらっちゃおうかなぁ？

が、再びひらめいた。
プチプチだ！

家の人が、早速持って来てくれた。バスタオルの中身はプチプチの11枚重ね。
試してみると、軽くてふわっとしていい感じ。
これで、退院するまでプチプチが安眠を約束してくれるだろう　…と信じたい。

ところで、足元には、普通の４倍サイズの"足置き枕"がある。
これも、寝る時は邪魔になるだけなので、隅っこに追いやっている。
足枷してるんだもん。

受難の枕たち…

とある疑問

【病院のトイレに、シャワーが設置してあります。
これはいったい、何をするものでしょうか？】


細かく温度調整ができる優れ物だ。私は、ずっと疑問に思っていた。
もしも粗相したら、シャワーで洗う？
それにしては、床に排水口がないから、水浸しになってしまう。
そもそもウォッシュレットがあるから不要だ。
意外な答があるのだろうか。

看護師さんに聞いてみた。
「ああ、あれは使ってないですね。清掃の時に使うんじゃないですか？」

ある意味、意外だった。

腹筋大会

理学療法室の午後３時半からは、毎日腹筋大会が行われる。
文字通り、いろんな種類の腹筋をみんなでやるのだ。

10代の学生から、20代の社会人まで、総勢10名くらい。
それに私がオバさん代表で、自主的に参加している。
はっきり言って、おみそだ。


今日のメニューは、５種類。
まず、仰向けになり、足を上げ膝も曲げる。それぞれが90°になるように。
手を頭の下で組み、右肘は左膝に、左肘は右膝に交互に付くように腹筋をする。
10回やったら、次の10回は５倍速で。
これを80回までやる。
私は壊滅的にできない。肘と膝の間が20cm空いてしまう。
でもおみそだから仕方ないと、次の腹筋。

仰向けに寝て、肘を付いて上体を起こす。
そのまま肘を抜く。
その状態で腹筋で起き上がる。
左膝を越えて手のひらを出すように20回。右膝へ20回、中央に20回。
左膝へは多少できたが、後が続かない。少し起き上がった状態から(手が膝に付くぐらい)でやって、ズルをした(苦笑)

次は、仰向けからの足上げ。
今やってるリハビリの両足版だ。
５秒15°やって、２秒45°と角度を変える。全部で２分か。２回目は、90°も入った。
これならできた。ふぅ～。

お次は、横に寝て、両足揃えてキックしながら15°ほど持ち上げる。
これもリハビリでやってることの両足版だからできた。
左右１分ずつくらいで済んだし。
普通に仰向けで寝てのキックもした。その時は、腕はどこにも付かない。
それだって、始めの二つを思うとまだ楽だ。

最後は、一気に過激なＶ字バランスして、手と足をつけるもの。
これこそ無理。
真似事だけして、終わらせた。

ああ、大変。でも参加することに意義があるのさ。
自分ひとりじゃ、絶対にやらないし。

腹筋大会の道は、遠く、険しい。

ギブス巻き直し

アキレス腱断裂縫合手術から１週間が過ぎ、今日はギブスの巻き直し日だ。
患部の様子を見て消毒をする。

もとよりアキレス腱には痛みがない。
傷口も痛くない。
お風呂上がりに、ギブス周りを体拭きシートで拭いているせいか、痒みもそれほどでない。
心配なのは、傷口がきれいに縫えているかだけ。

３時過ぎに呼ばれ、処置室に向かった。
そこに運ばれたのが、業務用の掃除機。本体に直径10cmほどの電気ノコギリが付いてはいるが…。

今回も、これでガーッと切った。
もう恐怖心はないから、じっくり眺めていた。ギブスの内側は包帯状の脱脂綿でくるまれ、その内側は包帯が巻かれ、さらにガーゼ３枚で覆われていた。
それらを除去して、ようやく患部がお目見え！

ホチキス留めじゃなくテープだった。
短いテープが横一列に並んでいるだけ。
担当医師に頼んで、写してもらっちゃいました(笑)

テープを剥がすのは１週間後だから、退院の日にやっと傷口が見られる。
それにしても、足首の下の方にあざはあるし、足の甲の小指側がむくんで黄色くなってて汚いなぁ～。
黄色いのは、足の小指側を下にして寝ていたから、内出血したものが溜まったのだという。
「それなら、上向きにして寝ましょうか？」「いや、もう、手遅れ(笑)」
あらら。

巻き直しにより、ギブスにヒールがついた。４cmで低めだから安心した。
これからは、踵を付けるようにして松葉杖歩行をする。
私はこれが苦手なんだな。
とりあえず、立つ時に添えられるから楽になる。


歩く際のギクシャクぶりは、また後日。

入院中の楽しみ

入院中は、行動が制限されるから、どうしても楽しみが減ってしまう。
飲み会はできないし、クリスマスイルミネーションを見に行けないし、バレーなんてもってのほか！（くすん）


それでも、ささやかな楽しみはある。

まずは、おなかが満たされる楽しみ。
食事については、前にも書いた。
主婦にとって、他の人が作った食事を、温かいまま食べられるのは魅力だ。
美味しいときてるから、なおいい。


次は、知識が満たされる楽しみ。
朝８時半ともなると売店が開くから、新聞とコーヒーを買いに行くのが日課だ。
ベッドを起こしてソファ代わりにし、テーブルをベッドにずらして、新聞を置く。
コーヒーを飲んでると、何とも優雅だ。
同室のお年寄りの『おしっこしたいんですけど』も、耳に入らなくなる。
新聞を、暇に任せて隅から隅まで読む。当然紙面の広告も。
かなりの情報量だ。

普段は読まない社説や解説を読むと、ニュースがより理解できるような気がする。この機会に社会情勢を知ってしまおうと目論んでいるが、はたして…。


そして、体を動かせる楽しみだ。
リハビリを始めてから、アームバイクを毎日やるようになった。
１０分間から始めて、１日１分ずつ増やしている。
今日は１２分間だった。
なかなか長い。ならば頭の中で音楽が回れば気が紛れる…。そう思った時、真っ先に浮かんだのが、Queenのバイシクル・レースだった。
なんてベタな。
右方向には、エアロバイクが４台鎮座している。
とりあえずQueenで始めた。
が、変リズムだから、調子が狂う。
ダメだ、高度すぎる(苦笑)

窓の外を電車が行き交う。
そこで思い浮かんだのが、ぼくは電車。
やっぱりベタだ。しかも子供向け(苦笑)
なんせ、手こぎでいっぱいいっぱいだから、考える余裕がない。
これでいいや。
２番まで行ったから、終わらせた。微妙にリズムが遅いし。
これもボツ。

次は何の曲にしようかな？と考えた時、突如思い浮かんだのが、Styxのジェニファー。
“Her love，gives me a power
Her dream，carries me on …”
何となく、今の気持ちに合っている。励まされる。
ジェニファーをジェレミーにし、Her を Hisにすればより効果的か？
ジェニファーの歌詞を思い出してるうちに、１１分を越えていた。これはナイス！

よしっ、回転数アタックだ！
残り２０秒で猛然とダッシュをかけた。みるみる回転数は上がる。
ついにタイムアップと共に、100回転／分となった！
やった！！ すごい達成感！！

が、担当の理学療法士さん、
『次は120回転ですね』
いとも簡単に言う。
そうか、まだまだなのか。３０秒前から仕掛ければできる？
プレッシャーをかけられながらも、意欲が出てきてしまった。
そろそろ筋肉痛が出る頃だが…(笑)

午後の腹筋大会も書きたいが、これはまた後日。

看護実習生

看護学校の実習生が、私の担当になった。
彼女は３年生。実習地は１０ヶ所目で、今回で終わりなんだそうだ。

他の仕事を経験された方なので、学生と言えど、人当たりがいい。
落ち着いてるから、安心感を与える。
何より笑顔が素晴らしい。

今日は、先週の金曜日に引き続いて２回目の実習日。
金曜日は、手術後の痛みが残り、腰も本調子じゃなかったから、動きが緩慢で、病人然と見えたことだろう。
それを証拠に、実習生が来て挨拶してくれた時に、私がベッドから起き上がった動作を見てびっくりしていた。
そんなに俊敏だったのだろうか(笑)

今日は、体温と血圧の測定、話をすることと、リハビリに付き合うのが、私のケアの主な仕事。
私が自分のことは自分でできちゃう"自立した"患者なので、お世話のし甲斐がなくて、がっかりだろう。
その代わり、『一度体験して患者の身になっても…』と、強引にエアロバイクをこいでもらった。
一生懸命にこなしていた。さすが実習生！

明日は、下肢伸展挙上でも付き合ってもらおうか(笑)

食事

入院中の楽しみは、面会と食事、それにせいぜい売店通いくらいだ。
リハビリは、気晴らしにはなるが、楽しみとなると、ちょっと…。

で、食事だ。
ここの食事は、大変美味しい。
全て手作り、薄塩を心掛けている。
トマトソースもシソ風味ソースも、もちろん手作り。
毎食、肉か魚を選べるのもいい。
朝食に関しては、パンかご飯かを選べる。

さらに、機内食のように、移動性の保温器具に入って運ばれてくるから、アツアツだ。
驚くことに、トレーの半分が保温、半分が保冷だから、牛乳やフルーツが冷えてて美味しい。
病院にいながら、こんな食事ができてラッキーだ。

欲を言うと、お味噌汁の具とおかずの量を増やしてほしい。
まぁ、１食わずか260円だから、贅沢は言えないかな。
100円増やして、グレードアップを！っていうのは、ワガママなんでしょうね。

リハビリ開始

昨日から、リハビリを開始した。
まだ足首のリハビリは始められないから、当面は太ももの筋力低下を防ぐのが目的だ。

車椅子を使って、２階のリハビリ室へ向かった。
ここの病院は、スポーツ整形があるから、スポーツ選手用のリハビリ室と、お年寄りや一般用のリハビリ室がある。
あろうことか、私はスポーツ選手用のリハビリ室に組み込まれてしまった！
プロのスポーツ選手や学生ばかりだ！

レベル違っ！
多少の気後れを感じながら、リハビリが始まった。

私のメニューは、以下の５種類。
１．クワドセッティング
２．下肢伸展挙上
３．側方下肢伸展挙上
４．後方下肢伸展挙上
５．股関節内転

５がボール挟みなだけで、後はだいたい足上げだ。
これを、２０回×３～５セット。

１セットに１０分かかる。
初日は、４セットに留め、終わりにした。


２日目の今日。
車椅子とはオサラバで、松葉杖が登場。
リハビリ室までの長い道のりを、歩いて行かなければならない。
前回は果てしなく遠かったが、今回は余裕で到着。これも経験値よね(笑)

５種類のリハビリを５セットこなした。
途中、ボーっとして、３０回になったりした(笑)

５０分で終わってしまったため、他に何かしたい。
私の担当の理学療法士の先生は、
「有酸素運動と筋トレがありますけど」
有酸素運動と筋トレって？
「筋トレは、鉄アレイとかですね。あっ、あれもそうです」
と差し示す指の先にあったのは、アームバイク。エアロバイクの腕版だ。
アームバイクでお願いします。

負荷を標準の６で始めた。
数値は６０を切らないようにとのこと。多分、１分に６０回転、１秒に１回転だ。
私に課せられたのは、１０分だった。

４分やって、腕が疲れてきた。やめちゃおうかな。
でも、押しながら回すのでなく、引きながら回すと楽なのが分かった。これで２分引き延ばせた。
折り返し地点を過ぎると、途中でやめるのは面白くない。
数値とにらめっこしてるから、時間が進まないんだと断定し、外の景色を楽しむことにした。
目の前を電車が通り過ぎる。
じゃあ、次の電車が来るまでがんばろう。
こうして、電車を何回か見送って、何とかかんとか終点に辿り着いた。
あ～、疲れた、腕がパンパンだわ。よくがんばったわ、自分！

理学療法士さんに、終わったことを伝えると、
「皆さん、これを３０分やるんですよね…」
うっわ～、３倍？無理、無理！
松葉杖で帰るから体力を残しておきたいと言い訳して、そそくさとリハビリ室を後にした。

次回の目標は１１分間かな。
それとは別に、平日3:30～に行われる"腹筋大会"には参加してみたいと思った。

手術後はチューブだらけ

手術は無事完了したが、これですべてが終わるわけじゃない。
手術が終わってまず感じたのは、肩の痛みだ。ずっとうつ伏せの同じ体制をしていれば、起こるのは必然的だ。
仰向けになり、肩を動かしたら治まった。

次に私を待ち構えていたのは、患部の激痛だった。


手術が終わると、病棟のベッドで部屋に戻った。
点滴、尿管のチューブ、鼻への酸素吸入、左足のマッサージャーはつけたまま。
すっかり重病人だ。

麻酔が効いてて、腰から下の感覚がないのは、相変わらず。
3時間で取れると言われたが、どうなんだろう〓


麻酔の効きが、腰骨の下まで降りてきた所で消灯になった。
通常人より遅いものの、順調に麻酔が取れている。
足の付け根まで降りてきたら、手を使えば寝返りが打てるようになり、腰の痛みは楽になった。

が、足の感覚が戻りつつあった１１時（７時間かかった）、右足首の痛みも同時に戻ってきたのだった。
足が腫れてギブスを内側から圧迫するのか、どこを向けても痛い。眠れやしない。
ビーズクッションの上に氷枕を置いた"マウンド"の上に右足を置かなくてはならないから、身動きが大変なんだな、これが。

その時気付いた！そうだ、ロキソニンがあった、
腰痛にも頭痛にも効くから好都合。私って頭いい～…と自画自賛。
なのに、なぜ？ 良くならないの？
アキレス腱はおろか、腰痛も頭痛もすっきりしない。
ダメだ。
これはもう、ナースコールか、暫く様子を見るか、朝まで我慢するか…。
痛みを分散させるためにゴロゴロしながら１時間以上迷った。
そして２時半過ぎに、看護師が尿のチェックに来たので、遂に足首の痛みを訴えた。
「座薬をしましょうか？」
ゼヒにお願いします。

座薬は４０分後に効くという話。
気づいたら寝ていたので、効果絶大だ。
困った時はナースコールとわかってたのに。もっと早く助けを求めれば良かった。
やっぱり私は、弱音を吐くのが嫌いなんだ。

翌朝は、尿管のチューブ、マッサージャー、点滴が外れ、正真正銘自由になった。
なんて楽なんだ！

身軽になったところで、リセットとしよう。
今日から回復が始まる。