そんな素朴な疑問を持ち、フィンランドのApocalypticaの7作目である『World's Collide』を聴いてみた。
思いの外、普通のHMだ。
テクニカルなドラムスは、どう聴いてもベースと共にリズムを刻んでいるとしか思えない。
重低音のリフだって、普通のギターだ。音の厚みは十分。
強いて挙げると、中音の響きが豊かで、チェロかなって程度だ。
それと、さすがに高音が出せないってことかな。
が、そんなの全然デメリットじゃない。
9曲目の“Burn”で聴けるもの哀しい音色は、電子音じゃ出せないチェロそのものが持つビブラートがある。とても安らかな気持ちになれる。
チョーキングや大きなビブラートもあって、チェロであることを忘れさせもする。
曲によっては、ゲストを入れている。
SkipnotのCorey Taylorや、なんと2曲目の“Grace”には布袋寅泰が曲作りで参加している。
これが見事なアクセントになり、変化をつけている。
個人的には、10曲目の“SOS(Anything But Love)”のLacuna CoilのChristina Scabbia嬢の切なそうな歌が良かった。
もちろん、ピアノやシンセも部分的に取り入れ、1本調子になるのを避けている。
メタル的な部分と、アコースティック楽器チェロを融合させ、独特の世界観を創り出している。
5曲目のデヴィッド・ボウイによる“Helden”って、“Heroes”のことだよね。
アレンジが違ってるので、ちょっと自信ないけどきっとそうだ。
ここのチェロソロは、ハーモニクスもされてて、ホントにギターじゃないんだろうか?