メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

Rhapsody Of Fire の The Cold Embrace Of Fear

2011-01-18 23:10:40 | メロディック・ハード
イタリアが誇るエピック・シンフォニー・メタル・バンドの通算9作目。
ダーク・シークレット・サーガの物語としては4作目。
全1曲、7つのパートから構成されるミニアルバムである。

1聴して感じたのは、“あまり印象に残らない”だった。
最初から、映画のサウンドトラックみたいに、情景描写の効果音と例のクリストファー・リーのセリフ、男達の叫び声が流れる。
なかなか演奏が始まらない。
効果音のオーケストレーションや劇場仕立ては、結構見事なのだが、それが好きでRhapsodyを聴いている人はいないだろう?
最初の導入を“聴かされている”間に、ちょっと飽きてしまうのが残念だ。

で、5分半待たされると、ようやくRhapsodyの“HM”部分が始まる。
これはかなりいい。
ファビオ・リローネの情感を込めたボーカルはさすが。
ルカのリフも決まっている。

このまんま突っ走るかと思いきや、劇場仕立てはまた始まってしまう。
やめてほしいのになぁ。
気が削がれてしまう。

疾走系を期待してはいけない。
攻撃的なギターソロも期待してはいけない。
が、ACT5:Neve Rosso Sangueは、Rhapsodyらしいトラッドを取り入れたバラード。
切なさが胸を打つ。
続くACT6:Brians Lost Secretsは、ミディアム・テンポのHM。壮大でうねりがあって、感動的だ。

このアルバムは、サウンドトラックとして捉えないと、難しいだろう。


At Vance の Only Human

2011-01-16 16:12:37 | メロディック・ハード
Avantasiaでリズミカルなギターと、骨太なボーカルを聴かせてくれたOliver Hartmanが、かつて在籍したドイツのAt Vanceの3edアルバム。
2002年作品。
ここでは、Oliverはボーカリストに専念している。

中身は、まるでネオクラシカル。
ご丁寧にも、ヴィヴァルディの『四季』から“春”がHMアレンジで演奏されている。
バロックは、やっぱりHMによく似合う。
Yngwieのフォロワー丸出しだが、レベルが高いので、楽しく聴ける。

Oliverのボーカルは、Evil MasqueradeやFirewindのボーカリスト、アポロ・パパサナシオと区別がつかない。酷似している。
古くは、デヴィッド・カバーディルか。
鼻にかかったやや高音で、表情豊かに高らかに歌いきる。
At Vanceの頃の方がまだ柔軟だ。今の方が骨太。

サウンドは、作曲を手掛けるリード・ギターのOlaf Lenkの趣味なのか、ネオクラシカルのど真ん中。
時折、どこかで聴いたその手のフレーズが聴ける。
そこに、ジャーマン・メタルからの影響で、スピーディーなリフが加わる。
4曲目の“Fly To The Rainbow”は、その最たるものだ。

スピーディーさなら、11曲めの“Witches Dance”が面白い。
こちらは、Helloween的な流れるようなスピードがある。
こちらの路線を突き詰めれば、ネオクラシカルから脱却して、新たな魅力が作れると思ったのだが。
イントロの笑い声はやめた方がいい。
で、驚いたことに、もしもこの方向でシンフォニックに味付けしたら…Avantasiaじゃな~い!

Olaf Lenkのギターは確実だし、歌メロはツボを押さえている。
安心して聴ける。


なお、Rainbowの“I Surrender”をカバーしている。
歌、ギター共に、Rainbowに敬意を表してか、再現に留めている。
とはいえ、最後のOlafの長めのギターソロは楽しい。

エンジニアに、サシャ・ピートを起用している。
またライナーに、1stからエドガイとツアーをしたとあり、この頃からトビアス・サメットとの交流があったのかと、にんまりしてしまう。